韓国ドラマ「梨泰院クラス」や「キム秘書はいったい、なぜ?」、さらにはハリウッド映画「マーベルズ」に出演しグローバルな活躍を魅せる韓国俳優 パク・ソジュン氏(Park Seo-Jun)が、日本のエンタメ総合商社「STARBASE」と、宮崎県にウイスキーを製造・販売する合弁会社「1216」を設立した。
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パク・ソジュンはなぜウイスキーを日本で造ることになったのか。その出会いや想い、さらにはウイスキー造りと俳優業の共通点と違い、そして美しさを保つための秘訣まで聞いた。

◾️パク・ソジュン(Park Seo-Jun):1988年12⽉16⽇⽣まれ、韓国・ソウル出⾝。2011年に「パーフェクト・ゲーム」でスクリーンデビュー。2012年に出演したドラマ「ドリームハイ2」で本格的に俳優活動を開始。「魔⼥の恋愛」で年上⼥性と恋に落ちる ⻘年役を演じてブレイク。主演ドラマ「彼⼥はキレイだった」、「花郎」、「サム、マイウェイ〜恋の⼀発逆転!〜」、「キム秘書はいったい、なぜ?」が⼤ヒット。2020年に放送された「梨泰院クラス」は、日本を含め世界で⼤きな話題を呼んだ。2023年にはハリウッド映画「マーベルズ(The Marvels)」に出演。
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ソジュン氏とSTARBASE、そして「百年の孤独」で知られる黒木本店の尾鈴山蒸留所が共同でウイスキープロジェクトを立ち上げたのは2024年のこと。始まりはそこから2年前に遡り、2022年にウイスキーの蔵を訪ねてみたいと思っていたソジュン氏を、以前から交友のあったSTARBASEのCEO 日髙良太郎氏が、自身の故郷・宮崎県の尾鈴山蒸留所へ案内したことからだ。
「私が好きなことは何だろうと考えた時、仕事が終わって、家でウイスキーを片手に、その日を振り返り、感性を磨く時間だと思ったのです。そう考えると、ウイスキーに深く関心を抱き、そして作ってみたいと思った。日髙氏の案内で訪れた宮崎の美しい自然と美食、そして蒸留所での工程は、私が演技を始めた、その瞬間を思い出させてくれたのです」。
そう語るソジュン氏だが、さらに当時を思い返し、「少し疲れている時期で、仕事をセーブしていたころでした。そういった中での、宮崎の澄んだ空気と山中にある蒸留所への道のりは、私自身が浄化されているという気持ちになりました。そして直接体験し、経験していく中で、頭の中にあった負の感情を払拭し、ウイスキー造りへの強い情熱を抱くことになったのです」と語る。
こういった思いからウイスキーシリーズ「26」が誕生する。この26という数字にも「特別な意味がある」という。「さまざまな作品に出演し、俳優として成長し始めた2013年当時、私は26歳でした。私にとって26は新しい始まりであり、初心であり、決意であり、努力であり、成長でもあります。何より忘れられない、忘れたくない特別な意味を持っています。この26という名のウイスキーを通して、私が大事にしているあの頃の素直さや情熱が伝わってほしいと思います。一杯の26が、多くの人たちの新しい誓いを応援する力になることを願って」。
2024年12月に、第1弾となる「26」をオンラインで発売し完売した。ソジュン氏、そして一緒に手がけるSTARBASEは、さらに多くの人に、このウイスキーを届けたいという想いを胸に、合弁会社を立ち上げた。今年11月には、最新ボトル「26 Twenty-Six【2025 Edition】」をローンチし、オンラインでの販売をスタート。これを皮切りに、宮崎を拠点とした日本のローカル文化やクラフトマンシップを世界へ発信する。「『26』をより多くの人に知っていただき、皆さまの日常に寄り添う存在にしていきたい。製品としてだけでなく、体験価値の向上も目指します」とソジュン氏。俳優 パク・ソジュンの新たな章がスタートした。

