
定番品だからこそ各ブランドの個性が鮮明に表れる、テーラードジャケット。仕立てや素材の選定、デザインの細部に至るまで、哲学と美学が凝縮されていると言っても過言ではなく、“ブランドらしさ”を象徴するアイテムとして存在感を放ちます。そこで今回はF/STOREの中から4つのジャケットを集め、その特徴と魅力を徹底解説。各ブランドのこだわりが存分に詰まったアイテムをチェックしてみて。
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目次
フェミニンとマスキュリンの絶妙なバランス、「ヴィヴィアーノ」のジャケット

ブランドの定番として毎シーズンブラッシュアップを続ける、「ヴィヴィアーノ(VIVIANO)」のジャケット。ベーシックなシングルジャケットをベースに、ブランドのシグネチャーであるチュールを大胆にあしらった一着は、一枚でスタイリングが決まる主役級のアイテムです。
ディテール・シルエット




アイコニックなチュールのデザインに目が行きがちですが、生地やディテールなどジャケットとしてのクオリティも抜かりありません。生地には毛織物の産地として知られる尾州産のウールギャバを採用し、さらにオーダーメイドスーツに見られる本切羽の仕様を取り入れるなど、こだわりを感じさせる細部のディテールが目を惹きます。そのほかにもエレガントなムードを演出するピークドラペルは、ラペル部分を少しカーブさせることによってマスキュリンな印象を和らげ、女性でも着こなしやすく昇華。また肩や袖については、大きめに設計し男性的なデザインを採用しているのに対し、ウエストは程よくシェイプを効かせることでメリハリあるシルエットを演出するなど、フェミニンとマスキュリンなテイストを両立させているのが特徴です。
注目ポイント

注目すべきポイントは、他のブランドでは見られない唯一無二のチュール使い。ウエスト部分から裾にかけて流れるように配置されたチュールは、重たくなりがちなブラックジャケットも素材特有の透け感で軽快に見せてくれるうえ、ブランドらしいモードな印象を与えてくれるアイコニックなデザインです。ブランドオリジナルで開発されたチュール生地は、一般的なものよりも高密度に織りあげることでチュールならではのふんわりとした質感を出しながらしなやかさを実現し、シワを気にせず着ることが可能に。存在感のあるデザインながら「あくまでも日常着として使って欲しい」というデザイナーの想いが隠されたアイテムです。
コントラストを効かせた素材使いが目を惹く「イレニサ」のレザーカラージャケット

今季のトレンドである襟にレザーを使うことでアクセントを効かせた「イレニサ(IRENISA)」のジャケット。コートとジャケットの“いいとこ取り”をした一着は、着こなしの幅をぐっと広げ、秋冬のワードローブに欠かせないアイテムになること間違い無し。
ディテール・シルエット




「コートとジャケットの中間を狙った」というレザーカラージャケットは、その狙いの通り両者を混ぜ合わせたかのようなハイブリッドなデザインが特徴。ノッチドラペルや袖口の本切羽、センターベンツなどのディテールはクラシカルなジャケットに由来するものを引用しながら、シルエットはコートのようにざっくり羽織れるゆとりあるサイズ感を採用。一見するとジャケット然とした佇まいながら、長めに設計された着丈も相まって品の良いチェスターコートを想起させるような一着へと仕上げています。マチのある立体的なポケットや3つボタンなど真面目な印象に寄りすぎない、捻りを効かせてくれるディテールも魅力的なポイントです。
注目ポイント

注目ポイントは、特徴的な素材使い。ブランドオリジナルのモヘア混のメルトン地で仕立てられた一枚は、毛足の長い表情豊かな仕上がりで、素材の魅力を存分に堪能することができます。紡績により2種類の色がミックスされているため、ウールのみで構成されたグレーよりも軽快に仕上げ、重厚感のある見た目に反して軽やかに着こなせます。そのほかにも、上品な光沢を放つウルトラスウェードを採用した襟元のデザインもポイント。シャープな印象を与える素材の切り返しでメルトン生地の粗野な印象を払拭し、モダンなテイストを加えています。
上質さを物語る「ポステレガント」のレザージャケット

一目で上質とわかるレザージャケットは「ポステレガント(POSTELEGANT)」のもの。ラムレザーの質感とミニマルなデザインがマッチした一着は、トレンドに左右されることなく普遍的な価値を放つタイムレスなアイテムです。
ディテール・シルエット





上質な素材を引き立てるように、デザインは至ってシンプルな仕上がり。小ぶりな襟元やフラップポケット、ボタンを排除したスリットの袖先、フロントのシングルボタンなど控えめなディテールが特徴です。また裏面には樹脂コーティングを行うナッパラン加工を施すことで裏地無しでもつっかえることなく羽織れるように仕上げているなど、着心地の良さも追求。高級感ある重厚な佇まいながら薄く漉くことで軽量に仕上げ、ストレスフリーな着心地を実現しています。
注目ポイント

特筆すべきポイントは、最高級のレザーを贅沢に使用している点。和紙やウール、カシミヤなど天然繊維を軸にしたコレクションで注目を集めることが多い「ポステレガント」ですが、実はレザーアイテム自体はブランド初期から展開しており、隠れた名品として知られています。着込むごとに経年変化を楽しめ「永く着てもらいたい」というブランドの想いを体現するアイテムとして、デザイナーも太鼓判を押す一着です。今回ピックアップしたジャケットは、スペイン産のラムレザーで仕立てられた一枚。中でもトップクオリティのものを選び、肌にしっとりと馴染む柔らかな質感とレザーならでは艶のある表情を存分に堪能することができます。着込むごとに身体に馴染み徐々に光沢感が増していく経年変化を楽しめ、ワードローブに欠かせないアイテムになること間違い無し。
汎用性高く着回せる「オーバーコート」のダブルジャケット

ブランドの定番として毎シーズン展開し人気を集めている「オーバーコート(OVERCOAT)」のダブルジャケット。「アレキサンダー ワン(ALEXANDER WANG)」や「トム・ブラウン(THOM BROWN)」をはじめとする100以上のブランドのパターンメイキングを手掛けたデザイナーが仕立てるジャケットは、"万人に合う服"と称され、ベーシックなデザインも相まってタイムレスに重宝します。
ディテール・シルエット







クラシカルなダブルブレストの仕様や身体のラインを拾わないボックスシルエット、センターベンツ、フラップポケットなどオーセンティックなディテールが特徴的。アームホールの後ろ側にゆとりをもたせることで肩パッドや芯地を極限までカットし、自然に身体のラインに沿うようなシルエットを追求。誰が着ても”着映え”する軽やかな着心地を実現するなどパターンメイキングに定評のあるブランドらしい仕上がりが魅力です。また生地には、ブランド定番のトリコチンを採用。レーヨンとポリエステルのフィラメントを交撚した糸を織りあげることで独特なしなやかさとハリ感を表現し、立体的に構築されたシルエットを際立たせます。
注目ポイント


合わせるアイテムを選ばず着こなせる汎用性の高さが魅力的。ブラックの単色でミニマルにまとめられた一枚は、シャツを合わせた綺麗めなスタイルからフーディをレイヤードしたカジュアルな着こなしまで、幅広いスタイリングで活躍します。またブランドらしい独創的なパターンで仕立てられているので、性別や体型問わず着こなせるのも魅力的なポイント。ジャストサイズで上品に、オーバーサイズでラフにも着られます。
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