
Image by: FASHIONSNAP

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マッシュスタイルラボが、イタリアの高級ラゲージブランド「ファブリカ ペレッテリエ ミラノ(Fabbrica Pelletterie Milano、以下FPM)」の日本初となる旗艦店「FPM Milano 表参道」を12月11日に表参道にオープンした。マッシュスタイルラボは、2024年に伊藤忠商事との協業により、FPMの日本市場における独占販売権を取得。2025年春夏シーズンから国内の一部大手セレクトショップで取り扱っているほか、百貨店などでポップアップを展開してきた。
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マッシュホールディングスは、2022年8月期にメンズ事業・ライセンス事業・キッズ&ベビー事業を「3本の柱」とし、それぞれのカテゴリーの中長期計画として売り上げ目標100億円を掲げている。これまでのマッシュホールディングスのポートフォリオの中では異色の価格帯・カテゴリー・テイスト(ラゲージの価格帯は14万800〜41万3000円)であるFPMの展開は、この柱の一つである「メンズ事業」の新たな取り組みとなる。FPMを通して実現したい同社のメンズ領域の今後の展望とは? 伊藤忠と協業によって「バブアー(Barbour)」や「レスポートサック(LeSportsac)」を成功に導いてきたマッシュグループ。その中でバブアーや「アウール(AOURE)」など、特にメンズ事業の成長をけん引してきたマッシュスタイルラボの濱田博人専務取締役に聞いた。

店舗外観
Image by: マッシュホールディングス
◾️FPM Milanoとは
1946年にエンリコ・フレムダー(Enrico Fremder)が設立したイタリアの高級ラゲージブランド。1975年に、エンリコの息子であり現CEOであるベッピ・フレムダー(Beppi Fremder)が加わり、それ以降家族経営企業としてクラフトマンシップを継承している。ブランドを象徴するのは、ヴィンテージのトランクからインスピレーションを得たアルミニウム製の「BANKシリーズ」。その名の通り「銀行(BANK)」のような高い堅牢性が特徴で、128個のリベットを手作業で挿入し、ハンドルには柔らかいイタリア製レザーを採用しており、細部にまで高い職人技術が施されている。2022年にはミラノ・ブレラ地区にグローバル旗艦店をオープンし、「グッチ(GUCCI)」との継続的なコラボレーションを始動した。ラゲージの価格帯は14万800〜41万3000円。
目次
富裕層の獲得目指す ポップアップでは1週間で売上1000万円超えも
ナノ・ユニバース前社長である濱田氏は2020年にマッシュホールディングスにジョインし、上席執行役員 ファッション事業戦略本部本部長に就任。中長期的な成長戦略において近藤広幸社長を補佐し、現在はマッシュスタイルラボの専務取締役を務める。2022年には、伊藤忠商事の協業によって実現したバブアーの日本市場における独占輸入販売権取得を主導し、バブアー パートナーズ ジャパンの代表取締役社長も同氏が兼任。2024年にはレスポートサックジャパンの株式を伊藤忠商事と共同で取得し、両社によるジョイントベンチャー形式で運営している。
バブアー、レスポートサックの共同展開を経て、伊藤忠商事と関係を深めているマッシュスタイルラボ。同社では、メンズ事業・海外ブランド事業の拡大を目指し、新しいマーケットにリーチできる商材を探していたという。バブアー、レスポートサックと異なり、日本ではまだ一部の層にしか認知されていないFPMだが、濱田氏は「これからメンズ事業を拡大していく上では、富裕層に対してのアプローチは避けて通れない。ある程度“大人”で、“良いもの”を知っている方々が今後どういったブランドに目を向けてくれるか、と考えた際にFPMは非常に目を惹いた」と話す。

蝶の羽ようなパーツを捻ることでロックをかける「バタフライロック」はシグネチャーシリーズ「BANK」の特徴的なディテール
FPMの魅力について同氏が第一に挙げるのはその「デザイン性」。丸みのあるフォルムやアイコニックなバタフライロック、そしてカスタマイズが可能なトップハンドルなど、イタリアの遊び心や洗練されたデザイン性が落とし込まれたプロダクトは「男心をくすぐる」と濱田氏。実際に約1年間私物としても使い込み、「長年他社の製品を使ってきましたが、度々破損して、修理が必要でした。しかし、FPMは海外出張で頻繁に使用しても一度も壊れることがなかった」とし、その頑丈さにも納得した上で契約に踏み切ったという。
価格帯の面でもラゲッジというカテゴリーにおいても、マッシュグループの中では新鮮に映るFPM。しかし、マッシュHD初のメンズブランドとして同社のメンズ事業をけん引する「アウール(AOURE)」の主要客層である30〜50代男性の消費動向としては洋服以上にバッグや小物類に対して「ブランド力」を求める動きがある。「近年はインポートブランドの価格も上昇していますし、洋服に関してはブランドバリューよりも着心地を優先される方が多い。一方で時計やバッグといった長く使うものについては、ブランドとして長く信頼を築いていることや、高級感・クラス感があるものを求められる傾向にあります」と濱田氏。日本のラゲージ市場が寡占状態にあることも、成長の伸び代として見込んでいる。2025年春夏シーズンにポップアップを開催した百貨店の外商顧客からの評判も上々で、1週間で1000万円強を売り上げた会場も複数あったことから「継続すれば結果が出る」と確信し、旗艦店のオープンに至った。

