メンズファッションの新たな幕開け。新任アーティスティック ディレクターのキム・ジョーンズ(Kim Jones)が率いる「ディオール(DIOR) 」メンズのデビューコレクションが、パリで開催されます。その模様を、日本時間で6月23日24時(パリ時間23日17時)からライブストリーミング配信。現地で何が起こっているのか、SNSと連動しながら一部始終をレポートしていきます。

【ショー31時間前=6月22日10:00パリ】メンズファッションウィークが終盤へ
今シーズンのパリは、「ディオール」だけではなく話題が満載です。日本からは新たに「サルバム(sulvam)」や「ヨシオクボ(yoshiokubo)」が発表の場をパリに移し、「ミハラヤスヒロ(MIHARAYASUHIRO)」はパリのランウェイにカムバック、「アンダーカバー(UNDERCOVER)」はウィメンズのショーを取り止めて今回からメンズに参戦しています。
そして昨日、キム・ジョーンズの後任としてバトンを引き継いだヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)による、初の「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」が発表されました。メンズファッション界がどんどん面白くなっていきそうですね。
キム・ジョーンズは、ショー開催に先駆けてキム・カーダシアン(Kim Kardashian)がジュエリーを試着する様子を自身のインスタグラムに投稿。今シーズンから「ディオール」メンズのジュエリーデザイナーに就任したYOONによるクリエイションも楽しみです。
【ショー29時間前=6月22日12:00パリ】キム・ジョーンズとは?
「ディオール」を引き継ぐキム・ジョーンズは、メンズウェアの分野をはじめファッション業界から一目置かれる存在です。その理由は?

GUとコラボレーションしたキム・ジョーンズ
1973年ロンドン生まれ。14歳で「ファッションこそが自分の世界を築くことができるもの」と気づいたそうです。デザイナーとしてデビューしてから約15年の間、自身のブランド以外にも「アンブロ(umbro)」「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」「ダンヒル(dunhill)」などでデザインを手掛け、「ルイ・ヴィトン」を経て「ディオール」メンズのアーティスティック ディレクターに抜擢されました。クラシカルなメンズウェアにハイファッションとストリートスタイルの融合をもたらして影響を与え、今やヒットメーカーとも言える存在です。
【ショー27時間前=6月22日14:00パリ】KAWSとコラボ?
ディオールとキム・ジョーンズのインスタグラムに突如現れた"ビー"(蜂)に注目が集まっています。
ショーの招待状に描かれたディオールの象徴的存在の"ビー"(蜂)の目がバッテンマークに。これは紛れもなく、アーティストKAWSの仕業ですね。コレクションでもコラボするのでしょうか?
【ショー24時間前=6月22日17:00パリ】気温22度


夕刻ですが、まだまだ昼間のように明るいパリ。とても気持ちの良い風が吹くカラッとした陽気で、オープンカフェやセーヌ河岸を散歩する人の姿が多く見られます。

24時間後のこの時間に「ディオール」2019年春夏メンズコレクションが開催予定。明日は何が起こるのか、このページとFASHIONSNAP.COM公式インスタグラム(@fashionsnapcom)のストーリーズなどで追っていきます。ショーのライブストリーミングもお楽しみに。
【ショー16時間前=6月23日1:00パリ】招待状
滞在先のホテルに、ショーの招待状が届きました。グレーにホワイトでクラシカルな柄が描かれたキャンバス地のクラッチバッグに入っています。
バッグには「DIOR」と書かれたタグ。招待状の裏側にはKAWSデザインの"ビー"が金色で刻印されています。

ショーに向けてワクワクが高まってきました。
【ショー10時間前=6月23日7:00パリ】フローラル
気になるコレクションのティーザー動画が公開されました。一見ウィメンズ?と思うほど、フェミニンなフローラルのイメージが映し出されています。
【ショー8時間前=6月23日9:00パリ】セレブリティ
この時期のパリには多くのファッション関係者やセレブリティが集結しています。どのショーに誰が来場するか気になるところ。
キム・ジョーンズのインスタグラムには、親交の深いケイト・モスやナオミ・キャンベルをはじめ、A$AP Rockyやヴィクトリア・ベッカムらがKAWSのぬいぐるみを抱えたショットが連投。ぬいぐるみが着用しているのは「Baby Dior」の子供服とディオールづくしです。
そのほかクリス・ヴァン・アッシュやラフ・シモンズ、クレア・ワイト・ケラーなどデザイナー仲間からお祝いのお花や、プレビューに訪れた村上隆やキム・カーダシアン&カニエ・ウェスト夫妻の姿も投稿されています。
【ショー3時間前=6月23日14:00パリ】本社
パリは今日も快晴。夕方に始まるショーまでの間、ディオールの本社に立ち寄りました。このアトリエで、メゾンのクリエイションが日々生まれているんですね。


すぐ近くのモンテーニュ通りには本店が出店していて、ウィメンズ、メンズ、アイウェア、ホームコレクションなどが揃います。

キム・ジョーンズもショーを控え、チームのメンバーとの集合写真をアップしていました。
【ショー1時間前=6月23日16:00パリ】会場へ
ショー会場のGarde Républicaineへ。パリ4区にある騎馬警察の兵舎。門の前は一般客やパパラッチを含めて多くの人が集まっています。

