「日常における普遍性の追求」をコンセプトに2018年よりスタートしたメンズブランド。デザイナーの堀内太郎のアイデンティティをシンプルで実用性の高いアイテムに落とし込んだコレクションを展開している。2020年の「タロウ ホリウチ(TARO HORIUCHI)」の休止に伴い、2021年に発表した007thコレクションからウィメンズラインも発表している。
th productsのコレクション

1982年、東京生まれ。2007年アントワープ王立美術アカデミー首席卒業。2010年春夏シーズンにウィメンズブランドの「タロウ ホリウチ(TARO HORIUCHI)」を立ち上げる。2012年第30回毎日ファッション大賞新人賞・資生堂奨励賞受賞。 2018年秋冬コレクションより「ティーエイチ プロダクツ(th products)」をスタート。2020年には「タロウ ホリウチ」を休止し、ウィメンズも「ティーエイチ」に統合し、コレクションを発表している。
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-目次
- BRAND CONCEPT -
やりたいことに素直に向き合い立ち上げた「th products」
2018年秋冬コレクションからメンズブランドとしてスタートした「ティーエイチ プロダクツ(th products)」。デザイナーの堀内太郎のアイデンティティをシンプルで実用性の高いアイテムに落とし込み展開するティーエイチは、世代や年齢問わずファンを拡大し、スタート当初から着実に成長してきた。
ウィメンズウェアのトレンドの流れに寄り添った物づくりを意識せざるを得ない点に、デザイナー自身が違和感を覚えていたこともあり、10年にわたり展開してきたウィメンズブランド「タロウ ホリウチ(TARO HORIUCHI)」を2021年に休止。そして、自分のやりたいことにより一層注力すべく、2021年春夏シーズンからはティーエイチ プロダクツに絞りコレクションを発表している。

Image by th products
- BRAND CONCEPT -
ブランドの軸となる「普遍性の追求」と「ジェンダーレス」
ティーエイチでは時代のムードや鮮度を取り入れたデザインではなく、プロダクトのアップデートという概念に重きを置きながらデザインを行っている。「生地にはじまり、芯地の硬さや柔らかさ、ポケットの深さなどのミリ単位の微調整で表情やクオリティが変わってきます」と堀内が話すように、時間をかけてディテールや風合いを調整していくことで、長い時間を経ても美しいと感じるプロダクトに仕上がっていく。
また、ティーエイチでは男性の為の服、女性の為の服という分け方ではなく「ジェンダーレス」を意識しながらアイテム展開を行っている。これは、デザイナー自身がウィメンズとして展開されているコートやパンツなどを着ることが多かったこと、そしてそれぞれの趣味嗜好で物を選ぶ時代に移り変わってきたことが影響しているという。デザイナーは「常に性が交差するようなもの作りには腑に落ちる感覚があり、それを実践した形です」と話す。

Image by th products
- HIGH QUALITY -
洗練された美しさを持つウールギャバジンのテーラードジャケット
ティーエイチの定番となっているのが、ファーストコレクションから少しずつ改良を重ねながら毎シーズン発表しているテーラードジャケットだ。生地には、細番手の糸を使用し高密度で織り上げたウールギャバジンを使用。毛玉の元となる繊維の表面の"うろこ"を取り除くオフスケール加工を施すことで、黒の濃度を限界まで表現した生地に仕上がっている。更に特殊な溶液に浸す含侵加工を施すことでハリ感がプラスされ型崩れしにくく、長く着用することが可能だ。














Tailored Jacket
Image by th products
テーラードジャケットのベースとなるパターンは、アントワープの空気感を取り入れるため、現地在住のパタンナーに依頼しているという。「テーラードは襟のサイズや角度など細かい部分で表情が変わってきますが、バランス感が独特ですね。どっしりとした重みが新鮮でした」とデザイナーは語る。
また、ティーエイチの001th〜005thシーズンのヴィジュアルは1980年代、1990年代に「マルタン マルジェラ(Martin Margiela)」や「ラフ・シモンズ(Raf Simons)」のヴィジュアルワークを手掛けた写真家のロナルド・ストゥープス(Ronald Stoops)がアントワープで撮影。デザイナーのルーツとも言えるアントワープの人やクリエイションを交えることで、より強くブランドの世界観を構築している。
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th003 collection
Image by th products
- COLLABORATION -
アントワープを代表するストリートショップ「VIER」とのコラボシリーズ
堀内が「ヴィーア(VIER)」のアイテムを愛用していたことから始まったコラボレーションシリーズ「th x VIER ANTWERP」。ヴィーアは「プラダ(PRADA)」や「ラフ・シモンズ(RAF SIMONS)」といったコレクションブランドから、「ステューシー(STÜSSY)」や「シーイー(C.E)」など、独自のセレクトで現代の新しいスケートカルチャーを体現していることから注目を浴びているショップだ。
2018年に発売された初めてのコラボレーションでは、グラフィックデザイナーのスケートシング(sk8thing)にアントワープの街の象徴である大聖堂をモチーフにしたグラフィックの製作を依頼。コーチジャケットやフードパーカー、ワイドパンツにグラフィックを大胆にプリントしたアイテムの他、ヴィーアの定番であるボックスロゴ「ANTWERP」と「th」のロゴが並んだパーカーやTシャツ、キャップなどが販売された。























