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「女性の複雑性や多面性を描きたかった」、シュシュ/トング25年秋冬は幅広い女性層を虜に

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SHUSHU/TONG2025年秋冬コレクション

Image by: シュシュ/トング

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「女性の複雑性や多面性を描きたかった」、シュシュ/トング25年秋冬は幅広い女性層を虜に

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SHUSHU/TONG2025年秋冬コレクション

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 2019年秋冬に東京でファッションショーを開催して以来、日本でも馴染みのある中国発ブランド「シュシュ/トング(SHUSHU/TONG)」。ブランド創設から1年後に立ち上がったLABELHOOD内で、毎回ショーを行い、いまでは10年キャリアのトリを飾るブランドとなった。パンデミックを除いて2018年頃から見ている筆者が感じる彼らの成長は凄まじい。2018年当時、すでにショー会場には多くのファンが詰め寄せる中、オーディエンスのひとりにシュシュ/トングへのイメージを聞くと「可愛すぎる。こんな若年層向けのブランドだとビジネス的に続かないんじゃないか」と辛辣なコメントが返ってきたことを覚えている。しかし、そんな悲観的な意見とは裏腹に、シュシュ/トングはブランド規模を順調に広げ、ドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)全店舗で展開しているほか、「アシックス(ASICS)」とのコラボレーションシューズの発表、そして2022年には上海のラグジュアリーショッピングモール「JC Plaza」に隅々までインテリアを施した実店舗をオープンした。エントランスに「メゾン マルジェラ(Maison Margiela)」、「マルニ(MARNI)」、、「ジル サンダー(JIL SANDER)」などラグジュアリーブランドが店を構える中、2階のエスカレーターを上がってすぐに見えてくるシュシュ/トングのショップには連日絶えず、インフルエンサーが訪れている。

 そんな10年ブランドの風格を表すかのように、2025年秋冬コレクションショーの会場にはブランド創設当初からファンなのであろう30代のオーディエンスも多く、またウィメンズブランドであるが装飾的なアイテムやアクセサリーを取り入れたスタイリングのメンズのファンも多く見られた。いまにも崩れ落ちそうに積み上がった本の写真をインビテーションとした2025年秋冬コレクションのタイトルは「Mutual Reference」。日本語訳すると「相互参照」と訳せるコレクションの起点となったのは、これまでも数々のインスピレーション源となってきた写真家のダイアン・アーバスによる「一卵性双生児」を写した写真。全体のインパクトに目がいく写真だが、よく彼女たちの表情を見ると異なる表情でこちらに眼差しを向けている。そこに着目したシュシュ/トングは、ひとつの細胞から生まれた同じようで異なる彼女たちの成長の過程を想像したフィクショナルなストーリーを展開。成長するなかで、2人で1つだった彼女たちがもしかすると自身の自己認識に気がつき、独立して別の道を歩むことだってあるかもしれない。そうしたイマジネーションは、現実社会における女性のエンパワーメントとも共鳴する部分があるとシュシュ/トングはいう。

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 まるで彼女たちが使わなくなった思い出の部屋のように、色褪せた壁で覆われた会場では、ショーが始まる前から多くの来場者がSNS用の写真や動画を撮影し賑わいを見せていた。ファーストルックの登場から最後まで一貫して、これまでのコレクションでシグニチャーとして大胆に施されたリボンやフリルなどガーリーなモチーフは控えめで、全体的にレイヤードとロンググローブをポイントに今までの少女らしさから少し大人びた印象を描いていたように思う。コレクションノートにも「女性の複雑性や多面性を描きたかった」と記してあったが、今までガーリーで可愛い印象があったシュシュ/トングのイメージをアップデートするコレクションになるのだろうと次々と登場するルックを見ながら感じていた。

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SHUSHU/TONG2025年秋冬コレクション ファーストルック

Image by: シュシュ/トング

 その中でも、もちろんパフスリーブのジャケットやスクエアネックのドレス、リボンを施したレースドレスなど今までのシュシュ/トングらしさを形成したガーリーなスタイルも登場していたが、サイクリングパンツやブルゾンなどのスポーティなアイテムにより新鮮さをプラス。さまざまな人物像を想像するようなモデルの片手には、花束やバケット、新聞、サリー・ルーニー著書の「美しい世界はどこに」などが詰め込まれたミニバック。バッグにつけられたレトロなビーズのアクセサリーが煌めきを放っていた。

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 カラーパレットには、彼女たちが成長していく世界を描くようにブラウンやオリーブグリーンなどのアースカラーが展開。しかしそこにミントグリーンやピンク、オレンジ、レッド、ヴィヴィドなグリーンなどポップなカラーを差し込むのがシュシュ/トングらしさと言えるだろう。デザイナーのシュシュ(SHUSHU)とトング(TONGTONG)が歩んできたこの10年間を振り返ると、まさに着想源ともなった双子のように2つ視点が交わった強固な1つの形とも言えるのかもしれない。その一方で、いまあらゆる年代層の女性たちを虜にしている世界的なブランドがあるなか、シュシュ/トングは今回のコレクションを経てどのように成長していくのか。中国発のブランドとして、ここからさらに10年拡大していく彼らの姿がより一層気になったコレクションとなった。

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SHUSHU/TONG 2025年秋冬

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アーティストコーディネーター/ファッションライター

Yoshiko Kurata

1991年生まれ。国内外のファッションデザイナー、フォトグラファー、アーティストなどを幅広い分野で特集・取材。これまでの寄稿媒体に、FASHIONSNAP、GINZA、HOMMEgirls、i-D JAPAN、SPUR、STUDIO VOICE、SSENSE、TOKION、VOGUE JAPANなどがある。2019年3月にはアダチプレス出版による書籍『“複雑なタイトルをここに” 』の共同翻訳・編集を行う。2022年にはDISEL ART GALLERYの展示キュレーションを担当。同年「Gucci Bamboo 1947」にて日本人アーティストniko itoをコーディネーションする。

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