
「コッキ(KHOKI)」が、参加型プロジェクト「TOUCH」を始動しました。東京・神宮前のTRUNK(HOTEL) CAT STREETで開催された第1回のイベントでは、コッキデザインチームが普段クリエイションを行っているアトリエを会場ラウンジスペースに再現。インスタレーションとともに公開しました。
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あわせて、2025年秋冬コレクションのランウェイショーで参加者に配ったクッションカバーをベースに、自分だけの「コッキクッション」を作ることができるブランド初のワークショップも開催しました。そんな貴重なイベントにFASHIONSNAP編集記者が潜入!クッション作りを体験すると、ブランドのクリエイションの完成度の高さと、服を売るだけではない真摯な姿勢を実感することができました。
トランクホテルをアトリエに、初の参加型プロジェクト
「アトリエビジット」と題し、TRUNK(HOTEL) CAT STREETのロビーを貸し切って行われた今回のイベント。その名の通り普段使っている棚やイメージボードなどを持ち込んでコッキのアトリエを再現し、関係者やブランドのファンを招いた一夜限りの催しとなりました。

2025年秋冬コレクションのイメージボード。KHOKIではチームメンバーが持ち回り制でデザインを手掛けており、その際コレクション全体の概要を把握するためにこのようなイメージボードを採用しています。
Image by: FASHIONSNAP


棚は普段アトリエで使用しているものを搬入。
Image by: FASHIONSNAP
普段展示会などで使われるTRUNK (HOTEL)のショールームスペースでは、2025年秋冬コレクションの世界観を表現したインスタレーションを公開。展示会でも一際目を引いた家のモニュメントとともに、ランウェイショーで披露された今季の新作が会場を彩りました。




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20年針を握っていない編集記者がクッション作りを体験

Image by: FASHIONSNAP
受付で参加費を支払うと、コーデュロイのクッションカバーが手渡されます。カラーはネイビーとブラウンから選択可能。この段階ではまだコッキの「K」の文字があしらわれているだけのシンプルなデザインです。ここから自由にデザインし、自分だけのクッションカバーを作り上げていきます。

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アトリエから持ち込んだ棚には、ヴィンテージライクなテキスタイルのほか、人や星、ハートを模ったワッペン、アンティーク調のボタンなどクッションカバーを彩る装飾がズラリ。カラーバリエーションも豊かで、デコレーションの可能性は無限大です。



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ネイビーのカバーを選んだ筆者は、ボディのカラーとの相性を考えてイエローの星とミックスカラーのハート、6色のポップなボタン、モノトーンの端切れをセレクト。本当はもう少しつけたい気持ちもありましたが、時間が限られており、更に裁縫にあまり自信がなかったためこれくらいにしておきました。

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完成予想図。期待と一抹の不安を胸に、いざスタート!

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......開始早々針で指を刺す幸先の悪すぎる滑り出し。何を隠そう最後に裁縫をまともにしたのは小学3年生の家庭科の授業。始まってしまえばフィーリングでなんとかなるだろうという希望的観測もありましたが、見通しが甘すぎました。学校の授業は将来役に立つ。約20年ぶりにそんな当たり前のことを実感しながら、亀の歩みのようなスピードで製作を進めていきます。

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なんとか最初の縫い付けを終了。ステッチの幅が広すぎて我ながら不安になるレベルです。巡回しているコッキデザインチームの1人に進捗を聞かれ、正直に現状を報告すると、「コッキのモノづくりは手作業の温かみを大切にしています。そういう意味ではとても心のこもった良いクリエイションですよ」。思わず心がじんわり温かくなりました。周りを見渡すと、どうやら苦戦しているのは自分だけではない様子。コッキのメンバーは状況に目を光らせ、苦労していそうな参加者に声をかけ積極的にサポートを行っていました。

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次はボタン付けにチャレンジ。さっきとはまた違った難しさがあり、会場に遊びに来ていた知り合いの業界関係者からは「めちゃめちゃ裁縫得意そうなルックスなのに全然できないんですね(笑)」などとイジられる始末。悪戦苦闘が続きます。

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そうこうしているうちに、どんどん時間がなくなってきました。2時間の持ち時間があるため、始める前は心に余裕がありましたが、やっているうちにデザインを変えたくなったり、縫ってはいけないところを縫ってしまったりしてやり直すケースが頻発。何事も計画通りにはいかないものです。時間がなくなった終盤はデザインチームの力を存分にお借りして、なんとか完成に漕ぎ着けました......!

完成。感慨深い。
Image by: FASHIONSNAP
よく見ると(よく見なくても?)ツッコミどころが満載。当初6個つける予定だったボタンは時間の都合で4つに数を減らし、星のワッペンは途中までは縫ったものの最終的に間に合わず、スタッフさんによるミシン仕上げに変わっています。中央のグリーンは元々予定にはありませんでしたが、ブランドディレクターのKokiさんにお願いしたところ、最後に追加してくれました。


Image by: FASHIONSNAP
自分で手を動かしてモノづくりの一端に触れることで、「アメリカンキルト」をはじめとするコッキのアイテムがいかに高度な職人技によって作られているかを実感。この日は2025年秋冬コレクションのレザーショーツを履いていきましたが、このアイテムへの愛着もより一層深まりました。
また、家に帰ってクッションを取り出すと、自分で(文字通り)手を痛めて完成させたこともあり、えも言われぬ愛おしさが湧き上がってきました。あれから数日、家でくつろいでいる時間はほとんどこのクッションを抱えて過ごしています。やはりモノの魅力は思い出や体験とリンクするんだなと再確認。とても有意義なイベントでした。
ワークショップを終えて ブランドディレクター Kokiに聞く
──ブランド初のワークショップ。すごい盛況でしたね。
ありがとうございます。想定していたよりも皆さんが楽しんでくれて良かったです。お客さんの楽しそうな顔を見ていたらこっちまで楽しい気持ちになりました。
──私も楽しかったです。あまり上手くできずKokiさんの手を煩わせてしまいましたが。。
それで良いんです。ステッチは完璧でない方が味が出ますし、少し雑くらいが丁度良い。今回はお客さんとコッキが一緒に物を作るということをテーマにしたイベントだったので、お手伝いさせてもらえて僕らも嬉しかったです。
──今回、参加型プロジェクト「TOUCH」を始動した理由は?
ショーとはまた違った形で、ブランドを支えてくれている方々と、より近い距離で何かをしたかったんです。また、自分たちの服は本当に手間暇をかけて製作しているものなので、買ってくれる人や仕事で関わってくれる人にも、それを伝えたいという思いもありました。
──確かに、実際に自分の手を動かしてみるとコッキの服を作るのがいかに大変かを実感しました。
狙い通りです(笑)。工場の方を含め、コッキチームが一丸となって自分たちが良いと思う服を作っているので、このワークショップを通じてその魅力を再確認してもらえたら嬉しいですね。
──今回のワークショップは参加型プロジェクト「TOUCH」の第1弾とのことですが、第2弾以降の計画は?
ワークショップという枠組みは継続したいと思います。ただ、次何をやるかは今のところ決まっていないですね。第1回をやってみて、初めて見えてきたものもあったので、今後についてはチームで再度話し合って決めていきたいです。
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