「ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)」出身のパタンナー小林祐と、「サポート サーフェス(support surface)」で企画、生産、デザインを経験した安倍悠治のデュオによるメンズブランド「イレニサ(IRENISA)」。2020-21年秋冬シーズンにデビューした。「TOKYO FASHION AWARD 2023」に選出。
IRENISAのコレクション
Yu Kobayashi

1984年神奈川県出身。文化服装学院を卒業後、「ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)」でパタンナーの経験を積む。その後2018年、東京を拠点に活動するデザイナーデュオとしてdo-si LLCを設立。2020-21年秋冬コレクションより、「イレニサ(IRENISA)」をスタート。
Yuji Abe

東京都出身。文化服装学院卒業後、「サポート サーフェス(support surface)」で企画、生産、パターン、デザインとブランド運営にまつわる幅広い分野を担当した。その後2018年、東京を拠点に活動するデザイナーデュオとしてdo-si LLCを設立。2020-21年秋冬コレクションより、「イレニサ(IRENISA)」をスタート。
目次
- MAIN SHOP -
メンズの高感度セレクトショップが主な取り扱い
イレニサのアイテムを取り扱っているのは主に、ストゥディオス(STUDIOUS)やザ トウキョウ(THE TOKYO)、プラスエイティワン(+81)、大阪や名古屋のガーデン(GARDEN)、岡山のカサノヴァ アンド コー(CASANOVA&Co.)といった、メンズの高感度セレクトショップ。オンラインではF/STOREでも取り扱っている。
>>ほか取り扱い店舗一覧(2022年9月21日時点)
>>F/STOREでアイテムを見る
- CHARACTERISTIC ITEM -
「イレニサ」を代表するハイウエストパンツ



イレニサを代表するのが、立体的なウエストベルト構造のハイウエストパンツ。ウエスト周りとウエストベルトから続きた脇タブを二重構造にすることで、履いた時にウエストベルトが立体的な見え方になるようにデザインされている。脇のタブによって約10cmのサイズ調整が可能なので、腰の位置でもハイウエストの位置でも綺麗なシルエットで着用できるのが特徴だ。デビューシーズンより継続している定番のボトムスで、毎シーズン素材を変えて提案している。
- DETAIL -
誰が着ても肩が収まるパターン設計の"モディファイトスリーブ"



リバーシブルスタンドカラーハーフコート
Image by IRENISA
全 3 点
ハイウエストパンツに加え、ジャケットやシャツといったメンズ服の定番とされている型やディテールを2人の視点で変化させ、長く着られる服を提案しているイレニサ。そんなイレニサを象徴するパターン設計が、"モディファイトスリーブ"だ。モディファイトスリーブは、誰が着ても肩が収まるパターン設計で、「袖の構造は、前からはセットインスリーブの見た目になっていて、袖が落ちる構造原理はラグランスリーブの構造を利用し、袖下はドルマンスリーブでパターン設計された変形スリーブです」と解説。同じサイズのジャケットを、185cmの男性でも155cmの女性が着ても綺麗に収まるのだという。
>>商品詳細ページ (モディファイドショールカラージャケット|リバーシブルスタンドカラーハーフコート)
- NEW COLLECTION -
キーカラーは朱色、2022年秋冬最新コレクションの特徴

2022年秋冬コレクションより
2022年秋冬コレクションでは朱色をキーカラーに、全てオリジナル生地で制作したコレクションを展開。繊細なシルクウールのシャツや、"モディファイトスリーブ"を採用したコートやジャケットなど、職人技が感じられる縫製仕様のアイテムが揃う。安倍と小林は最新コレクションについて「私たち自身でパターンを弾いて、フォルムや細かい仕様までデザインされています。実際に手に取ることで、生地やパターン、加工、仕様まで見ていただけたらと思います」とコメントを寄せている。
- FAVORITE ITEM&LOOK -
2022年秋冬、デザイナーのお気に入りアイテムとルック





REVERSIBLE STAND COLLAR HALF COAT
全 5 点
特にお気に入りのアイテムとして挙げたのが「リバーシブルスタンドカラーハーフコート」。前述の"モディファイトスリーブ"を採用しているほか、生地の端を撚糸されたコードを添わせるようにかがる特殊始末によって、通常のパイピング始末などでは表現できない、繊細なライン表現をすることでリバーシブル仕様が成り立っている。デザイナー自身も「この端コード始末は、世界でもおそらくこの工場でしかできない仕様で、とても繊細な縫製技術を要する職人技で成り立っています。表裏が全く違う見え方になっているので、そこは魅力だと思っています」とコメントしている。
>>商品詳細ページ

2022年秋冬でお気に入りのルック
お気に入りのルックとしてピックアップしたのは、男性モデルがウールポリエステル素材の一重仕立ての軽いラグランスリーブコートの上に、ウールメルトンのスリーブレスコートをレイヤードした1枚。「このルックのコートの合わせは絶妙なバランスで魅せることができている」と語る。
- BRAND CONCEPT -
コンセプトはシックと皮肉を意味する「CHIC WITH SARCASM」

2023年春夏コレクションより

2023年春夏コレクションより
ヨウジヤマモト社出身のパタンナー小林と、サポートサーフェスで企画・生産・デザインを経験した安倍の2人によるイレニサ。「既成概念に捉われない遊び心で、衣服の概念を裏切る。モードの基本を熟知した立体的なデザインに、クラフツマンシップを融合させた新しい衣服。そこに、常識の見え方が変わるきっかけを組み込む。本当に永く付き合える衣服とは何か。未完成の完成とは何かを提案する」をテーマに、服作りを行っている。2022年9月には東京を代表し世界で活躍するブランドになる可能性を秘めたデザイナーとして、「TOKYO FASHION AWARD」の第8回受賞デザイナーに選出された。
ブランド名の「IRENISA」は、会社の設立日である10月23日に由来(1023→イチレイニサン→イレニサ→IRENISA)。「洋服そのものからIRENISAという言葉のイメージを作り上げるようにしたかったので、ブランド名には意味を持たない言葉を選びました」とコメントしている。
- COLLABORATION -
和紙作家をはじめとする様々な作家と毎シーズンコラボ
ブランドではデビュー以降、様々な作家とのコラボを実施。これまでは展示会でのみ公開していたが、2022-23年秋冬コレクションでは京都の和紙作家 ハタノワタル氏とのアートワークを発表した。「私たちがアトリエで洋服の形を試し縫いする過程で出る布の端切れを和紙の間に入れて、和紙作品にしていただきました」。今後はシーズンごとのコラボレーションを一般公開する方針で、アポイント制の自社ショールームで見られる様にする予定だという。


イレニサのショールーム
Image by FASHIONSNAP
全 2 点
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主要年表
【2022年】
「TOKYO FASHION AWARD 2023」受賞。
「サトル ササキ(SATORU SASAKI)」と合同ポップアップストアを出店。
【2020年】
小林祐と安倍悠治のデュオでメンズブランド「イレニサ」を設立。
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