
Image by: GUESS JEANS
世界最大級の音楽とアートのフェス「コーチェラ・バレー・ミュージック&アート・フェスティバル2025」が、今年もアメリカ・インディオの砂漠地帯、コーアチェラ・バレーで4月11日〜13日、18日〜20日の2週にわたって開催された。レディー・ガガが初日のヘッドライナーを務め、ソロとしては初参戦となるBLACK PINKのリサ(LISA)やジェニー(JENNIE)、日本人で初めてセカンドヘッド・ライナーとして会場を沸かせたXGなど、2025年も数多くのアーティストがフェスを盛り上げた。
「GUESS JEANS COMPOUND」のクリエイティブをVERDYが指揮
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コーチェラの期間中、会場内外でイベントが行われる中、一際目を引いたのは「ゲス ジーンズ(GUESS JEANS)」が開催する「GUESS JEANS COMPOUND」。今年で4回目となる本イベントでは、先日ゲス ジーンズとクリエイティブパートナーシップを発表したばかりの日本人マルチアーティストVERDYが初めてプロジェクトに参画。「コーチェラの現場で、ゲス ジーンズがカッコいい取り組みを行っていることを知っていたので、今回、クリエイティブを担当することができたことを光栄に思います」とVERDYは話す。

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ロサンゼルスとVERDYの関係
世界的なグラフィックアーティストとして名を馳せるVERDYは、数多くのブランドやアーティストとのコラボアイテムを発表している。昨年大反響だった「ComplexCon Miami」での個展も記憶に新しいが、そんな彼にとってロサンゼルスとコーチェラは特別な場所だという。「なかなか日の目を見ず、今後どうやって活動していくかについて悩んでいた20代後半の頃、ロサンゼルスにいる友人に会いに行ったことがありました。そこで、自分が好きなことを仕事にして活躍している同世代の姿を見て刺激を受けたんです。日本に帰ってから、悩みながら試行錯誤して過ごした20代という青春時代が人生において無駄な時間ではなかったんだ、ということをグラフィックで表現したくて、『ウェイステッドユース(Wasted Youth)』を作りました。当時はブランドとしてのスタートではなく、アパレルレーベル的な立ち位置でしたが、自分の周囲の人が着てくれたり、徐々にTシャツを欲しいと言ってくれる人が増え、自分らしさを表現していくことの大切さを実感しました。ロサンゼルスからたくさんのインスピレーションをもらって、今の自分のスタイルに辿りついた気がします」。

Image by: GUESS JEANS
2023年6月、BLACKPINKのアートディレクターを務めることを発表し、BLACKPINKのワールドツアーのカプセルコレクションを制作したことも話題になった。このプロジェクトもコーチェラと深い関わりがあったという。「2023年にコーチェラに遊びにいった時のヘッドライナーがBLACKPINKでした。アジア人として初のヘッドライナーだったそうで、そんな彼女たちのステージをみて感動したのをよく覚えています。その後、縁があってオフィシャルグッズのディレクションをさせていただいたわけですが、あのタイミングで、コーチェラのBLACKPINKがみれたというのは、ある意味、運命的だったと思います」。
細部まで広がるVERDYワールド
コーチェラのフェス会場から目と鼻の先に位置する「GUESS JEANS COMPOUND」では、パーティーの開催に加え、ゲストの宿泊も可能。数十棟に分かれる広い敷地のなかで存在感を放つのが、VERDYのオリジナルキャラクターである「VICK」。会場を訪れるゲストたちのフォトスポットにもなっていた。

展示された「VICK」
Image by: GUESS JEANS
VERDYにより、イベントのためにデザインされたTシャツや自転車などのプロダクトは残念ながら非売品。「個人的に気に入っているアイテムは、ゲストのみなさんにプレゼントしたデニムジャケットです。パラソルの仕上がりもすごく良く、日本に持って帰りたいくらいです(笑)。他にも、Tシャツをはじめ、ネオンやサインボード、ドリンクカップまで、1つずつ細部までこだわってデザインしました。結果的に、会場の雰囲気と自分のカラーがマッチしてよい空間が生まれていて、非常に満足しています」。

