【あの人と、革の話】芸人 みなみかわのレザー愛用品 project by w/leather

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みなみかわ レザー 私物

Image by: FASHIONSNAP

みなみかわ レザー 私物

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【あの人と、革の話】芸人 みなみかわのレザー愛用品 project by w/leather

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みなみかわ レザー 私物

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 長年、使い込んでいるからこそ、本音で語れる“革のリアル”がある。今回、FASHIONSNAPでは、皮革・革製品などのサステナビリティを発信していくプロジェクト「Thinking Leather Action」とコラボレーションを実施。ファッションの第一線で活躍する人々のレザー愛用品を紹介し、購入のきっかけや愛用歴、そこから広がる“レザー愛”、使い込むからこそ見えるレザーの奥深さなど、日々の暮らしや仕事をともにする「w/leather(ウィズ レザー)」を掘り下げます。連載 第4回は芸人のみなみかわさん。「レザー芸人」「ジャパンメイドブーツ芸人」を名乗るほどのレザーアーテム好きの彼だからこそ語れる革の魅力。

「ブルーネル(BRUNEL)」のレザーロールキャップ

みなみかわ レザー 帽子

──みなみかわさんといえば、帽子のイメージがあります。

 とんでもない数が家にありますね。数えたことはないですけど、いただきものもあるので、全て自分で買ったわけではないですけど70〜80個くらいはあるんちゃうかな。そのうち、15個くらいはレザーの帽子で、かぶる頻度も圧倒的にレザー帽子のほうが多いですね。

──こちらはオリジナルレザージャケットを展開している「クルーチ(KLOOTCH)」というブランドの帽子ラインが「ブルーネル」。

 今日、僕が被っているキャップもブルーネルさんのものです。

みなみかわ 帽子

みなみかわ「さすがに冬はレザーのロールキャップだと暑くて。夏用として買いました」

──革がしなやかで、だいぶ使い込んでいる感じがします。

 買ったのは2年前くらいだと思います。くしゃっと畳んでカバンの中にも入れられるというのもあって、だいぶ味が出たんちゃうかな。僕、馬革の茶芯が好きなんですよ。今日、持ってきた3アイテムも全部馬革の茶芯。

みなみかわ 帽子

──どうして馬革の茶芯が好きなんですか?

 履き込んだり、使い込んだりした時の輝きが他にはないな、と。深く、濃くなっていく感じは茶芯だからこそで、日光に当たると陰影で深みのある色に見えるし、光が当たらなかったら黒やし。真っ黒に染められた革では出ない、ちょっとしたグラデーションが好きなんやと思います。

みなみかわ 帽子

 馬革に関して言うと、もちろん牛革も好きですけど、革職人の方と話しているとみんな口を揃えて「みなみかわさん、これを見てください。ホースバット(馬の臀部の革)です」って言うんですよ。それが最高の褒め言葉なんでしょうね。専門的な話を聞くと、馬革は牛革よりも繊維が均一じゃないから、使い込むと不均一な“味”が出やすいらしいです。専門的な話は聞かずとも、馬革はハリもあるし、シュッとしている。革靴やったら、厚くて堅い革を自分の足に沿わせるように締めて履きこむと、シワができる。僕はもともとアメカジというか、そういう荒々しい雰囲気が好きなのでたまらんですね。

みなみかわ レザー

取材後、革の説明をうけるみなみかわさん

──ブルーネルを知ったきっかけは?

 どうやって見つけてきたんかな。多分、インスタを見ていたらタイムラインに流れてきて「うわ、めっちゃかっこええな」と思って、渋谷のアトリエに伺ったんだと思います。

──帽子の裏地が切り取られていますが、これはカスタムされたんですか?

 本当は布の裏地が付いていたんですけど、僕が全部切っちゃいました。というのも、僕がスキンヘッドなので汗をかくと裏地の布が肌にペタッとくっつく感じがして暑くて。個人的には、肌に革が直接あたる方が快適でしたね。ブルーネルの藤田さんが見たら怒るかもしれないんですけど(笑)。

みなみかわ 帽子

──この帽子にまつわる思い出やエピソードはありますか?

