【あの人と、革の話】音楽プロデューサー 藤原ヒロシのレザー愛用品「ルイスレザー」 project by w/leather

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藤原ヒロシ ルイスレザー

Image by: FASHIONSNAP

藤原ヒロシ ルイスレザー

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【あの人と、革の話】音楽プロデューサー 藤原ヒロシのレザー愛用品「ルイスレザー」 project by w/leather

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 長年、使い込んでいるからこそ、本音で語れる“革のリアル”がある。今回、FASHIONSNAPでは、皮革・革製品などのサステナビリティを発信していくプロジェクト「Thinking Leather Action」とコラボレーションを実施。ファッションの第一線で活躍する人々のレザー愛用品を紹介し、購入のきっかけや愛用歴、そこから広がる“レザー愛”、使い込むからこそ見えるレザーの奥深さなど、日々の暮らしや仕事をともにする「w/leather(ウィズ レザー)」を掘り下げます。連載の最終回として藤原ヒロシさんが登場。変わらぬ感性で、ファッションシーンに新風を吹き込んできた藤原さんの代名詞「ルイスレザー(Lewis Leathers)」のサイクロンを通して語られる皮の魅力。

藤原ヒロシ ルイスレザー

──「藤原ヒロシ=ルイスレザー」のイメージがあります。

 そうなんですね。僕は「バウンティーハンター(BOUNTY HUNTER)」のヒカル君とか、ジョニオ(高橋盾)、川久保玲さんのイメージ。

──革ジャンは、「あの人が着ている」というイメージが定着しやすい気がします。リアルレザーの特徴である「長く着られる」という「経年変化」がその人らしさを体現するからなんでしょうか。

 「長く着られるもの=イメージが定着する」というわけではないと思います。ブームもあるだろうけど、みんなもっと単純に「かっこいいから買う」。それがたまたまリアルレザーで、結果的に長くは着られるというだけで。

藤原ヒロシ ルイスレザー

 僕がサイクロンを欲しいなと思ったのも「久々に革ジャンが欲しいな」と友だちに色々聞き回ったところ、ジョニオやヒカル君に「だったらルイスレザーのサイクロンでしょ」と教えてもらったから。

──具体的に、ルイスレザーのサイクロンの良さをお二人はどのように話していたんですか?

 みんな形がいいって言いますね。僕は「ショット(Schott)」のワンスター(ONESTAR)ばかりを着ていたんですが、ちょっと丈が短いんですよ。一方で、ルイスレザーのサイクロンは丈長だけど、サイドはタイトなシルエット。本当かどうかはわからないけど僕が聞いたのは、ショットの革ジャンはハーレーダビッドソンに代表されるようなアメリカ発祥のカスタムスタイル「チョッパー」に乗るためにデザインされているから丈が短い、と。

──丈が長いと、かえって風を巻き込んでしまうから?

 そうですね。ルイスレザーはご存知の通りイギリス発のブランド。バイクのスタイルも「カフェレーサー」といって前傾姿勢で乗ることになるので、その分丈が長くなったそうです。

藤原ヒロシ ルイスレザー

──今日は全部で4着のルイスレザーを持ってきていただきました。最初に手に入れたものは?

 正確には覚えていないけど10年以上前にヤフオクで買いました。当時、10万円くらいだったんじゃないかな。もっとボロボロで、襟もファスナーも無かった。サイジングをし直してもらったり、修理して着ています。

──ファスナーの引き手に「アンダーカバー(UNDERCOVER)」の刻印がされていますね。

 はい、ジョニオに直してもらったから(笑)。ワッペンは、昔、古着屋さんで買ったけどサイズが大きくて着ていない革ジャンに付いていたものを移植しました。別に「自分らしいオリジナリティを出そう」と思っているわけではないんですよ。“レディメイド”が好きなんで。

藤原ヒロシ ルイスレザー

 もう一着はオーダーして作ってもらったもの。ネイビーとブラックのコンビで作ってもらいました。

──革ジャンは重いというイメージを持つ人も多いと思います。

 今オーダーしているものは「革が柔らかくて軽いもの」とお願いしているんですが、そうすると大抵はシープスキンになりますね。実際、ヤフオクで買った年代物のルイスレザーよりは幾分か軽いですよ。あとは、鹿革も軽いですね。僕も鹿革で仕立てられたマウンテンパーカーを持っています。

藤原ヒロシ ルイスレザー
藤原ヒロシ ルイスレザー

──こちらは真っ白なライダース。

 シャツを着るように着たいな、と思って買いました。白い革ジャンは縫製の時に汚れてしまうので作るのが難しいと言われました。

藤原ヒロシ ルイスレザー

──全てB品になってしまうから。

 そうです。僕は別に汚れていても気にしないんですけどね。

──「モンクレール(MONCLER)」の協業プロジェクト「モンクレール ジーニアス(MONCLER GENIUS)」で「フラグメント(fragment design)」とコラボした際に、ルイスレザーのライダースジャケットを作られていましたよね。

