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盆栽を“着る”という発想 小木“POGGY”基史と小島鉄平が語る「ワイルドサイド」×「トラッドマンズ ボンサイ」

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TRADMAN’S BONSAI小島鉄平、小木“POGGY”基史

Image by: FASHIONSNAP

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TRADMAN’S BONSAI小島鉄平、小木“POGGY”基史

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 ヨウジヤマモトのコンセプトプロジェクト「ワイルドサイド ヨウジヤマモト(WILDSIDE YOHJI YAMAMOTO)」が、盆栽を現代のカルチャーとして再提示する「トラッドマンズ ボンサイ(TRADMAN’S BONSAI)」との初のコラボレーションを実現した。同コラボは、単なる異業種同士の意外な出合いではない。盆栽は“鑑賞するもの”であると同時に、“着るもの”にもなり得る──そんな新たな視点を提示するコレクションだ。今回、コラボを記念して「ワイルドサイド ヨウジヤマモト」のコラボレーションキュレーターである小木“POGGY”基史と、「トラッドマンズ ボンサイ」のプロデューサーである小島鉄平に、両者の関係性からコレクションの制作背景、そして盆栽の新たな可能性について語ってもらった。

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⎯⎯まずは、今回のコラボが実現した背景を伺う前に、お二人の関係性から教えていただければと思います。

小木“POGGY”基史(以下、小木):きっかけは、現代アーティストのダニエル・アーシャム(Daniel Arsham)なんです。彼とは10年以上の友人なのですが、ある日、「日本人の盆栽アーティストとコンタクトを取りたいんだけど、連絡先を知っているかな?」と急に連絡が来たんです(笑)。僕自身、小島さんが盆栽の魅力を新たな形で発信する素敵な活動をされていることは存じ上げていたのですが、面識はなかったので思い切ってインスタグラムでDMを送ってみたんです。

小島鉄平(以下、小島):たしか、5年ほど前のコロナ禍のタイミングですね。もちろん、僕もPOGGYさんのことは存じ上げていて、それ以前からイベントやパーティーなどでお見かけはしていたのですが、なかなかお声がけする機会がなくて。なので、DMが来た時は「え、POGGYさんからDM!?やばっ」と、すぐに返信したのを覚えています(笑)。

小木:その後、アーシャムが「ポルシェ(PORSCHE)」とコラボして盆栽をテーマにした作品“Bonsai 356”を制作したのですが、そのレセプションを「トラッドマンズ ボンサイ」のギャラリー(埼玉某所にあり、当時はスタジオ)で開催させていただいたんです。

小島:ファッション業界を中心とした“ポルシェ乗り”の方々が大勢いらっしゃってくださり、あの日を機に交流の輪が一気に広がり、いまでも皆様とは仲良くさせていただいていますね。

小木:それから僕も盆栽に魅了されて購入させていただいていますし、個人的に「江口洋品店 江口時計店」に通っているのですが、小島さんが江口さんと昔からの知り合いで。

小島:偶然なんですけど、江口さんは地元の先輩なんです。

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⎯⎯公私に渡る間柄なんですね。それでは、今回のコラボについてお伺いしたいのですが、どのような経緯で実現したのでしょうか?

小島:最初にお話をいただいたのは2年ほど前ですね。本格的に動き出したのは、2025年に入ってからだったと思います。

小木:コラボレーションキュレーターである僕が「ワイルドサイド ヨウジヤマモト」と「トラッドマンズ ボンサイ」の橋渡しとして企画を進めさせていただきました。

小島:本当に光栄な話でした。僕は、1人でも多くの方々に盆栽の魅力を届けたいという思いで活動しているので、すごく大きな一歩だと感じています。これまでも、さまざまなブランドさんとコラボさせていただきましたが、いい意味で異色というか。

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小木:話を進めていく中で、頭に浮かんだのが“夜に鑑賞する盆栽”です。「トラッドマンズ ボンサイ」のギャラリーでは、夜に盆栽を鑑賞しながらお酒を楽しむイベントがあるのですが、それまで盆栽は昼に鑑賞するものだと思っていた固定観念が覆されるくらい、本当にカッコよくて。それで、ヨウジヤマモトらしい黒の世界観と盆栽のシルエットをベースに企画を練っていきましたね。

小島:「トラッドマンズ ボンサイ」のギャラリーは、夜の盆栽鑑賞がメインなのですが、シルエットやラインをデザインとして落とし込む発想は僕らでは思い付かなかったので、とにかく新鮮でした。

盆栽
盆栽
盆栽
盆栽

⎯⎯コラボコレクションを制作するにあたり、ある盆栽をメインモチーフとしているそうですね。

小島:「トラッドマンズ ボンサイ」では、これまでに数千鉢の盆栽を管理・販売してきましたが、その中でも僕自身が一番気に入っている鉢をモチーフとさせていただきました。それが、ここにある「501」です。樹種は、「盆栽は五葉松にはじまり五葉松に終わる」という格言もある王道の五葉松で、樹形も皆さんが思い描く“ザ 盆栽”ですよね。それに、樹齢が特別長いわけでも、ものすごく高価な鉢というわけでもないのですが、僕が盆栽の世界に入ってから初めて購入した思い入れのある鉢で、ずっと手放さずに管理しています。

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⎯⎯「501」というと、「リーバイス®(Levi's®)」が思い出されますね。

