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ルメールの“彫刻バッグ” 長年の協業アーティストの作品展を恵比寿で開催

Image by: LEMAIRE

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ルメールの“彫刻バッグ” 長年の協業アーティストの作品展を恵比寿で開催

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 フランス発のファッションブランド「ルメール(LEMAIRE)」が、チリ出身のアーティストで職人のカルロス・ペニャフィエル(Carlos Peñafiel)の作品展「Wearable Sculptures」を東京・恵比寿の旗艦店ルメール エビス(LEMAIRE EBIS)で開催している。会期は11月7日まで。

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 ルメールと10年以上にわたり協働を続けるカルロスが生み出すのは、バッグでありながら彫刻でもある作品。パリ、ソウルでの展示を経て、東京での開催が実現した同展では、独創的なレザー造形によって日常の機能性と芸術性を融合させたオブジェやバッグが並ぶ。

カルロス・ペニャフィエルとは?

カルロス・ペニャフィエル

 カルロスは1949年、チリ生まれ。ブラジルでレザー加工の技術に触れ、ボートでヨーロッパへ渡り、パリに拠点を移す。70年代は市場でレザーグッズを制作しながら生計を立て、80年代にはピエール・カルダン(Pierre Cardin)のために「Chaussures à doigts(指のある靴)」を制作。しかし当時、カルダンは自分の名前のみでクレジットし、カルロスの名前は表に出なかったという。その後、ファッションアイテムだけでなく、家具やランプなども製作し、表現の幅を広げてきた。ルメールとは2014-15年秋冬コレクションのランウェイショーで、初のコラボレーションバッグが発表され、以降も協業が続いている。

カルロスがピエール・カルダンのために制作したシューズ「Chaussures a Doigts(指のある靴)」

 クリストフ・ルメール(共同クリエイティブ・ディレクター)は「カルロスとは長い時間をかけて一緒に取り組んできました。友人の紹介で知り合い、彼の仕事に強く惹かれたことがきっかけで、一緒にバッグを作るように。特にサラ=リンがカルロスとの協業によって親交を深めてきました」と明かす。

 サラ=リン・トラン(共同クリエイティブ・ディレクター)は「カルロスは職人であり、デザイナーであり、アーティストでもある。その全てであることを彼は望み、私たちもその曖昧さが素敵だと感じています。彼はが本当に作りたいと思ったものに正直に向かい合って、モノづくりをしています」と説明する。

モールドレザーで生まれた”彫刻バッグ”

 「ここに並ぶのは、カルロスとの約15年間の協働の結晶です」とサラ=リン。同展では、カルロスのアート作品や彫刻に加え、ルメールの商品として販売されている手作りバッグが展示されている。シェル型の「カルロスバッグ(Carlos bag)」や丸みのある「エッグバッグ(Egg bag)」、さらに胸像やカスタネットなどをモチーフにしたユニークなフォルムの新作バッグも登場した。

左から新作バッグ、カルロスバッグ、エッグバッグ

 カルロスが用いるモールドレザーは、革を水で湿らせ、数時間かけて型に押し当て、曲線を記憶させていく技法。高度な技術と忍耐を要し、レザーの独特なうねりに耳を傾けながら作業を進め、最終的に型の曲線に沿って形を定めていくという。

カルロスが製作した家具のモックアップ

 ルメールは、アーティストや職人との対話を重ね、お互いのリスペクトを大切にコラボレーションを続けてきた。「これまで多くのアーティストと取り組んできましたが、互いの視点を尊重し、アイデアを共有することを大切にしています。ファッションは文化と日常をつなぐ窓口であり、人生を豊かにするもの。私たちはブランドを通して、文化やアートの情熱を伝えていくことも使命だと考えています」とクリストフは話す。

サラ=リンによる初の書籍が発売

 サラ=リンは、自身で出版社「Éditions Siegelbaum-Tran」を立ち上げ、カルロスの作品集「Carlos Peñafiel」を初の出版物としてリリースした。親友であるフランス人フォトグラファーのエステル・ハナニア(Estelle Hanania)に撮り下ろしを依頼し、カルロスの歩みを一冊にまとめている。

 「元々、いつかは自分で本を出版してみたいという思いがあり、やっと実現できてとても嬉しく思っています」とサラ=リン。

 またカルロスが「飾るだけでなく使われること」に喜びを見出す点に触れ、「日本にも確かな技術を持つ職人がいて、実用でありながら芸術性を宿す作品が多い。カルロスのものづくりとも通じるものがあると思います」と、国境を超えた美意識の共通点について語った。

 同書はルメール エビスや公式オンラインサイトなどで販売されている。バッグという実用品を超え、日常に詩を宿すカルロスのクリエイションを、空間と書籍で味わうことができる。


ファッションジャーナリスト

大杉真心

Mami Osugi

文化女子大学(現文化学園大学)でファッションジャーナリズムを専攻、ニューヨーク州立ファッション工科大学(FIT)でファッションデザインを学ぶ。「WWD JAPAN」記者として海外コレクション、デザイナーズブランド、バッグ&シューズの取材を担当。2019年、フェムテック分野を開拓し、ブランドや起業家を取材。2021年8月に独立後、ファッションとフェムテックを軸に執筆、編集、企画に携わる。2022年4月より文化学園大学非常勤講師。

最終更新日:

◾️「WEARABLE SCULPTURES」カルロス・ペニャフィエル展
会期:2025年10月24日(金)〜11月7日(金)

会場:LEMAIRE EBISU
東京都渋谷区恵比寿3-21-1

時間:11:00〜20:00

入場料:無料・予約不要

公式サイト

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