会場周辺の道路が渋滞していて、到着が遅れているゲストもいる様子。人混みをかき分け、セキュリティーチェックを通って中に入ります。

各国のジャーナリストやセレブリティなど、招待客は1,140人。奥にヴァージル・アブローとハイダー・アッカーマンの姿が見えますね。そしてその背後にそびえ立つのは・・・

約10mのムッシュ ディオール!KAWSのキャラクターBFFとして表現されていて、約7万本の花々で作られているそうです。その手に乗っているのはムッシュの愛犬ボビー。
舞台装飾が出来上がるまでを収めたムービーはこちらから。
【ショー予定時刻=6月23日17:00パリ】ゲスト到着
ショーの前にセレブリティをキャッチ。A$AP RockyやKAWSのブライアン・ドネリー、村上隆、The xxのロミー・マドリー・クロフトとオリバー・シムズなど豪華なゲスト陣が続々と入場してきます。著名なデザイナーやゲスト同士が談笑するなど貴重なショットも。
【ショースタート=6月23日17:50パリ】ランウェイ
全てのゲストが揃い準備が整うのを待ってから、いよいよショーがスタート。強い日が差す中、アンダーワールドBorn Slippyの曲が流れだしました。ファーストルックのモデルに起用されたのは、デンマークのニコライ王子です。
>>全ルックを見る


フィナーレに登場したキム・ジョーンズは会場を一周。最後に客席からジュエリーを担当したYOONの手を取り、拍手に包まれた会場を駆け抜けていきました。
どんなコレクションだったのか?詳しいレポートはこちらから。
>>「DIOR」メンズが新たな幕開け、キム・ジョーンズによるデビューコレクション発表
キム・ジョーンズのインタビュー動画はこちら。このコレクションを2ヶ月で全て作り上げたそうです。インスピレーションや、クチュールのアトリエから生み出されるメンズウェアについて話しています。
【ショー終了=6月23日18:10パリ】ゲストとキム
ショーが終了し、ゲストがキムの元へ駆け寄ります。カール・ラガーフェルドやヴァージル・アブロー、ハイダー・アッカーマンや高田賢三などのデザイナーをはじめ、ケイト・モスやナオミ・キャンベル、村上隆、そして秋元梢なども会場に駆けつけ、新生ディオールの新たな門出を祝います。
日本からゲストとして招かれた野村周平。撮影でスペインやニューヨークなど各都市を飛び回る中、ショー当日にパリに到着したそう。フロントローは初めてだったそうですが、「すごく良かったです。楽しかったですね!」と話してくれました。

その他多くのゲストらの感想は?

ショーを終えたキム・ジョーンズは、とても晴れやかな表情。新しい第一歩をファミリーとも言えるチームや多くの友人たちと迎えられ、喜びに満ちているようにも見えました。
【ショー翌日=6月24日13:00パリ】展示会へ
日曜日のパリは、街の雰囲気もどこか少しゆったりとしています。今日も心地よい天気。

ディオールのショールームでは、メンズコレクションの展示会が開催されています。会場内には日の光が差し込み花柄のカーペットが敷かれていて、まるでフラワーガーデンのよう。そこに、昨日発表されたばかりのコレクションピースがずらりと並んでいます。

繊細なチュールにカットされたフェザーが職人の手で一つずつ付けられていたり、ムッシュ・ディオールが愛用していた磁器製のティーセットのフラワー柄を模したジャカードに極薄のオーガンジーを重ねたり。クチュールの技術によるエレガントな素材やエンブロイダリーといったディテールを見ることができました。
バッグやシューズなどアクセサリーも豊富。KAWSのBeeやムッシュの愛犬ボビーのモチーフ、マシュー・ウィリアムス(Matthew Williams)によるバックルがアイコン的なベルトやキャップ、YOONが手掛けるジュエリーに用いられた新しいDIORロゴなど、コラボレーターらと作り上げたアイテムはプレイフルな要素も満載です。
これらの新作は、12月下旬〜1月頃から順次店頭に並ぶとのこと。

来場者のお土産として、選べるポストカード各種と、花の種が配られました。深く花を愛していたムッシュ ディオール。どんな花が咲くかはお楽しみだそうです。
【さいごに】
歴史に新たな1ページが刻まれる瞬間。そこで何が起きているのかを、ショーの前後を含めてレポートしてきました。ブランド名も「ディオール オム」から「ディオール」に変わり、これからはウィメンズとメンズが同じ傘の下で展開されることになります。これまでもクラシックとストリートの距離を縮めてきたキム・ジョーンズですが、過去と未来、男性と女性、そしてリアリティとラグジュアリーといった隔たりを崩し、クリスチャン ディオールというメゾンを次代に引き継いでいく意味でも重要な役割を担っていくと言えるのかもしれません。
パリからお届けした約2日間のレポート、お付き合いありがとうございました!

写真・文:FASHIONSNAP.COM
・「イッセイミヤケ」デザイナー宮前義之によるデビューコレクションの舞台裏5日間に密着(2011年)
・Né-net のコレクション舞台裏では何が起こっているのか?1日密着レポート(2012年)
・「アンリアレイジ」森永邦彦のパリコレデビュー舞台裏、激動の6日間に密着(2014年)