小島:まさに、そこから名付けました。少し昔の話をさせていただくと、実は盆栽業界の前はアパレル業界で働いていて、特に古着が好きだったんです。このきっかけは、小学生の頃に父親から譲り受けた「リーバイス®」の「501® 66」でした。それから趣味で盆栽を続けながらヴィンテージの世界にのめり込み、古着屋のバイヤーとして海外へ買い付けに行ったところ、あるお店で「お前、日本人だろ?俺たちの盆栽はカッコいいぞ」と見せられた鉢が、盆栽の“侘び寂び”や美学からかけ離れたものだったんです。

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 その時、「本物の盆栽を世界に伝えたい」と強く思い、「トラッドマンズ ボンサイ」を設立するきっかけにもなりました。その後、この鉢を手に入れた時に“定番だけれども、これ以上ない王道な樹形”に「リーバイス®」の「501®」と同じ魅力を感じて、リスペクトの意味を込めて同じ名前を付けさせていただいたんです。今日まで約10年ほど管理してきてようやく様になり、五葉松は「御用(を)待つ」という語呂で“縁起木”としても知られているので、今回のモチーフに採用させていただきました。

ネクタイ

 それと、「501」に加えて「トラッドマンズ ボンサイ」を象徴する盆栽の「真柏」(枝が枯れ、幹が白骨化したミヤマビャクシンの盆栽)も一部モチーフに採用しています。樹齢は、「501」が約80年、「真柏」が約350年ですね。

ジャケット
ジャケット
ジャケット
ジャケット
ジャケット
ジャケット
ネクタイとTシャツ
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⎯⎯コレクションは、「501」や「真柏」をデザインとして落とし込んだスーベニアジャケット、テーラードジャケット、ドローストリングパンツ、盆栽プリントシャツ、盆栽刺繍Tシャツ、盆栽刺繍ネクタイの全6型ですが、この構成はPOGGYさんのアイディアだったのでしょうか?

小木:テーラードスタイルが感じられつつ、スタッフの皆さんが作業中でも着られるアイテムをそろえたくて、話し合った結果この6型に落ち着きました。スーベニアジャケット、テーラードジャケット、ドローストリングパンツは、裏地に「501」を総柄のジャガード織りであしらっています。特に、スーベニアジャケットはリバーシブル仕様で、総柄がパッと見では盆栽と分からないカモ柄のような表情で気に入っています。

キーヴィジュアル

Image by: WILDSIDE YOHJI YAMAMOTO

小島:これまでの「トラッドマンズ ボンサイ」とブランドのコラボは、ストリート寄りのスタイルが多かったのですが、今回のコラボは着るだけでワイルドサイド ヨウジヤマモトの雰囲気が出るんですよね。僕とうちのスタッフがモデルを務めたキーヴィジュアルを見てもらえれば分かると思います。孫にも衣装じゃないですけど(笑)、すごくそう感じました。ドローストリングパンツも、作業で使うハサミやピンセットを収納できるポケットが付いていて、がっつり盆栽の作業をしたあとでもジャケットを羽織ればそのままパーティーに行けるような、ドレス感と作業着としての機能性が同居したアイテムになっています。

人物
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小木:あと、ネクタイは僕自身ヨウジヤマモトの刺繍入りのモノをいくつか持っているので、そこから着想を得て盆栽の刺繍入りを提案させていただきました。

小島:ネクタイは、ありそうでなかった「トラッドマンズ ボンサイ」として初のアイテムです。本当に気に入っていて、ある意味で今回のコラボの真骨頂。結婚式に出席する時などには絶対に着けていこうと思っています(笑)。

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⎯⎯コラボをやる意味を明確に打ち出せたわけですね。

小島:最初の打ち合わせで「ワイルドサイド ヨウジヤマモト」の皆様に「盆栽について分からないことがあれば、何でも聞いてください。そして、いつでもギャラリーに来てください」とお伝えしたところ、実際に何度も足を運んでくださったんです。一から盆栽のことを勉強して理解に努めてくださったからこそ、今回の発想やデザインが生まれたのだと思いますね。

小木:ヨウジヤマモトは今でも手作業でパターンを引いたりしていて、盆栽も人による手入れが不可欠で、どちらも手仕事だからこそ成り立ったコラボだと改めて感じます。以前、小島さんと初めてお酒を酌み交わした時、コラボが多い時代だからこその相談をいただいたことがあり、「伝えていく芯がブレないからこそ、それを広めるため、知ってもらうため、コラボはした方がいい」と意見させていただきました。もし、昭和の時代に盆栽のTシャツが販売されていたら違和感を抱いていたかもしれませんが、いまではなんら不思議ではない。盆栽を“着たくなる文化”として受け取れる価値観へとアップデートしてきたのは、簡単な道のりではなかったと思います。そしてここ数年、「なぜ、自分は日本のファッションを楽しめていなかったのか」というマインドの変化もあり、盆栽のような日本の伝統文化を正しい形で世界に発信していくことの重要性を強く認識していますね。

小島:これまで自分たちなりに続けてきた、盆栽の世界への発信の仕方が間違っていなかったからこそ、今回のコラボにつながったと同時に、盆栽は無限の可能性を秘めていると感じますね。

エディター&ライター

Riku Ogawa

WWDとHYPEBEAST出身でプレミアリーグのアーセナルを応援する、食道楽のエディター&ライター。お仕事のご連絡は各種SNSのDMまで。

最終更新日:

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