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ダウンの概念を覆す? ハイダー・アッカーマンデザインの「カナダグース」ダウンに出合う──韓国イベントレポート

 ダウンジャケットと聞くと、「機能重視で少しかさばる」というイメージを持つ人は少なくないかもしれない。しかし、最近の「カナダグース(CANADA GOOSE)」のコレクションは、極寒エリア、都市生活、ワンマイル使いと多様な生活スタイルに対応する機能性とデザイン性を兼ね備えたアイテムが増えている。その立役者の一人が、去年ブランド初のクリエイティブディレクターに就任したハイダー・アッカーマン(Haider Ackermann)だ。ファッション好きにとってはお馴染みの名前だが、彼を知らない人も、手掛けたダウンアイテムに惹かれるだろう。

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 先日韓国・ソウルで行われたイベント「The Pioneering Journey」ショーケースでは、ハイダーによるカプセルコレクション「スノーグース バイ カナダグース(SNOW GOOSE BY CANADA GOOSE)」の最新作が披露された。また、没入型のエキシビションを通じて、クラシックな「チリワック ボンバー」をはじめとするダウンコレクションを紹介。ダウンブランドのヘリテージとファッションデザインの力を掛け合わせたコレクションが揃う同イベントを、日本メディアではFASHIONSNAPが独占で取材した。

Image by: カナダグース

氷点下、南極の世界に耐える本格派

 まずはカナダグースの歩みを簡単に振り返る。創業者のサム・ティックが、トロントの小さな工房「メトロ・スポーツウェア」として1957年に設立。当初は極地探検家や作業員向けの実用的な防寒着を製造していた。その後、義理の息子であるデイビッド・リース、さらにその息子のダニー・ライスへと受け継がれながら、南極やカナダのオーロラ鑑賞のような、極寒の地での活動に対応するハイスペックな商品だけでなく、高強度のアクティビティに対応しながらシティユースに取り入れやすい軽量なモデル、春季対応の商品などへとラインナップを拡充。日本には2016年に千駄ヶ谷に旗艦店をオープンした。(ちなみに、同店に併設する、0度以下の世界を体感できるコールドルームは日本チームからスタートしたという)

 専門職からも支持される品質力は、メイド・イン・カナダへのこだわりによって保たれている。625~800フィルパワーの高品質ダウンは、TEI(サーマルエクスペリエンスインデックス)と呼ばれるブランド独自の5段階の温度帯別快適度システムによって、防寒性能をランク付け。極寒地用からライトウェアまで、使用する環境によって選ぶことができる。最高ランクの「TEI 5(Extreme)」は、マイナス30度以下の極寒の環境にも耐えるほどだ。

Image by: カナダグース

Image by: カナダグース

会場の外壁には、ブランド創業の地カナダを象徴するオーロラを投影

ハイダー・アッカーマンがもたらす新たな風

 今回のイベントの見どころにもなった、スノーグース バイ カナダグース コレクションは、ハイダーがブランドの60年分におよぶアーカイヴを“探求”したことから誕生。ハイダーは、自身のブランド「ハイダー アッカーマン(HAIDER ACKERMANN)」(2020年秋冬に休止)、「ベルルッティ(Berluti)」(2016〜2018年)、「トム フォード(TOM FORD)」(2024年〜)で活躍し、シャープで美しいシルエット、独特な色彩の美学でカルト的なファンを持つ。

Image by: FASHIONSNAP

 スノーグース バイ カナダグース コレクションの新作では、保温性と通気性に優れたメリノウールを用いており、カラーブロックが目を惹く「トレッセル カーディガン」、カフのボリューム感でシルエットを変化させることができる「ノヴァーク グローブ」など、ファッションアクセントとなるデザインのアイテムが揃う。蛍光ミントグリーン、アイスラベンダー、マリンアースブルーなどの自然とサイエンスのどちらの空気も感じさせるカラーパレットもユニークだ。

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Vertica Fleece

Image by: カナダグース

スノーグース バイ カナダグース コレクション新作(一部)。日本でも発売中

 また、スノーグース バイ カナダグースの新作とのスタイリングに取り入れられた、「エクスペディション パーカ」(TEI 5 マイナス30度に対応)や「チリワック ボンバー」(TEI 3 マイナス20度に対応)など、アイコンモデルをハイダーらしいブルーやグリーンで彩ったアウターコレクションにも注目したい。ウエストのドローコードや大きめのフード、防寒のためのリブでシルエットに強弱をつけるといったデザインテクニックが、着用時のボリュームのコントロールが難しいダウンをスタイリッシュに見せる。

アイコンモデル「チリワック」の変遷

 会場の2階では、チリワックのアーカイヴを展示。このモデルは、1980年代の戦後、極北の滑走路を行き交ったブッシュパイロットへのオマージュとして誕生したもの。1990年代から現代に至るまで、チリワックをベースにモダンにアップデートされたモデルが一堂に会した。

Image by: FASHIONSNAP

 ハイスペックなダウンを支えるパーツの数々も紹介。防寒・保温性と耐久性を備える素材や、風の侵入を防ぐリブ素材、カフ、ジッパーなど、解体されたダウンから、その品質の高さを窺い知ることができた。

Image by: FASHIONSNAP

 そのほか、時代とともに変化してきたブランドタグの変遷、アークティックディスク(ワッペン)のラインナップの紹介も。アークティックディスクの一番右は、ホッキョクグマとその生息地である海氷の保護を目指す唯一の団体「Polar Bears International(PBI)」とのコラボレーションモデルに採用。アイテムの収益がPBIの支援へと充てられる。その隣は赤、白、ネイビーのブランドロゴを取り入れた最もオーソドックスな「クラシックディスク」。ちなみに中央のモチーフは北極海を上から見た略図となっている。その隣の二つは、ボディとディスクが同色のモデルに採用されている、「トーナルディスク」と「ホワイトディスク」。統一感あるカラーリングで、近年人気を集めているモデルだ。最後にオールブラックの「ブラックディスク」。ブラックレーベルと呼ばれるラインで、すっきりとしたシルエットでタウンユース向きのモデルがラインナップされている。

一番上は「スノーグース」時代のもの。時代と共に下段へと変化していった

IVE リズやRed Velvet ジョイ、イ・ジョンソクらゲストが来場

 ソウルの初雪を観測したイベント当日、会場には韓国を代表するK-POPグループのメンバーや俳優などの姿が。IVE リズ、Red Velvet ジョイ、THE BOYZ ジュヨン、俳優のイ・ジョンソク、ホン・ギョン、音楽プロデューサーで作曲家・DJのコード・クンストが来場した。

IVE リズ

FASHIONSNAP 編集記者

平原麻菜実

Manami Hirahara

埼玉県出身。横浜国立大学教育人間科学部人間文化課程卒業後、レコオーランドに入社。国内若手ブランド、国内メーカー、百貨店などの担当を経て、2020年にビューティチームの立ち上げに携わる。ポッドキャストやシューティング、海外コスメレビュー、フレグランス、トップ取材など幅広い観点でファッションとビューティの親和性を探る企画を進行。2025年9月より再びファッションチームに所属。映画、お笑い、ドラマ、K-POP......エンタメ中毒で万年寝不足気味。ラジオはANN派。

最終更新日:

■カナダグース:公式サイト

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