「ア コールド ウォール(A-COLD-WALL*)」は、「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」で経験を積んだ、イギリス人デザイナー、サミュエル・ロス(Samuel Ross)が2015年に創業したメンズブランド。「ナイキ(Nike)」「コンバース(CONVERSE)」「マッキントッシュ(MACKINTOSH)」などのビッグブランドとのコラボアイテムも続々と発表している。2018年には「LVMHプライズ」「ANDAMファッションアワード」のファイナリスに選出された。
A-COLD-WALLのコレクション
サミュエル・ロス
Samuel Ross
サミュエル・ロスは、労働者階級の人たちが多く住むイギリス・ノースハンプトンで育つ。サミュエルの父はセントラル・セント・マーチンズでファインアートを専攻し首席で卒業し、ステンドグラスを補修する仕事をしていたり、母は心理学や文理学、カルチャーについて教えたりなど、互いの毛色は違えどアーティストのようなバックグラウンドがあったことから、グラフィックデザインに自然と興味を持つようになる。
幼少期から絵を描くことが大好きだったこともあり、大学ではグラフィックデザインを専攻。卒業後はグラフィックデザインに携わる会社に就職する。ストリートアートや楽曲など、個人的にさまざまな名義で活動していた制作物のひとつがヴァージル・アブローの目に留まり「オフ-ホワイト」で働きはじめる。2015年1月に「ア コールド ウォール」を始動し、同年8月に約4年間携わった「オフ-ホワイト」を離れる。2018年に「LVMHプライズ」「ANDAMファッションアワード」のファイナリスに選出される。同年、姉妹ブランド「ポリシーン・オプティクス(POLYTHENE* OPTICS)」を始動。家具と彫刻を展開する「コンクリート・オブジェクト(Concrete Object)」なども手掛ける。
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目次
- BRAND CONCEPT -
インスピレーションのひとつは、イギリスの階級社会
「A-COLD-WALL」2021年秋冬コレクション
「ア コールド ウォール」のコレクションは、サミュエル・ロスの人生経験やイギリスの階級社会、建築などにインスパイアされている。ブランドのアイコニックなディテールは、過程や背景まで連想させるダメージ加工、コンクリートをイメージした染めなど。
また「マーケットの動きをプロダクトデザインに反映させること」も理念のひとつにしており、カジュアルな素材で作るフォーマルなアイテムや、アーティスティックなグラフィックをのせたウェアを意識的に制作している。その背景には「ストリートウェアを楽しむ人々が、より洗練されたスタイルを好むようになってきた」という、顧客の年齢層やキャリアアップの変化も関係している。
- COLLABORATION -
ナイキ、マーチン、マッキントッシュ…多彩なコラボアイテム
DR. MARTENS × A COLD WALL COLLECTION Image by DR. MARTENS × A COLD WALL
「ア コールド ウォール」は、ビックブランドとのコラボレーションの話題も豊富だ。過去には「ナイキ」の「エアフォース1」や「ドクターマーチン(Dr.Martens)」の「1460 8ホールブーツ」、「マッキントッシュ」のステンカラーコートを再解釈したアイテムを発表。「オークリー(OAKLEY)」との限定コレクション「OAKLEY BY SAMUEL ROSS」なども手掛けている。
- BRAND NAME -
ブランド名の由来は「階級の異なる2人の子ども」
ブランド名は、労働者階級と資本家階級、2人の異なる階級の子どもの感覚に由来している。労働者階級の子どもにとって"冷たい壁(COLD WALL)"は、硬くてコンクリートのようなものをイメージするが、資本家階級の子どもにとっては大理石の壁だったり高級感があるものだったりを思い浮かべる。階級により認識が異なるキーワードへの深い興味が「ア コールド ウォール」命名のきかっけになった。
- PERSON -
ヴァージル・アブローから学んだこと
2012年に創業した「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー」の黎明期を支えた人物でもあるサミュエル・ロス。ヴァージル・アブローからは「何かに対して反抗することや、仕事に没頭して時間を割くことがいかに大事か」という精神的なことを学んだという。またビジネス面でも影響を受けており「ただのデザイナーであってはいけない、どうやって成功するか、どういう形で物を売るか。クリエイションやデザイナーという枠を超えて、計画や戦略といったことも含めて考えるようになった」と過去のインタビューで語っている。
サミュエル・ロスは、姉妹ブランド「ポリシーン・オプティクス」や家具と彫刻のレーベル「コンクリート・オブジェクト」なども手掛ける、若き起業家でもある。
- SHOP -
取り扱い店舗は、伊勢丹メンズ館
「ア コールド ウォール」のコレクションは、伊勢丹メンズ館、セレクトショップの「ユニオン トーキョー(UNION TOKYO)などで取り扱う。
- NEW COLLECTION -
2022年春夏は、身体を包み込む彫刻のようなアプローチ
「A-COLD-WALL」2022年春夏コレクション
2022年春夏のキーワードは、“Motion. Form. Oscillate. Converge”。繭のようなシルエットのコートやポンチョ、マスクなどの身体を包み込む新たなシルエットでコレクションを構築した。建築家ル・コルビュジエ(Le Corbusier)の作品からインスピレーションを得たウェアも登場。「マッキントッシュ」「ロア(ROA)」などとの新たなコラボアイテムも発表された。
主要年表
【2020年】
「ドクターマーチン」とのコラボブーツを発売。
【2019年】
「ドーバー ストリート マーケット ギンザ(Dover Street Market Ginza)」の一般向けのイベント「オープンハウス」の参加ブランドとして来日。
「インターナショナル・ウールマーク・プライズ(International Woolmark Prize」2020年度ファイナリストの10組に選出。
「ディーゼル(DIESEL)」のコラボレーションプラットフォーム「ディーゼル レッド タグ(DIESEL RED TAG)」とのコラボアイテム20型を発売。
【2018年】
「LVMHプライズ」ファイナリストに選出。
「ANDAMファッションアワード」ファイナリストに選出。
「オークリー」との限定コレクション「OAKLEY BY SAMUEL ROSS」を発売。
「ナイキ」の「エアフォース1」をベースにしたコラボスニーカーを発売。
【2017年】
「ア コールド ウォール」を創業。
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