「26 Twenty-Six 【2025 Edition】」(1万6500円)
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Interview with Park Seo-Jun
⎯⎯ 今回のウイスキープロジェクトは、STARBASEの日髙氏、尾鈴山蒸留所の黒木信作社長との出会いが始まりだと思います。ソジュンさんにとって、出会いとはどういうものでしょうか?
私自身、積極的に出会いを求めて動くタイプではありません。本当に好きな人、物に対してでないと積極的にはなれない方です。今回、まずウイスキーが好きだった、だから行動に移せたと思います。そして同じ共通項で話ができる人たちに出会ったと思っています。
⎯⎯ 実際に日髙さんや黒木さんにお会いしての印象は?ウイスキーが好きという共通項だけでは、ここまでのプロジェクトにはなっていなかったのでは?
大前提として、俳優という職業のおかげだと思うのですが、私自身、人を観察することが大好きなんです。さらにいうと、子どもの頃から道を歩いている人でも、彼はどういう人で、何をしている人かなどを想像していました。その想像力が今の俳優として誰かのキャラクターを構築することにとても役に立っています。
そういった幼少期、そして現在の俳優という職業を通じて、初めて出会った人とは数分で、どういう人かを理解することができるようになったと思います。そういう意味では、日髙さん、黒木さんにはとても良い印象を持ちましたし、会話をするときの、お互いの価値観がとても心地よかった。素敵な方々です。だから2人との協業は難しいことではなく、26のプロジェクトを始めるにあたって、人との出会いでハードルを感じることはなかったですね。

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⎯⎯ ウイスキーを造ることと、俳優として演じることの共通点は?
共通しているのは、1つの作品を生み出すのに、長い時間がかかる、かけないといけないということです。さらには、作り終わった時に感じる達成感ややりがいは同じなのではないかと思います。また、その過程において、必ずしもスムーズにいくとは限らない、それでもその過程を経て良い結果をもたらす、ということも共通点です。
そして今回、26の2025 Editionにおいても、こういうものを造りたいという気持ちを持った瞬間から出来上がるまで、全てに関与してきました。だからこうやって皆さんに、披露する瞬間のドキドキ、期待感、ときめきは俳優業ととても似ていますね。
実は今年の初めに、ドラマ「明日はきっと」の撮影をしていたのですが、12月7日からAmazon Prime Videoで独占配信されます。今、公開を前に期待いっぱいでドキドキしている、そんなところが同じだと思います。
⎯⎯ 一方で違いを挙げるとしたら?
そうですね、ウイスキーにはレシピがあり、いつまで経っても同じ作り方で、同じ味を出すことが大前提だと思います。もちろん誰と飲むのか、どういう状況で飲むのか、シングルモルトはやっぱり時が熟するとちょっと味が変わったりとかするかもしれないですが、基本は同じ味を保つことが大事です。一方で俳優という仕事は歳を重ねていくごとにキャラクターの作り方も変わりますし、キャラクターに出会った時に感じることも変化していきます。そこが絶対的な違いだと思います。

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⎯⎯ 事業家として、気持ちの変化はありますか?
事業家としての明確な心境変化は模索中ですが、私は人生において、単独での成功はあり得ないと考えています。良きパートナーとの出会い、そしてその協業がもたらすシナジーこそが、結果を生み出し、自身の人生を拓く鍵となります。今回、理想的なパートナーたちと巡り合え、互いの意見が融合することで確かな成果が生まれると確信しています。
ウイスキーとの出合いは、演技一筋だった私に新たな生き方、そして人生の喜びを与えてくれました。新しい挑戦に対して、一切の躊躇や困難を感じることなく、ただ純粋にこのプロセスを楽しんでいますし、これからの人生における新たな楽しみでもあります。
⎯⎯ 失敗したらどうしようという恐れはありませんか?
私はそもそも、挑戦や変化を恐れない性格です。もし困難に直面しても、その状況に合わせて努力すれば良いと考えています。また演技を通じて結果に執着しないこと、そして結果への疑念を避けることに慣れています。このプロジェクトにおいても失敗を恐れる気持ちは全くありません。むしろ、結果に執着することをどんどん捨てていこうというふうな生き方をしてきているので、それも怖さを感じていない要因かもしれませんね。
⎯⎯ では最後に、ウイスキーを飲むことも美しさにつながると思いますが、ソジュンさんが体を美しく保つために努力していることがあれば教えてください。
もちろん日頃から運動を欠かさず、特にランニングをするなどで体の健康維持に努めています。その上で、心と体は密接につながっていると思うので、精神的に疲弊した時こそ体を動かすことで、気持ちがすっきりして、精神的なクリアさも得られると実感しています。何事も「適度なバランス」が重要です。ウイスキーを嗜むことも、私にとっては大きな喜びであり、心をポジティブに保つ要素のひとつです。適度な一杯を楽しむことで、心身のバランスを保ち、前向きな活力を得ています。

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(聞き手、文:福崎明子)
最終更新日:
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