Image by: ON THE WILD SIDE

Beauty

サステナビリティを追求するスキンケアブランド「オン ザ ワイルド サイド」が上陸 「ビューティ業界の大きな波に」

 フランスのボルドーでアン・ソフィ=ナーディにより設立されたクリーンビューティブランド「オン ザ ワイルド サイド(ON THE WILD SIDE)」が日本に上陸し、伊勢丹新宿店のビューティアポセカリーと公式サイトでの取り扱いが始まった(輸入代理店はエドストローム)。100%自然由来成分を採用し、合成原料の不使用はもちろん、肌が荒れてしまう危険性を避けるためにオーガニックの美容品に使用が許可されている保存料さえも使用しないという徹底したこだわりを持つ。ソフィは「個々の自発的な行動が積み重なることで、世界を変えることも、人々の清潔さに対する意識を変化させることも可能だ」と語る。肌のためだけでなく、環境や未来を見据え、全ての生きる者たちのためにーー。そんな考えを持つようになったソフィに話を聞くと、幼少期からずっとビューティと共に歩む姿があった。

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創業者 アン・ソフィ=ナーディ
創業者 アン・ソフィ=ナーディ

ー母親の仕事がご自身の仕事に影響を与えているようですが、幼少期に鮮明に覚えていることは?

 母はフランス・リヨンに18世紀からある古い薬局で薬剤師として働いていました。フランスの薬局は、新薬はもちろん販売していますが、ホメオパシー、ハーブなども同じように取り扱っています。薬草などが入った大きな瓶が並んでいて、幼少期はそれに惹きつけられるように立ち寄っていました。そこでは一人ひとりのお客様のために、ハーブを潰して天秤で足したり引いたりしながら量をコントロールして調合していて…。その人だけの皮膚クリームなどが出来上がるのです。その微妙な“サジ加減”は、技術が発達した今だからといってできるものではありません。そこに魅了されていました。

ー成長しキャリアのスタートはビューティ企業でした。ロクシタングループやロレアルグループで長く従事していましたが、ビューティ業界で学んだことや問題点はなんだと思いますか?

 世界有数のコスメブランドで仕事をする中で、素材調達経路、代々受け継がれてきたノウハウを守ることの重要性や、ロレアルグループのラグジュアリー部門では細部にまで注意を払うことの重要性を学びました。もちろんそれぞれの会社で強みがありますし、それ自体を否定するつもりはありません。しかし問題なのは、様々なブランドがナチュラルやオーガニックという言葉を使ってブランドを立ち上げていますが、本当の意味での“本物”を追求することは難しいということです。突き詰めると、肌のためだけでなく、未来を見据えた環境、地球のことを考えるということが大切なポイントになるんです。

ソフィーが考えるスキンケアブランドの成功のカギ
・約束された効能
・嘘偽りのない安全性
・使い心地の素晴らしさ

 私自身は、2017年にフランスのボルドーに拠点を移してから3人目となる息子が誕生し大自然の中でゆったりとした毎日を送るようになったことでそういった考えが強くなりました。全ての生きるものたちのために、オーガニックの先である、クリーンビューティブランドを立ち上げることにしました。

ブランド立ち上げまでに行ったこと
・夢に見ていた化粧品のあり方を文書にまとめる
・ボルドーの若い起業家たちの協力・ネットワークのサポートを受けサステナビリティの価値観を得てプロジェクトを立ち上げる
・女性起業家ネットワークを通して優秀な女性たちと知り合う
・数ヶ月にわたりコスメの分野に足りないものは何かを理解するため女性たちの証言を収集

ーオン ザ ワイルド サイドが行きついたこととは?

 行きついたのは、多くの人が求めているのが、「本物であり、自然に敬意を払うこと」なんです。ボルドーは、海が近く大自然が広がっていて、そこには何百年も手付かずの地に生息する植物がたくさんありました。幼少期に見ていた母の仕事やビューティ企業の経験から、植物の力は理解しています。だからボルドーの植物を活用したいと考えたんです。その上で未来を見据えたモノづくりを始めました。オン ザ ワイルド サイドでは、植物は地域の人たちがバスケットを持って手摘みで採取するなど、環境に負荷を与えない方法を採用しています。また、オーガニック製法を取り入れるだけでなく、原料もほぼ100%自然由来のもので、肌が荒れてしまう危険性が少しでもあれば、オーガニックの美容品に使用が許可されている保存料も使用しません。そして瓶はリサイクル素材を、プラスティックは有害物質が排出されない素材を使用しています。植林も積極的に行うなど環境に配慮した取り組みを徹底しています。

ー地球の未来のこと、サステナビリティを意識しながらのモノ作りで大変だったことは?