Image by: GUESS JEANS

Image by: GUESS JEANS

VERDYがデザインしたGジャン
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友人ニコライと作り出すゲス ジーンズの世界
ゲス ジーンズのクリエイティブディレクターを務めるニコライ・マルシアーノとは長年友人関係だという。2人が繰り広げる化学反応を楽しみにしているファンも多いだろう。「コラボが決まる以前から、ロサンゼルスにあるオフィスやスタジオを拝見させてもらって、ゲス ジーンズがどんな歴史を持ち、どんなプロダクトをリリースしてきたかについての理解を深めてきました。ニコライは昔からの友人ですし、僕からの提案に対して『いいじゃん、やってみようよ!』と柔軟なスタンスで受け止めてくれて。自分の中にあるアイデアを共有することができたので、今年はたくさんの物事を実現させることができるんじゃないかと思います」。
来年で45周年を迎えるゲスは、東京でビッグプロジェクトが始動するそうだ。「中でも一番楽しみなプロジェクトは、今年の7月に開催予定のポップアップイベント。ただ見るだけのイベントにするのではなく、ワークショップ的なスペースも設営予定で来場者が体験できる場所にしたいと思っています」。
アフターパーティーの様子











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ゲス ジーンズを通して、伝えたいメッセージとは?
続けてVERDYは、「ゲス ジーンズの良さをもっと日本に届けることが自分の役割だと感じています。まだ自分らしさに気付いていない10代にもそうだし、もう定番が決まっている大人たちにも、「今ゲス ジーンズが面白い!」と思ってもらえるきっかけ作りをしていきたいです」とゲス ジーンズにおける自身の役割について話してくれた。今回の渡米でもゲスの本社に足を運んだというVERDY。レザーやプリント、昔ながらのワッペンなどの加工を実際に見てデニムの可能性を感じたという。「改めて、デニムはキャンバスのような自由度の高いファッションアイテムだと感じましたね。作り込み過ぎず、あえて余白を残すことで、着る人が自分らしさを自由に表現できるようなスタイルを提案したいと考えています」。
近年、各ブランドの価格が上がり、アーティストとのコラボアイテムはより高騰している。「ゲス ジーンズのアイテムのクオリティは信頼しているし、価格としても比較的手が届きやすいので、若い世代にも届くアイテムを提案したいと思っています」と自信を覗かせる。

Image by: GUESS JEANS
また個人の活動では、世界中を駆け巡った数年間を経て、今年は制作期間に当てたいと話すVERDY。「今年は、Art BaselやComplexCon、ファッションウィークなどで得たインプットをアウトプットに変換していく作業に集中し、制作に力を入れていきたいと思います」。
29歳で初めて訪れたロサンゼルスから始まった物語は、アメリカ最大の音楽フェスで具体化された。「人生のチャンスはみんなに平等に訪れると思います。もちろん、本気で自分に向き合って取り組んでいる人にしか巡ってこないものなので、本気で好きなことがある人は諦めずに続けていくことが大切です。そして、実際にチャンスが来たときにどう活かしていくかが、すごく重要になってきます。自分も先輩方のサポートがあって、たくさんのよい機会をもらえてきたからこそ今がありますし、もらってきたものを次世代に繋げていきたいと考えています」。
ゲス ジーンズとVERDYが生み出すケミストリーは始動したばかり。仲間と作り上げるブランドは、どんな青春期を経て成長していくのか。コーチェラ、GUESS JEANS COMPOUNDでの成功の歓声が、海を越えて日本、そしてアジアに届く日はもうすぐそこまできている。
edit & text: Rinako Fukushima
最終更新日:
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