中目黒のヴィンテージショップ「ジャンティーク(JANTIQUES)」を立ち上げた内田文郁(ウチダ フミカ)が2014年にスタートしたウィメンズブランド。「アイデンティティのある女性のための服」をブランドコンセプトに掲げ、古くからあるモノの良さを生かすというヴィンテージの考えを取り入れながら、時代を経ていく中でも、新しい発見や着たいと思えるつくりの良さを感じられるものづくりを目指している。
FUMIKA_UCHIDAのコレクション
1979年生まれ。2005年に夫・内田斉と共にヴィンテージショップ、「ジャンティーク(JANTIQUES)」を中目黒にオープン。バイイングなどの経験を経た後、2014年にウィメンズブランド「フミカ_ウチダ(FUMIKA_UCHIDA)」をスタート。2018年にはブランド初となる路面店を本郷三丁目にオープンした。
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目次
- BRAND CONCEPT -
「アイデンティティのある女性の為の服」
2014年にスタートしたウィメンズブランド「フミカ_ウチダ(FUMIKA_UCHIDA)」。デザイナーの内田文郁は、サンタモニカ(Santa Monica)のバイヤーを経て、2005年に夫とともにヴィンテージショップ「ジャンティーク(JANTIQUES)をオープン。ジャンティークでオリジナルデニムを作ったのを機に、自分でものを作るということへの好奇心が勝り、自身のブランドスタート。服飾学校に通った経験はなかったが、多くの人の支えもあり2014年秋冬にデビューコレクションを飾った。
「アイデンティティのある女性の為の服」をコンセプトに掲げ、着た時の気分や雰囲気を大切にしながら、長年培ってきたヴィンテージの良さを取り入れたアイテムを提案している。「新しいニュアンスや女性像を生み出しながら、いつの時代でも何かの新しさを感じら れ、いつまでも愛されるものつくりをしていきたい」とデザイナーは語る。
- CHARACTERISTIC ITEM -
フミカ_ウチダを象徴する「テーラードジャケット」
ブランドのアイコニックな存在として毎シーズン発表しているのが、テーラードジャケットだ。「自分にとって特別な時に着る服は、ドレスではなくジャケットやセットアップ。その女性像を貫きたい」とデザイナーが語るように、ブランドにとって欠かせないアイテムのひとつ。デザイナーはテーラードの魅力について「表生地はもちろん大切ですが、それと同じく、もしくはそれ以上に内側の構造や縫製が重要だと思います。そういった部分もテーラードに惹かれる理由の一つです」と語っている。
2021年冬春/CUT-OUT JACKET
Image by FASHIONSNAP
- HIGH QUALITY -
デザインの軸となる「建築的な層構造」と「未完成さ」
「表と裏ということではなく、奥行きのあるデザインを目指していきたい」と語るデザイナーは、ディテールの重なりによってアウトラインを作り出す事を意識しながらデザインしているという。
また、着る人によって変化する余地を持った服を理想としており、"未完成且つ、危なっかしい服"がブランドらしさを表現していく上で重要なポイントだという。2019年秋冬コレクションでは、裾を織り上げてショート丈でも着用できるノースリーブコートを発表。スタイリングによって様々な着こなしができるコートは、正に"変化する余地"を楽しむことのできる1着となっている。
2019年秋冬/CUT_SLEEVECOAT
Image by FASHIONSNAP
-WHO TO WEAR-
自分自身のスタイルに染める人に着て欲しい
「ブランドの提案を超えて、自身のスタイルに染めて欲しい」と話すように、ルックで提案するコーディネートは世界観を表現する為には必要だが、それだけが正解ではないとデザイナーは考えている。ワードローブの服と組み合わせながら、自分なりの着こなしと価値観で楽しんでみて欲しい。
- SHOP -
登録有形文化財のレトロな建物を活かした直営店
2018年にブランド初となる直営店を本郷三丁目にオープン。薬学研究所として建てられ、登録有形文化財にも指定されているレトロな建物の雰囲気に惹かれたデザイナーは、この場所に店舗を構えることを決意。教育や研究機関が多い文京区は、「流行だけでは終わらせず、長く愛用してもらえる物作りを追求する」というブランドのビジョンともマッチしたという。
建物本来の良さを活かす為、壁のキズや使用感はそのまま残し、あえて未完成のままオープンした。外国人の設計士が当時手掛けたという同ビルは、交差点の角に合わせて設置されたエントランスや天井の高さから、どこか異国のような空気感を店内から感じることができる。ショップオープンに合わせてオフィスやプレスルームも同ビル内に移転し、本郷三丁目を拠点にブランドの歴史を紡いでいく。
- PERSON -
ブランドと関係が深い人物はフォトグラファーのオザワキヨエ
デザイナーはブランドと関係が深い人物として、国内外の雑誌などで活躍するフォトグラファーのオザワキヨエを挙げている。ブランドを立ち上げた頃からシーズンルックの撮影を担当しており、ブランドの世界観を構築する上で欠かせない人物だ。
2017年春夏コレクションでは、ニューヨークでの撮影を計画し、現地に住む友人をモデルにルックを撮り下ろした。デザイナーは「友人の自宅や、マンハッタン、地下鉄など歩き回りながらロケハンをして、多くの時間で話をしたことは 今でもよく思い出します」と当時を振り返る。お互いが物作りへの理解が深いからこそ、常に意見交換をしながら新しいイメージ作りに挑戦している。
2017年春夏コレクション
Image by FUMIKA_UCHIDA
- 2022SF collection -
初めてスタイリストを入れてルックを撮影、最新 2022年夏秋コレクション
「Support(固定する)」と「 Correct(矯正する)」にフォーカスした2022年夏秋コレクション。これまでスタイリングはデザイナーが担当していたが、今回初めてスタイリストを入れてルック撮影を行ったという。「スタイリストの木村真紀さんがチームに入ったことで、どのルックも面白く、客観的に服を⾒れたことが新鮮でした」とコメントしている。
- FAVORITE ITEM -
着方や性別含め、型にはめずに着てもらいたいボンテージサスペンダー
今シーズンのデザイナーのお気に入りアイテムは、紐だけで表現したボンテージサスペンダー。「 全ての⼯程が型にはハマらないものだったので、 着方や性別含め、型にはめず⾝に付けてもらいたいものになりました」とアイテムの魅力について説明している。
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主要年表
【2021年】
春夏、秋冬ではなく「夏秋」「冬春」の区切りでのコレクション発表に切り替える。
【2020年】
Tシャツブランド「タンタン(TANGTANG)」の2020年秋冬コレクションで、フミカ_ウチダとのコラボレーションTシャツを発売。
【2019年】
青山のセレクトショップ、スーパー エー マーケット(SUPER A MARKET)に期間限定ショップをオープン。ストアエントランスにゆっくりと買い物ができるカフェスペースが登場するなど、直営店とはまた違う魅力が味わえるショップとなった。
【2018年】
本郷三丁目の登録有形文化財に指定されている建物内に、ブランド初となる直営店をオープン。ヴィンテージに通ずる「古くからあるモノの良さを生かす」という考えの元、内装は大幅に改造するのではなく、天井の傷が入った部分もそのまま残しておくなど、あえて未完成の状態でオープンした。
また、大阪のビオトープに期間限定ショップがオープン。2018年秋冬コレクションのアイテムや別注のブランケットポンチョなどを展開。
【2016年】
白金台のビオトープに期間限定ショップをオープン。デザイナーがコレクションしてきたアンティーク家具、花器を配した空間で、2016年秋冬コレクションのウェアを展開した。
【2014年】
ウィメンズブランド「フミカ_ウチダ」設立。
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