 ロンハー(テレビ朝日系列のバラエティ番組「ロンドンハーツ」)の私服-1GPという企画で、これを被っていったらめちゃくちゃいじられましたね(笑)。テレビショーなので、表では当然芸人同士が罵り合うんですけど、裏で共演者からは「その帽子は確かにかっこいいけど、20代の女の子はわからないですよ」と言われた記憶があります。普通、かっこいいと思っているものをいじられたら嫌なんですけど「これは絶対にかっこいい」って僕は思っているし、その信念を持って被り続けていたら誰にも何も言われなくなりましたね。

みなみかわ 帽子

──今回はご紹介いただかないですが、みなみかわさんと言えば茶色いVネックの革ジャンのイメージもあります。

 あれは「ツーモンキー(The 2 Monkeys)」という元レッドウィングジャパン代表の鈴木理也さんと僕がアルバイトをしている「ジェラード(JELADO)」の後藤さんがやっているブランドのものです。なかなか無いデザインで「18世紀に存在していたかもしれない革製上着」というコンセプトも良いですよね。

 ……全然余談なんですけど、昔、長渕剛さんが「夜のヒットスタジオ」や映画「オルゴール」で被っていたレザーロールキャップで、折り返し部分だけがニット素材の帽子があるんですけど「かっこええな」と思って。「ファットハッター(THE FAT HATTER)」さんというお店で購入したんです。ほんなら、千鳥の大悟さんだけが「長渕剛みたいやな」って気づいてくれましたね(笑)。

みなみかわ 私服

みなみかわさんが愛用しているツーモンキーのレザージャケット

「ファットハッター」で購入した帽子

──インタビュー中もずっと帽子や財布などのレザーアイテムを触っていますね。

 すみません、癖なんですよ(笑)。映画とかを家で見ている時も、ずっと撫でたり、形をつけようと“にぎにぎ”して革を鳴らしてしまいます。帽子は被っているだけなので、革靴や他の革小物よりもエイジングがしづらくて。だから、こうやって、揉んだりカバンに無造作に入れたりして、意図的にエイジングさせています。

みなみかわ 帽子

──「革が鳴く」と言っている人をデザイナーや職人以外で久々に聞きました(笑)。

 昔は、クリームを塗ったりしてケアもしていたんですけど、最近はほとんどしないですね。クリームを塗ったりすると革が柔らかくなりすぎちゃって鳴らなくなっちゃうんですよ。だから最近出した結論は「基本的には触るだけ、手の脂だけで十分」ということです。

「ラポルト(rapporto)」のレザーショルダーバッグ

みなみかわ レザーバッグ

──「ラポルト」(旧:ラクリエ)との出会いは?

 これが不思議な出会いで。昔、僕がある財布を使っていたんです。それは、雑誌「ライトニング(Lightning)」の編集長 松島陸さんが使っていたもので、「かっこええな」と思って自分で調べて、同じものをネットで買いました。ほんなら、僕がさらば青春の光のYouTubeに出た時にその財布が映っていたんでしょうね。それを見た人から怪しいDMが届いて。「その財布、僕がデザインしたやつですね。ありがとうございます。もし僕が作ったものでなければ本物を送ります」みたいな(笑)。そのDMの送り主こそがラポルトの宮本さんでした。

みなみかわ 財布

みなみかわさんが愛用している財布とカードケース

──その当時使っていたものは、ラポルトのものだったんですか?

 違います。そのDMも僕は最初半信半疑だったんですけど本当に財布を送ってくれたんです。

みなみかわ レザー


 前の財布と形は同じなんですけど、作りや使っている革の違いが一目瞭然で。前の財布はもう少し平べったい感じだったんですけど、宮本さんが作った財布は革のハリを活かした立体的な袋状になっていて、開け閉めしやすいしとても使いやすかった。もちろん革の鳴りも最高。そこから交流が始まりました。

──こちらのレザーショルダーバッグを購入したのはいつ頃ですか?

 これも2年前くらいちゃうかな。ずっとレザーのショルダーバッグが欲しかったので、先ほどの財布のご縁もあり「ぜひオーダーさせてください」と。

みなみかわ レザーバッグ

 東京の蔵前にある革の専門店に行って、使用する革から自分で選びました。その時もやっぱり馬革の茶芯を選んだんですが「みなみかわさん、コードバンがあります」と言われて、何のこっちゃわからないけど「それにしましょう!」と(笑)。
※コードバン:馬の臀部から取れる革。皮膚組織の内部にある厚さわずか2mm程度の「コードバン層」と呼ばれる部分だけを削り出したもの。馬の一部分からしか取れず、その希少性と仕上がりの美しさから「革のダイヤモンド」とも呼ばれている。

──(笑)。穴が空いているのは?