th x VIER ANTWERP
Image by th products
- PRODUCT -
DAIKEI MILLSと共同で制作したスツールシリーズ
ティーエイチでは、複数の文字を合理的かつ美しく簡略化させる技法「リガチャー(合字)」をコンセプトに、「ダイケイミルズ(DAIKEI MILLS)」と共同でラックやチェア、ミラーなどを制作している。スチール素材でミニマルにまとめられた美しいデザインはどんな空間にも馴染みが良く、長く愛用することが出来る逸品だ。スツールシリーズはブランドの公式HPより受注生産を受け付けている。
































CHAIR
Image by th products
- MAIN SHOP -
過去の人気アイテムも取り扱うブランド初の直営店
2021年8月に千駄ヶ谷小学校近くの「ギャラリーサーティーエイト(Gallery 38)」に併設されるスペースにオープンした、ブランド初となる直営店。店舗と什器デザインは、スツールシリーズと同じくダイケイミルズが担当した。什器には、単管パイプやクランプといった建築現場で使用される素材を使用しており、移動や再利用ができるなど機能性を備えた。「この店舗は移動できるモバイルアーキテクト的な屋台のようなもの。什器の組み立て方次第で、倍の幅や高さのラックを作れたり花瓶を取り付けたりと、用途によって如何様にも変化できる可能性の高い物になっています」と話す。
堀内は「コロナ禍で海外に行けなくなり時間が出来た中で生まれた新しい試みのひとつ。卸ではより新しいアイテムやシーズン性が重視されるが、自分たちのお店はそうではなく、シーズン問わず好きなアイテムを手に取れる場所にできたら」と話しており、過去のコレクションで好評だったアイテムも取り扱っていく。
>>ほか取り扱い店舗一覧(2022年2月18日時点)
>>F/STOREでアイテムを見る


























th直営店
Image by FASHIONSNAP
- 009th collection -
009thコレクションの特徴
今シーズンも継続して歴史上様々な時代のアウトドアやミリタリーウェア、民族服などをリサーチし、都市生活の為のユニフォームを考え製作。マウンテンニットをイメージしたボリュームのあるアイテムに軽さのあるナイロンのミリタリーパンツを合わせるなど、コントラストを付けたスタイリングが印象的なシーズンとなった。

009th collection
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009th collection
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- FAVORITE LOOK -
ウールギャバジンのスーツシリーズがデザイナーのお気に入り
ティーエイチで常に製作し続けているウールギャバジンのスーツシリーズ。デザイナーはアイテムの魅力について「クラシカルでありつつもモダンな現代に寄り添うシルエットと、それを作り出す素材が持つ独特のムード」とコメントしている。








009th
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主要年表
【2021年】
ウィメンズラインを新たに加えた007thコレクションを発表。
【2020年】
「タロウ ホリウチ」を休止し、ティーエイチからウィメンズ展開をスタート。また、「マメ クロゴウチ(Mame Kurogouchi)」と初のコラボレーションコレクション「ティーエイチエムケー(thmk)」を発表。
【2019年】
ティーエイチを運営する株式会社TARO HORIUCHIと、「マメ(Mame Kurogouchi)」を展開する株式会社黒河内デザイン事務所が共同で、より精度の高いコレクションを製作していくことを目的に縫製会社を設立。
ブランドルックを撮影している写真家のロナルド・ストゥープスによる写真展「th presents Ronald Stoops Exhibition "WORK RONALD FRIENDS" 1980s-2018」を神宮前のGallery 38で開催。
【2018年】
堀内太郎がメンズブランド「ティーエイチ プロダクツ(th products)」を始動。
デビューコレクションの発売を記念したインスタレーションをリステアで開催。
アントワープを代表するストリートショップ「ヴィーア(VIER)」とのコラボレーションアイテム「th x VIER ANTWERP」を発売する。
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