ファッションエディター 栗山愛以とエンポリオ アルマーニ Vol.3

世界を拡張するファッションの可能性とは

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ファッションエディター 栗山愛以とエンポリオ アルマーニ

ファッションエディター 栗山愛以

ファッションエディター 栗山愛以とエンポリオ アルマーニ

ファッションエディター 栗山愛以

ファッションエディター 栗山愛以とエンポリオ アルマーニ

ファッションエディター 栗山愛以

 ファッションにおける知見と美意識を備えたクリエイターが、自ら選んだ「エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)」のスタイルをまとい、新たな視座とムードを描き出す。(第3回/全3回)

 ファッションエディターとして、服そのものだけでなく、そこに宿る信念をも言葉にしてきた栗山愛以。情報があふれる時代に、ファッションを生み出すこと、そして伝えていくことの意味とは。これからのクリエイションの可能性について考える。

ファッションエディター 栗山愛以とエンポリオ アルマーニ 

栗山愛以(Itoi Kuriyama)|早稲田大学卒業後、大阪大学大学院で鷲田清一氏に師事しファッション論を学ぶ。コム デ ギャルソンでPRを担当後、首都大学東京大学院で社会学を修得。その後独立し、モード誌を中心にレビュー執筆や撮影ディレクションなどを手掛け、パリ・ファッションウィークの現地取材をライフワークとしている。

── Vol.3のスタイリングテーマは「新しい自分に出会うスタイル」。どんなところを意識しましたか?

 2026年秋冬のエンポリオ アルマーニは「マエストロ(MAESTRO)」というテーマを掲げていて、こちらは指揮者を彷彿とさせる燕尾服をドレスへと昇華させた一着です。燕尾服のジャケット自体は私も持っているのですが、普段はあまり出番がなくて。

 でも、こうしてドレスとして再解釈されると新鮮で本当にかっこいいなと感じました。特に肩の感じがすごく好きで、女性の身体をきれいに見せてくれるラインになっています。さすがに普段着というわけにはいきませんが、パーティーなど、少しドレスアップしたい特別なシーンで纏いたいですね。

ファッションエディター 栗山愛以とエンポリオ アルマーニ

── 今回エンポリオ アルマーニのアイテムに触れて、新たな発見はありましたか?

 今シーズンは、レザージャケットやミリタリーパンツなど、これまでのエンポリオ アルマーニのイメージを心地よく裏切るようなアイテムも目立ち、素直に「着てみたい」と思えるものが多かったです。80年代を思わせるグラフィカルな柄のセーターなどもあって、若い世代にはかえって新鮮に映るかもしれません。私はギリギリの感じで着たいですね(笑)。

ファッションエディター 栗山愛以とエンポリオ アルマーニ

── 栗山さんが考える、ファッションが持つ力とは何でしょう?

 服って、誰もが日常的に身につけるものですよね。ファッションへの関心の有無にかかわらず、人は何かしらの服を着て生きています。だからこそ、ファッションはコミュニケーションツールであり、第一印象を決定づける大きな要素なのだと思います。何を着て、どんな素材を選び、何を心地よいと感じているのか──服を見れば、その人が大切にしている美意識や価値観が自然と見えてくる。「どう見られたいか」を意識して服を選ぶことも、決して悪いことではないと思うんです。

 そして、何かとシビアな現実のなかで、ファッションをはじめとするカルチャーが人の心を前向きにしてくれる瞬間は確かにあります。現実逃避はよくないけれど、夢を見せてくれて、楽観的な気持ちにしてくれる。自分の芯を持ちながら、もう少しがんばってみようと後押ししてくれる。そんな力強さが、ファッションには宿っていると信じています。

ファッションエディター 栗山愛以とエンポリオ アルマーニ

── これから先、ファッションにはどんな役割が期待されていると思いますか? また、栗山さん自身はどのように向き合っていきたいですか?

 単なる「衣服」と「ファッション」は異なるものだと思いますが、装うことは毎日の営みだからこそ、服をまとうことで自信を持てたり、強気になれたりするような、ポジティブな関係性を築いていけたら素敵ですよね。

 現在のファッション業界はエンタメ化が進んでいる側面もありますし、業界全体の潮流を把握していなければ記事は書けないので常にキャッチアップはしています。ただ、私自身の関心の根底にあるのは、やはり「服そのもの」です。あらゆる情報やモノが飽和している時代だからこそ、完全な新規性を生み出すのは容易ではありません。それでも強い信念を持つブランドは、「いま、何をどう組み合わせるか」という編集によって、時代に問うべき価値や意義を提示しています。

 だからこそ私自身も、目にしたものをただ表層的になぞるだけのレポートにとどまらず、『自分はこう思った』というところまで書けるようになりたい。時代背景や社会情勢、ブランドの哲学も織り込みながら言語化していきたいと考えています。AIが文章を生成できる時代だからこそ、「誰の視点と言葉で届けるのか」がこれまで以上に問われるはずです。だからこそ、自分ならではの確固たる視座を持って、芯のあるクリエイションを見つめ続けていきたいですね。

ファッションエディター 栗山愛以とエンポリオ アルマーニ

ジャンプスーツ 30万8000円、シューズ 参考色 12万4300円/すべてエンポリオ アルマーニ(ジョルジオ アルマーニ ジャパン)、その他(本人私物)

問い合わせ先
ジョルジオ アルマーニ ジャパン:03-6274-7070

photography: Yoshitake Hamanaka, styling: Itoi Kuriyama, Raimu Yamazaki, hair & make-up: Yukari Clarke, edit & text: Yusuke Takayama (QUI), production: Yusuke Soejima (QUI), Yuko Okano (QUI)|casting: Takashi Sasai, producer: Kazuhiro Oyokawa (FASHIONSNAP)

最終更新日:

連載|ファッションエディター 栗山愛以とエンポリオ アルマーニ

Vol.1 時代が求める美しさとは
Vol.2 自分らしくあることの心地よさとは
Vol.3 世界を拡張するファッションの可能性とは