良品計画の「無印良品」が、衣料品のプレスルームを新設した。場所は、東京・飯田橋にある本社が入るビル1階の1区画。従来はオフィスと同じ5階にプレスルームを設けていたが、1階に移してシーズンの商品を投入月ごとに見られるように整理。スタイリストや編集者らが、よりリースがしやすい仕組みを意識したという。
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EC停止も売り上げは好調
無印良品は、コロナ禍前から販売不振に陥っていた衣料品カテゴリーについて、2022年秋冬シーズンから本格的に刷新を開始。ジーンズなど定番商品はフィットから見直すと共に、繊維商社の三菱商事ファッション(現エムシーファッション)の一部門を吸収して生産体制を強化、店頭ではマネキンを増やしてスタイリング提案に注力するなど、数年かけてさまざまな切り口で改善を進めてきた。
その結果、2025年8月期の衣料品の既存店売上高は年間で11.5%で着地。続く9〜11月も、アスクルのランサムウェア感染によるネットストア停止期間が1ヶ月以上あったにも関わらず、3ヶ月間で5.0%増と売り上げを落としていない。スキンケア製品が絶好調な生活雑貨カテゴリーと共に、衣料品カテゴリーも成長期に入っており、それが直近の好業績を支えている。今回のプレスルーム新設も、こうした流れの延長線上にあるものだ。
衣料品強化の中で、無印良品が創業時から重視してきた価値観と、今の気分や気候の中で求められるものを融合する傾向が強まっている。2026年春夏物のウィメンズウェアでは、例えば春夏の無印良品の看板素材の1つであるリネンアイテムを拡充。2月にロングスリーブのボタンダウンシャツ(4990円)やワンピース(6990円)を投入するだけでなく、7〜8月の盛夏にも半袖ブラウス(3990円)などをヘンプ素材も含めてバリエーション豊富に投入するスケジュールに変更した。









カポック繊維を使用したデニムジャケット(6990円)
Image by: FASHIONSNAP
これまでの無印良品では少なかった柄物も増やしている。「暑い夏は、一枚で着てスタイリングがきまるアイテムが求められるため」と広報担当者は狙いを話す。柄といってもストライプやチェックなどシンプルなパターンだが、無地が大多数の無印良品の中では新鮮だ。ここ数年、春夏の定番になっているシアー(透け感)トレンドに対しても、よくある化繊素材ではなく、無印良品らしい天然繊維(強撚糸の薄手コットン)でブラウス(2990円)を企画した。
デニムジャケットの生地には、カポックという樹木の実から取れる繊維を含んだ糸を使用している。カポックは繊維長が短いため糸にするのが難しいと言われるが、改善を重ねる中で混率を従来の10%から20%にまで高めた。カポックは農薬を大量に必要とするコットンに比べ環境負荷が低く、同時に繊維として軽い点も特徴。「軽いと着ていても疲れにくく、無印良品が求める『暮らしのきほん』というコンセプトにも合致する」。
飯田橋で“無印村”を形成中


プレスルーム外観
Image by: FASHIONSNAP
インナーウェアでは、サテンのパジャマやラウンジウェアを初めて企画した。サテンといっても再生繊維であるリヨセル100%で、ギラギラしない落ち着いた光沢感がポイント。上下セットのパジャマ(4980円)や、プルオーバー、クロッチ付きのショーツなどがあり、色もグレイッシュなミントグリーンやサックスブルーなど多数揃える。
プレスルームの並びには、1月に飲食業態である「カフェ&ミール MUJI」もオープン予定という。同社は2024年2月に、創業以来本社を置いてきた池袋を離れて飯田橋に移転したが、飯田橋に徐々に無印村が形成されてきている。
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