 皮をなめして乾かす時に吊るすじゃないですか。その時に出来た穴を使ってはると言ってました。しかもこれ、一枚の革で作ってるんですよ。

※なめし:生皮に防腐性、柔軟性などを付与し、革の風合いを決める重要な工程。

みなみかわ レザーバッグ
みなみかわ レザーバッグ

 これ、見てください。内側がツルツルでしょ?宮本さんが死ぬほどここの革を磨いていたんですけど、僕が「ここは表面でもないし、誰も見ないじゃないですか」と言うと「でもここが一番、開け閉めする時に触るところでしょ」と。それに、ベルトがあるのに穴が一つしかないから長さも調節できないようになっているんです。「みなみかわはこの長さでいけ」と(笑)。一枚革であることもそうですが、ちょっと変態的な作品ですよね。世界に一つだけしかないし、言うてしまえば「宝物」です。

みなみかわ レザーバッグ
みなみかわ レザーバッグ

──サドルの部分もすごく分厚くて、これはなかなか経年変化してもちぎれたりしなさそうですね

 兵庫県姫路市にあるタンナーさんが作ってはる牛ヌメ革と聞きました。

──サドルとバッグの部分で使っている革が違うんですね。

 そうなんですよ。サドルで使われている牛ヌメ革は、時間をかけて硬くする「ピット槽でのタンニン鞣し」を行う昔ながらの製法を行っている数少ないタンナーさんだそうです。

みなみかわ レザー ブックカバー
みなみかわ ほぼ日 手帳

 こういったさまざまなご縁で、ラポルトの宮本さんにはよくしていただいているんですが、僕が前々からレザークラフトにも興味があって宮本さんに教えてもらいながらスケジュール帳カバーを作りました。

──これも馬革ですね。

 革が硬すぎて、せっかく作ったのに手帳が入らなくて焦りましたね(笑)。作ってみて驚いたのが、コバ(革の裁断面)の磨き。僕がやった方と宮本さんがやった方とでは、仕上がりが全然違う。短時間でパッとやっただけなのに、職人技はすごいなと実感しました。

みなみかわ レザー ブックカバー
みなみかわ レザー ブックカバー

上段がみなみかわさんが磨いたコバ、下段が宮本さんが磨いたコバ

 茶色いレザーは飴色になっていく過程がたまらないですよね。黒いレザーは茶芯だとだんだんと茶色に近づいていった、茶色いレザーは使い込むとだんだん濃くなっていくのを見ていると「結局、目指している色は同じなんちゃうん?」と思ったりもしますね(笑)。

──そもそも、ここまで「革製品」が好きなのはなぜなんですか?

 最初は革靴だと思います。年齢を重ねるにつれて「経年変化があるものがいいな」と思うようになりましたね。デニムもそうなんですけど、モノは新品からどんどん劣化していくじゃないですか。でも、レザーに関していえば、劣化ではなく“エイジングしていくもの”。自分の風合いになっていくので、愛着がどんどん湧いてくる。クオリティが上がっていくような気持ちになるし、自分の体に合ってくる感じもする、長持ちも当然する。そこが好きですね。

オーダーメイドした革靴

みなみかわ 革靴

──だいぶ使い込まれていますね。いつ頃購入されたんですか?

 半年前くらいです。ただ、半年間ほぼ毎日履き続けていて、どんどんエイジングさせていっています。

──職人さんに「こんな感じで作って欲しい」とお願いして作った革靴だと伺いました。

 浅草に森田さんという渋い靴職人の方がいて、その方にお願いしました。元々はウィメンズの革靴を作ってはるって言ってたかな。森田さんはファッションも素敵で、オーバーオールを着たり、僕が好きなアメカジライクなスタイリングでかっこいいおじさんなんですよ。

みなみかわ 短靴
みなみかわ 革靴

 出会ったきっかけは、僕の単独ライブ用のローファーを作ってくれたこと。この靴は僕が絵を描いて実現してもらった短靴です。

──具体的にはどのようにオーダーしたんですか?