店舗内観
Image by: マッシュホールディングス
表参道駅からもアクセスの良い立地で、他社のラゲッジブランドが店舗を構えるエリアから一本通りを入った先に位置する表参道店では、店舗の隣に予約制の専用駐車場を用意し、「わざわざ訪れたくなる」ような店舗運営を重視。2月には店舗の2階に接客用のサロンをオープンし、一生物のラゲージを丁寧にカスタマイズする体験を提供していく。インバウンド客の来店も期待できるエリアだが、まず第一に獲得したいのは国内の富裕層。現在はハイグレードなクレジットカード会員向けや外資系高級自動車ブランド会報誌への出稿など、富裕層に特化したプロモーションで認知拡大を図っており、年明けからは大手航空会社のプレミアムクラスの座席限定のCMも配信をスタートする。
「即効性ではなく、将来性」 カルチャーになるブランドづくり
バブアーとレスポートサックは、日本市場独自路線のリブランディングを通して成長させている。対してFPMは、既存のブランドのテイストを維持。「もともと国内に市場があったバブアーとレスポートサックは、“芽が出ている”状態でマッシュらしいアプローチでアクセルを踏めば成長が見込めた。一方でFPMは今”種を蒔きはじめた”段階。取り組みとしては真逆になります。でも5年後、10年後に振り返った時『やっておいてよかった』と思えるビジネスにしたい。FPMの狙いは”即効性ではなく将来性”です」と濱田氏は強調する。だからこそ、FPMの運営チームには「日々の売上で一喜一憂しないでくれ、まずはブランドの素晴らしさを伝えることに集中してほしい」と指示しているという。
メンズ事業全体として強化していくのは、客層は問わず“一過性のものではなく、カルチャーとして着実に日本に根付くもの”。スピード感のある成果だけを目指したブランドは持続性がないからだ。「自分たちのブランドと客層を固定化してしまうと、いずれそのマーケットは枯れてしまいます」。業界経験の長い同氏は、そうして減速・低迷していったブランドを数々見てきた。現在好調なバブアーと比較するとフェーズ自体は異なるが、「先」を見たブランド作りという点では共通点もある。一歩先のマーケットを想定した「種蒔き」と、現状の刈り取りを並行して行う、長く根付いていくブランド作りを行っていく。
「わざわざ訪れたい店になる」 女性客を狙った日本限定色も
メンズを中心ターゲットとしているFPMだが、カスタマイズに強みを持つFPMならではの特徴を活かしたジェンダーレスな限定アイテムも用意。レザーハンドルとアドレスタグには、本国に提案して実現した日本限定カラー5色(アクアブルー、サンフレアオレンジ、ターコイズグリーン、タバッコブラウン、オーキッドピンク)をラインナップし、表参道店限定でレッドカラーのラゲッジも登場した。今後は軽量なポリカーボネート製のラゲージの女性客を想定したカラー展開も検討しているという。日本限定品はどれも、イタリアの工場まで濱田氏自身がサンプルチェックに出向いて製作した肝入りのアイテム。当初は戸惑っていた本国も、現在は日本展開の新たな取り組みに関心を持ち、良好な関係が築けているという。今後はラゲージに限らずバッグや小物などの商品カテゴリーを拡張していく予定で、本国のクラフトマンシップを活用した新商品開発に積極的に取り組んでいく。




日本限定カラーのハンドルとタグ
「マッシュらしさ」の外に飛び出して
FPMの展開は、同社に「意外性」をもたらすという意味でも重要な一手。グループ全体の更なる成長のためには、固定観念としての“マッシュらしさ”にとらわれずにブランドや展開内容の幅を広げていく必要があるという。
「社内には近藤さんが長年描いてきた“マッシュ像”がありますが、近藤さんは懐も深い方だし、新しいことをしたいと常におっしゃっています。なので外部からジョインした僕の役割は、“意外性”のあることをすることなんだと思っています」(濱田氏)。
5年前の入社の際から濱田氏は、近藤社長から「これ以上は、自分1人の想像では会社を大きくできない」と声をかけられていたという。組織の作り方からプロジェクトの進め方まで、“カリスマ近藤イズム”が隅々にまで浸透している同社だからこそ、濱田氏の取り組むすべてがスタッフたちにも新鮮な刺激を与えているようだ。著しい成長を遂げている同社の他のブランドと比較すると勢い自体は緩やかかもしれないが、同社に「意外」な風を吹かす可能性が潜むFPMの今後の展開に期待が集まる。
最終更新日:
◾️FPM Milano表参道
オープン日:2025年12月11日(木)(2階は2月上旬を予定)
所在地:東京都渋谷区神宮前4-24-17
営業時間/定休日:無し(年末年始営業12月31日 18:00 CLOSE / 1月2日~)
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