
リアルト西友三軒茶屋店
Image by: FASHIONSNAP

リアルト西友三軒茶屋店
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トライアルカンパニーが、オリジナルアパレル専門店「リアルト(RIALT)」西友三軒茶屋店のリニューアルオープンに伴い、2026年春夏商品の内覧会を開催した。2025年に西友を完全子会社化、2026年にはスギホールディングスと包括提携をするなど、リテール業界で存在感を高めている同社が今回初めてアパレル部門の戦略プレゼンテーションを行い、競合がひしめく低価格アパレル市場攻略の秘策を説明した。
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IT・AI技術を武器に拡大を続けるトライアル
トライアルカンパニーは、1974年に福岡でリサイクルショップ「あさひ屋」として開業。その後、家電量販店やディスカウントストアなどを手掛け、2001年に総合スーパー事業に参入。居抜き出店戦略で全国へ急速拡大し、2024年に東証グロース市場に上場した。2025年6月期の通期決算では、売上高は前年比12.0%増の8038億円、営業利益は同10.2%増での211億円とそれぞれ過去最高額を記録するとともに、25期連続増収を達成するなど、右肩上がりで成長を続けている。
同社が強みとしているのはITやAIに関するノウハウだ。1984年には小売店向けのPOSシステム開発などを開始し、2003年には中国にソフトウェア開発拠点を設立。自社開発したシステムなどを活用することでオペレーションを効率化し、「EDLP(エブリデー・ロー・プライス=毎日低価格)」を実現している。

トライアルグループの沿革
機能インナー599円、厚底クッションスニーカー2900円
そんな強みを持つ同社のアパレルプライベートブランドが、リアルトだ。リアルトは「一番使う服、一番役に立つ服」をコンセプトに、品揃えを実用衣料に特化しており、その戦略の軸に据えているのが「低価格」と「機能」だ。得意とするIT技術を用いて全国の店舗で得た販売データをもとに需要を精緻に予測して閑散期にまとめて発注することで、製造コストを⼤幅に圧縮し、低価格を実現させているという。アイテムの開発は、大手アパレルメーカーのモリリンとのパートナーシップで行っている。
トライアルカンパニーは、今後の重点戦略のひとつとしてプライベートブランド(PB)の拡大による顧客からの支持の強化と粗利率の改善を挙げており、2025年6月期では18.4%のPB比率を、2029年6月期に25.0%まで引き上げることを目標としている。リアルトによるアパレルのアイテムの強化は、その戦略のひとつとなる。
累計100万本以上を売り上げたヒット商品であるストレッチパンツ「ノビルノ」は、998円という手に取りやすい価格を実現。同社はアンケートで得たユーザーの意見を商品開発に活用しており、同アイテムも毎年ディテールや素材のアップデートを重ねているという。2026年春夏モデルでは、生地のストレッチ性をさらに高めるとともに、腰紐などの機能を加え、テーパード、ジョガー、ワイドの3シルエットを揃える。



吸水速乾や接触冷感、抗菌防臭などの機能を備えたTシャツやカップ付きキャミソールなど、10年以上改良を重ねてきたという機能インナーの価格は545円から。もともとは春夏向け商品だったが、電車移動など冬場でも温暖なシーンが多い都市部では年間を通じて扱っている。


リアルトは、「“部屋着のラクさ”と“外出着のデザイン性”を両立」というコンセプトも掲げている。生活必需品としての衣料品だけではなく、比較的ファッション性の高い外出着も扱う。2026年春夏シーズンは、マスタードやパープルといったポイントカラーも展開するウィメンズのリブニットや、防風やUVカット、ストレッチなどの機能を備えたシェルパーカ、ダブルブレストを採用してファッション性を高めたウィメンズのテーラードジャケットなどをラインナップする。



アパレルだけではなく、フットウェアにも力を入れている。近年人気のクッション性を重視した厚底スニーカーは、2種類を用意。オンオフで兼用可能だというコートシューズは、アッパーに防汚・防水加工を施しており、シューレースレスタイプも揃える。価格帯は2990〜3990円。




強みは西友の店舗網
同価格帯のアパレル市場は、ファーストリテイリングの「ジーユー(GU)」やしまむら、ワークマンなどがしのぎを削っているが、トライアルカンパニー 加藤了執⾏役員は、これらの先行ブランドに対するリアルトの強みとして「西友の店舗網」を挙げる。現在、リアルトの専門店があるのは、今回リニューアルオープンした西友三軒茶屋店だけだが、周辺居住者がリアルトのターゲット層とも一致する30〜40代の子育て世代が中心であることから、テスト拠点と位置付けている。

加藤了 トライアルカンパニー 執⾏役員
今後は同店での検証結果を踏まえ、巣鴨や荻窪、光が丘などの都市部を中心とした40店舗の西友に順次リアルトを導入していく予定で、将来的には全国で241店舗(2026年2月末時点)を数える西友に出店をしていく考え。ジーユーの国内店舗数は448店舗(2025年8月末)で、西友の2倍にあたるが、西友は駅前などの一等地に立地するほか、生活インフラとしての役割も担い、地域住民に広く浸透している。こうした点は、後発のリアルトにとって大きな強みとなりそうだ。
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