 丸みを帯びたキャップトゥでチップも入っている、分厚い馬革を使ったガンガン履き込める短靴。これは森田さん曰く試作の1足目で「ここからどんどん変えていきましょう」と。それで、いつか僕と森田さんで「完璧な短靴」を完成させたいね、と話しています。それもあって、まずはこれを履きこむことでエイジングサンプルにできたらな、と。

みなみかわ 革靴

──ダブルステッチが特徴的です。

 アメリカの消防士が履いていることでもしられている「ホワイツブーツ(WHITE'S BOOTS)」が着想源ですね。幅が結構あるので、これを無くすべきか否かも試行錯誤している最中です。履き口が広く作られているのも森田さんのアイデアで、すごく履きやすいんですよね。

みなみかわ 革靴
みなみかわ 革靴

──どんなスタイリングを楽しんでいますか?

 ジーパンをロールアップして靴下を見せるのもあり。デニムにかかっていても、つま先がでっぷりしているので映えるんですよ。

──「ジャパンメイドブーツ芸人」として数多くの革靴を持っていらっしゃると思いますが、アメリカ製の革靴と日本製の革靴で履き心地の違いを感じますか?

 日本の革靴の方が歩いていても疲れにくいですね。以前、「モト(MOTO)」というブランドの短靴で太川陽介さんとのバス旅ロケで2日間歩き通したことがあるんです。スタッフさんには「革靴で歩く人いないですよ」って心配されたんですけど、靴擦れもせず、足も全く痛くならなかった。もちろん、新品の時はどんな靴でも靴擦れはしますけど、履き慣れた日本の革靴でトラブルが起きたことはほとんどないですね。自分の足に馴染んだらフィットし続けてくれるんだと思います。

みなみかわ 革靴

──そもそもどうしてそこまで革靴にこだわるんですか?

 さんまさん(明石家さんま)が「靴にはお金をかけろ」と言っていた、と聞いたのが一つ。もう一つは「身だしなみはちゃんとせなあかんな」と思ったことがあるから。昔ね、若手の頃に事務所のネタ見せで、構成作家さんからダメ出しを色々食らったんですよ。素直に聞いていたんですけど、ある先輩に「なんであいつの言うこと聞くねん。あいつの服とか靴とか見てみい。ダサいやろ。身なりにも気を使えないやつの芸を誰が聞くねん」と言われたんです。その時に「確かにな」と思って。そこから、服装や靴といった身だしなみには気を使うようになりましたね。

みなみかわ 私服

取材当日はレザーサンダルを着用していたみなみかわさん

──テレビや舞台などを拝見していると、靴はいつも自前なのかな、と思っていました。

 僕はスタイリストがいてないんですけど、テレビの仕事だとスタイリストさんが衣装を用意してくれるんです。でも、やっぱり靴は自前の方がいいなと思うことが多いですね。

──どうしてですか?

 システム上仕方のないことなんですが、スタイリストさんが持ってくる靴は、新品で綺麗なんですけど、綺麗すぎるが故にどうしてもチープに見えちゃって。大量生産のツルッとした感じが「安っぽい靴やな」と思っちゃう。衣装さんが持ってきてくれた靴で「それどこのですか?めっちゃいいですね」と言ったことは一度もないんちゃうかな。やっぱり自分で履き込んだ靴の方がしっくりくるんですよね。

みなみかわと革のはなし

みなみかわ インタビュー ファッション

──ジャパンメイドのレザーブランドやアイテムにここまで精通している人は珍しい気がします。どうしてそこまで“ジャパンメイド”にこだわるんですか?