 大変というよりは、ここまで徹底してこだわることで、少し偉そうな話になってしまいますが、コスメ業界にとって大きな波が作れたらと思ったんです。全てのフォーミュラをフランス国内で作っていますが、現状10人のチームでみんなが同じ気持ちで信念を曲げずに、時間を掛けて製品を作っています。大変だったと言えば、大手メーカーでの経験があったので、作りたいフォーミュラは頭にあり、どうやればいいかも分かっていましたが、実際作るとなるとそれが可能なラボラトリーを探すのが大変でした。スペシャリストのいるラボラトリーが見つかったことはラッキーでした。良い素材を見つけることも大変だと思いますが、ボルドーには生息するたくさんの植物があります。中でも白樺のサップという樹液を集めてベースに使っているのですが、その白樺の樹液は有害物質からプロテクトする機能が期待されることがことが分かってきています。

ー日本での展開に加え、海外のセフォラでも取り扱いが始まっています。少し意地悪な質問かもしれませんが、例えば地球の環境を考えたとき飛行機で輸送することにもリスクがあると思いますが。

 われわれが考えるクリーンビューティを発信することで、先ほども言いましたが、ビューティ業界を変えていきたいと思っています。そう思うと、現在は飛行機を使用せざるを得ないのが現状です。ブランドを立ち上げたばかりで、まだ船を使って出荷できるところまでは到達できていません。ただ海外での展開が軌道に乗れば、輸送という考えではなく日本でも生産できるのではないでしょうか。日本のハーブの研究もしたいですし、われわれの持っている技術と融合して“日本バージョン”を作るというのも夢のひとつです。排気ガスで言えば、ラボラトリーや素材の調達などを同じ地域で行なっていて、徒歩か自転車で行ける範囲です。フランスでのモノ作りは車の排気ガスを減らす努力をしています。

ー日本でもサステナビリティやSDGsへの意識は高まっていますが、今後さらに高めるためにはどういった啓発活動が必要だと思いますか?

 子どもから大人まで、全ての人に対して教育が重要だと思います。こうやって取材をしてもらって話ができていることが素晴らしいことで、メディアの力は大きい。あとは総理大臣に電話してみるとか?(笑)。ヨーロッパでは様々な法律が施行され、皆んながそれに向かって生活しています。

ー個人的に行なっているサステナビリティ活動はありますか?3人のお子さんに対するサステナビリティ教育は?

 私自身は食生活から変えています。環境を破壊しないように、フードロスを出さないような食生活を送っています。それにより健康にもなりました。子どもは3~9歳なんですが、彼らは学校で学んでくることが多いですね。学校でも家でもサステナビリティについて考えることで、買い物に行ってもサステナビリティが主語にあった上で、モノを選択しています。小さなことですが、フランスでは歯磨き粉は錠剤が主流です。プラスティックの使用が削減され、水の使用も減ります。子どもたちは毎日、肌で感じているのではないでしょうか。私自身は仕事を含め、車を使用せず自転車と歩きで過ごしています。これはパリにいたらできなかったですね。

ーオン ザ ワイルド サイドの将来像を教えてください。

 まず日本でのローンチはとてもエキサイティングで、チーム全体のモチベーションにも繋がっていてとても幸せです。研ぎ澄まされた、削ぎ落とされた繊細さを持つ日本の文化、日本人の姿勢は素晴らしいです。将来は、サステナブルのコアな部分を引き続き追求し、本物であることを確立したいです。コスメ業界の中で、誰もが知っている、このカテゴリーで認知されているブランドに成長させたいと思います。それは製品というだけではなく、その中身が真剣なサステナブルなブランドとして位置付けられることです。

(聞き手:福崎明子)

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