ボッテガ・ヴェネタ 2022年ウィンターコレクション
ボッテガ・ヴェネタ 2022年ウィンターコレクション
Image by: BOTTEGA VENETA

Fashion

ベールを脱いだ新生「ボッテガ・ヴェネタ」 職人技と曲線美をリアルなスタイルに

 新クリエイティブ・ディレクター、マチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)による「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」の2022年ウィンターコレクションが2月26日、ミラノ・ファッション・ウィーク期間中に発表された。

 ブレイジーは「ラフ・シモンズ(RAF SIMONS)」をはじめ、「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)による「セリーヌ(CÉLINE)」、ラフ・シモンズが手掛けた「カルバン・クライン(Calvin Klein)」などで経験を積み、業界でも注目人物として知られていたデザイナー。2020年からは前任のダニエル・リー(Daniel Lee)の元でボッテガ・ヴェネタのレディ・トゥ・ウェアのデザイン・ディレクターを務め、今季からメゾンのヘッドとして舵を取る。

BOTTEGA VENETA 2022年ウィンター

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BOTTEGA VENETA 2022年ウィンターコレクション

ボッテガ・ヴェネタ 2022年ウィンターコレクション Image by BOTTEGA VENETA
ボッテガ・ヴェネタ 2022年ウィンターコレクション
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レザーで再現した日常着

 ファーストルックは、白いタンクトップにジーンズ姿。このジーンズはデニム生地ではなく、ヌバック(起毛レザー)にプリントを施したトロンプルイユ(だまし絵)のデザイン。続くメンズモデルが着用するシンプルなワイシャツや、ウィメンズモデルが着こなすオーバーサイズのシャツも、ヌバックで布帛を再現した。メゾンの核であるレザーと職人技で、セクシーで魅力的なイタリアの女性像を表現したという。

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躍動感のあるシルエット

 クリーンで洗練されたジャケットとパンツ、スカートのセットアップも豊富に提案している。これらのシルエットは、未来派を代表するイタリアの芸術家、ウンベルト・ボッチョーニ(Umberto Boccioni)による1913年の彫刻「空間における連続性の唯一の形態」が着想源となった。動いている人間を表現した作品であり、イタリアで発行される20セントユーロ硬貨の裏面に描かれている有名な彫刻。その躍動的な形を、前傾の曲線美としてパターンに取り入れている。

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豊富な新作バッグ

 ショーでは、新作バッグが多数登場。代表的なイントレチャート(レザーの編み込み技法)を取り入れたワンハンドルのカリメロバッグをはじめ、ゴールドの大きなスタッズ付きのクラッチバッグ、肩がけできるロングハンドルの付いたハンドバッグなど、実用性がありながらも、斬新なスタイルを打ち出した。

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目を引くサイハイブーツやチャンキーヒール

 足元はミニドレスなどに合わせたサイハイブーツが目を引いた。イントレチャートやスムースレザー、メタリックなどさまざまな素材でバリエーションで揃える。曲線のソールが特徴的なプラットフォームのハイヒールシューズ、ファーを使った厚底シューズなども目立った。メンズではチャンキーな厚底シューズをイントレチャートでラインアップ。

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着用者に委ねるタイムレスな実用性

 このコレクションを読み解くヒントは、来場客の座席に置かれた新作バッグのピローバッグにあった。座椅子のクッションとして使用することもできれば、中に荷物を入れてクラッチバッグとしても持つことができる実用性が魅力だ。ブレイジーは「バッグは、”どこに行くときも共にある”という考えに基づく。タイムレスなファッションを超越したスタイルであり、静かな力の一部になる」と話し、レザーグッズをメゾンのDNAとして捉えた。職人技を駆使しながら、ひねりの効いたタイムレスなアイテムへと昇華し、使い道は着用者に委ねるというアイデアだ。イタリアで未来の芸術の創造するために活動した未来派の考えにヒントを得て、ボッテガ・ヴェネタの次なる方向性を示した。

スクラップキューブが座席に Image by BOTTEGA VENETA
スクラップキューブが座席に Image by BOTTEGA VENETA
Image by BOTTEGA VENETA
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 なお、コレクションの模様はライブ配信されたほか、東京では翌日からショービューイングのイベントを開催。パラキートグリーンにライトアップされた会場に廃材のスクラップキューブが積まれ、“過去の上に未来を築く“というメゾンの根底にあるヴィジョンを鮮烈に印象付けた。

ショービューイングの会場に積まれたスクラップキューブ Image by FASHIONSNAP
ショービューイングの会場に積まれたスクラップキューブ Image by FASHIONSNAP
大杉真心(Mami Osugi)
ファッション リポーター

文化女子大学(現文化学園大学)とニューヨーク州立ファッション工科大学(FIT)でファッションデザインを学び、ファッションブランドやセレクトショップで販売職を経験。「WWD JAPAN」で記者として、海外コレクション、デザイナーズブランド、バッグ&シューズの取材を担当する。2019年にフェムテック分野を開拓し、ブランドや起業家取材を行う。21年8月に独立し、ファッションとフェムテックを軸に執筆、編集、企画に携わる。22年4月に文化学園大学の非常勤講師に就任。

    図録 未来派 1909ー1944
    著: セゾン美術館 他
    寄稿: エンリコ・クリスポルティ、井関正昭
    メーカー: 東京新聞 404ページ
    価格: ¥7,600(2022/02/28現在)

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