 きっかけはデニムだと思います。「リーバイス(Levi’s®)」とか「リー(Lee)」ももちろんカッコいいんですけど、日本のいわゆるアメカジブランドが「カッコよかったリーバイスのXX(ダブルエックス)」を追い求めて作るモノの方が絶対にいいと思うんですよ。

──今の日本の製法で作る方が逸品である、と。

 ヴィンテージの良さももちろんあるんですけどね。岡山のデニム工場を見に行った時も「どう考えても技術はすごいやろ」と。そういう認識がそもそもあるんだと思います。

みなみかわ ファッション

 僕は、服の似合う似合わへんって「その人の体型にあった服を着ているか」だと思っているんですが、日本人が作る服の方が日本人の体型に合っているやろ、と。アメリカのものづくりは良くも悪くも大雑把なところがあるけど、日本の職人さんは本当に丁寧。スカジャン一つとってもおばちゃん刺繍はめっちゃ丁寧ですからね。だからなんとなく、日本の職人が作るものへの信頼があるんだと思います。

──日本の職人さんが作っているものはコレクションブランドよりも更に「作っている人の顔が見えやすい」ですよね。

 なんなら話に行こうと思えば、話に行けますからね。僕は元々お笑いオタクなので、ものづくりというか、製作者へのリスペクトがめちゃくちゃあります。それもあってか、職人さんが工場一つでモノを追求し、黙々と作っているところにも魅力を感じているのかもしれません。「それを身につけたい」「それで満腹感を得たい」という気持ちがあるんですあね。だって考えても見てくださいよ、昔からある「革」と言う素材をアイデア一つにこんなにも新しいモノを生み出せる。かっこいいな、と思いますね。

みなみかわ 財布

みなみかわ「先ほどお話ししたラクリエさんの財布の形は『「革」と言う素材をアイデア一つにこんなにも新しいモノを生み出せる』の最たる例だと思います」

──革が食肉の副産物であることはご存知でしたか?

 ジェラードでアルバイトしていたこともあり、それは知っていました。「僕らが生きるためにいただいている命を捨てずに使う」ってこんなエコなことないやろ、と思います。しかも生地としても類を見ないくらい丈夫で、使い込むと味が出る。僕が持っているレザーアイテムをいつか僕の子どもたちが使ってくれたらな、と思っています。二十歳を超えた時くらいに「父ちゃん、これ貸してや」とお願いされたら嬉しい。

みなみかわ

 あと、「命をいただいているものを余さず使うって、こんなにエコなことはないな」と強く思った出来事があって。それは、番組でアフリカのマリに行った時のこと。現地の人たちが地面に穴を掘り、そこで皮をなめしている現場を見ました。ロケとは関係ないところでの出来事だったんですけど、釘付けでしたね。彼らは食べた牛の皮を、必死でなめして革製品を作っている。資源が少ない土地で、命を無駄にしないように活用している姿を目の当たりにすると、とてもじゃないけど「革は動物を殺して作っている」とは思えないですよ。革を取ることをメインにしているわけではなく、ご飯を食べた結果として革が生み出しているだけ。これだけスーパーマーケットにお肉が陳列されているということは、それと同じくらい廃棄されるかもしれない皮が存在している。だったら活用して、全ての素材を“いただく”という方がええやろ、と。皮はなめせば、腐るものでもないですしね。

みなみかわ 私服

──最後に、みなみかわさんにとってレザーの魅力とは何でしょうか?

 使い込めば使い込むほど自分の体にフィットする感覚があること、「使い込んだな」という達成感が目に見えて分かることですかね。布製品だと古くなると汚れたり破れたりしますけど、革は使い込むほどに輝いていく。こんなに魅力的な素材はなかなかないなと思います。レザーが好きすぎて、気づいたら全身革まみれの時もありますけどね(笑)。

連載目次|あの人と、革の話
ファッションディレクター 栗野宏文のレザー愛用品
ファッションデザイナー 尾花大輔のレザー愛用品
スタイリスト 仙波レナのレザー愛用品
・芸人 みなみかわのレザー愛用品
・音楽プロデューサー 藤原ヒロシのレザー愛用品(10/22公開)

■w/leather –革と生きる、という選択。–
期間:2025年11月1日(土)〜11月3日(月)
時間:11:00〜21:00(最終日は18:00まで)
会場:PBOX(ピーボックス)
所在地:東京都渋谷区宇田川町 15-1渋谷パルコ 10F
入場料:無料
主催:一般社団法人 日本皮革産業連合会「Thinking Leather Action
「Thinking Leather Action」は皮革・革製品のサステナビリティに関する様々な誤解を解消し、消費者に正しい知識の理解促進をしていくために、日本皮革産業連合会が2021年に立ち上げたプロジェクトです。

Photographer:Ito Asuka
text&edit:Furukata Asuka(FASHIONSNAP)

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