 ブランドや国によって使える革が決まっていて、ルイスレザーが使っている皮革は使えなかったんです。コラボではイタリアから革を送ってもらい製作しました。

藤原ヒロシ ルイスレザー

手前)ヤフオクで購入し襟などを修理したルイスレザー 奥)「モンクレール ジーニアス」で「フラグメント」とコラボした際に作られたルイスレザーのライダースジャケット。馬革が使用されている。

──服をプロデュースする時に革に代表されるような「素材」へのこだわりはありますか?

 僕が自分から洋服を作ることはほとんどありません。なので、自分から「革ジャンを作りたい」という衝動はゼロです。ただ、プロダクトに対する最適解を出すという仕事をしている中で、使いたい素材や色はあります。でも「具体的にどの革がいいのか」という専門的なことはプロに任せるのが良いと思っています。だから、モンクレールとのコラボの時も「革ジャンを作りたいならルイスレザーを頼りましょう」と。

──では、藤原さん個人の考えとして、リアルレザーはどんな存在ですか?

 無くなって欲しくないです。ヴィーガン素材のような革の代わりになるものも、物によってはあって良いと思いますけどね。よく言われる「経年変化で個性が出るから良い」ということは考えたことがありません。僕は新品には新品の良さがあると思っています。実際、セックス・ピストルズだってアメリカツアーで買ってきたショットの新品をかっこよく着こなしていたわけだし。

藤原ヒロシ ルイスレザー
藤原ヒロシ ルイスレザー

 僕は基本的にテクノロジーとファッションは融合しないと考えています。テクノロジーを活かして「皺ができないシャツ」を作ったとしても「いらないな」と思っちゃう。シワができるシャツの方がかっこいいし「洗わなくても毎日白くて綺麗な服」よりも、ちょっと汚れている方がファッションとしては良かったりするじゃないですか。

──それぞれの素材にはそれぞれの役割がある、と。

 そういう意味では「変化がある」というのはリアルレザーの面白いところだし、利点だと思います。革の代用品であるヴィーガン素材でジャケットを作っても、こういう味は出てこないでしょうから。

藤原ヒロシ ルイスレザー

──近年、リアルレザーは食肉の副産物であることから、むしろサステナブルな素材として見直され、再び天然皮革を積極的に使用するブランドが増えてきています。一方で、家畜以外の動物から得られる毛皮などと混同され、「リアルレザー=悪」という誤解もまだまだ根強い印象です。

 絶滅危惧種などを殺してまで着るのは良くないと思います。でも、50年前にお母さんからもらった毛皮を着るのは、サステナブルだし良いことじゃないですか。それを一概にダメだと言われると、ちょっと違和感がありますよね。

──海外と日本で、レザーに対する考え方のギャップを感じることはありますか?

 昔、ロンドンでDJをしていた時に、近くの百貨店のウィンドウが毛皮への抗議で爆破されたことがあって。「本当にやるんだ」とびっくりしました(笑)。そもそも、リアルレザーに反対している人は「食肉の副産物」と言われても「私たちは肉を食べません」と言うでしょうし。そういう強い意志をもっている人は、そうすればいい。でも、僕は、押し付けるのも、押し付けられるのも好きじゃないです。

藤原ヒロシ ルイスレザー

──藤原さんはベジタリアンの印象があります。

 19歳の時から41年間、肉を口にする事をやめていました。「牛がかわいそうだから」とか「革ジャンが着たいから」とか、そういう理由でやめていたわけではないんです。一緒に住んでいた友人たちと、外国のメッセンジャーに倣って、それっきり。60歳になった記念で解禁しました。

──久々のお肉の味は美味しかったですか?

 いや、まだあまり良さがわからないかもです。今ならいつでもやめられるかな。

■w/leather –革と生きる、という選択。–
期間:2025年11月1日(土)〜11月3日(月)
時間:11:00〜21:00((最終日は18:00まで)
会場:PBOX(ピーボックス)
所在地:東京都渋谷区宇田川町 15-1渋谷パルコ 10F
入場料:無料
主催:一般社団法人 日本皮革産業連合会「Thinking Leather Action
「Thinking Leather Action」は皮革・革製品のサステナビリティに関する様々な誤解を解消し、消費者に正しい知識の理解促進をしていくために、日本皮革産業連合会が2021年に立ち上げたプロジェクトです。


Photographer:Ito Asuka
text&edit:Furukata Asuka(FASHIONSNAP)

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