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日本はファッション産業後進国、そんな日本で新たな才能を生むために

山縣良和と堀内太郎が対談

左)堀内太郎、右)山縣良和

IMAGE by: FASHIONSNAP

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日本はファッション産業後進国、そんな日本で新たな才能を生むために

山縣良和と堀内太郎が対談

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 「日本はファッション産業後進国」とは「トム ブラウン(THOM BROWNE)」が絶大な信頼を寄せる日本の縫製工場ファッションしらいしの代表取締役 白石正裕の言葉。日本に洋服が入ってきてたかだか150年、職人であり経営者でもある同氏は、日本のファッション産業の発展のため新たな世代とのプロジェクトにも寛容で、私塾ではありながら多くのクリエイターを輩出してきた「リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)」のデザイナー山縣良和が主宰するファッションスクール「ここのがっこう(coconogacco)」のポップアップイベント「cococuri」にも携わる。

 円安などの影響で海外進出のハードルが高くなった今、グローバルで活躍する新たな才能を生むために必要なものは何か。山縣と親交の深い「ティーエイチ プロダクツ(th products)」と「タロウ ホリウチ(TARO HORIUCHI)」のデザイナー堀内太郎を招き、東京・杉並にあるファッションしらいしの工場を舞台にファッション教育の最前線について聞く。

山縣良和
1980年鳥取生まれ。2005年セントラル・セント・マーチンズ美術大学ファッションデザイン学科ウィメンズウェアコースを卒業。在学中にジョン・ガリアーノのデザインアシスタントを務める。2007年4月自身のブランド「リトゥンアフターワーズ」を設立。2012年、日本ファッション・エディターズ・クラブ賞新人賞を受賞。2015年日本人として初めてLVMH Prizeノミネート。 デザイナーとしての活動のかたわら、ファッション表現の実験と学びの場として「coconogacco」を主宰。2016年、セントラルセントマーチンズ美術大学ファッションデザイン学科との日本初の授業の講師を務め,2018年から東京藝術大学で講師を務める。2019年、The Business of Fashionが主催するBOF 500に選出。2021年にはcoconogaccoが毎日ファッション大賞鯨岡阿美子賞受賞。

堀内太郎
1982年東京出身。2007年アントワープ王立美術アカデミー首席卒業。2010年春夏シーズンにウィメンズブランドの「タロウ ホリウチ(TARO HORIUCHI)」を立ち上げる。2012年第30回毎日ファッション大賞新人賞・資生堂奨励賞受賞。2018年秋冬コレクションより「ティーエイチ プロダクツ(th products)」をスタート。自身のブランドの他にMUJI Labo、DESCENTE ALLTERRAIN、ZIPAIR等のプロジェクトにも携わる。

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セントマ、アントワープの違いは?世界の教育機関の特徴

今日は、2人に「教育」を切り口に色々とお話しを伺えればと思っています。coconogaccoを主催する山縣さんは言わずもがな、堀内さんもcoconogaccoで講評をするなど教育に関わっているんですよね?

堀内太郎(以下、堀内):たまによし君(山縣)に呼ばれて伺いますね。

山縣良和(以下、山縣:毎年必ずどこかで来てもらっているかもね。

堀内さんは率直にcoconogaccoについてどう思っているんですか?

堀内:続けていることが素晴らしいですよね。coconogaccoができて、もう15年になるわけで。僕も歳をとったこともあって、年々教育が大事だなと思うようになってきたんですが、よし君はそれに20代で気付いて実践してきたという。本当に尊敬しますね。

山縣:あなたが教育に興味を持つようになる日が来るなんて(笑)。それこそ太郎君が通っていたアントワープ王立芸術アカデミーはデザイナーが先生をしていることが多いんですよね。僕の出身校のセントラル・セント・マーチンズ (Central Saint Martins)では、たまに講師としてデザイナーが来る時はありましたけど、担任として現役バリバリの人がいるということはなかった。coconogaccoを運営していく中で、現役デザイナーが先生をやることの意味と重要性を改めて理解できるようになりました。

堀内:coconogaccoに行くと、僕自身にも良い影響があって。若いデザイナーを目指す人たちと接することで、自分の感覚が少しアップデートされていく感覚があります。教育者目線ではなく、あくまでデザイナー目線ではありますが。だからウォルター・ヴァン・ベイレンドンク(Walter Van Beirendonck)が長くアントワープの先生を務めた理由としては、教育者とデザイナーと言う二つの視点があったと思うんです。ウォルターで言えば、インターンとしてデビュー前のラフ・シモンズ(Raf Simons)やデムナ(Demna)やクレイグ・グリーン(Craig Green)など他にも多くの才能豊かな若者がアシスタントをしていたわけで。それは刺激を受けますよね。

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アントワープとセントマで違いは?

堀内:まずセントマはBAが3年制ですよね。そのあとMasterを2年かけて取得する。

山縣:あと一応4年制もありますね。サンドイッチイヤー(大学休学インターン制度)をとらず3年でBAを終えるか、とって4年で卒業するかを選択できます。

堀内:アントワープはBAとMasterがセットになっていて、4年でMasterを取得できます。だからセントマよりちょっとコンパクト。Master取得後に、学生はインターンに行ったりしていましたね。あと大きな差としては、生徒数が違う。

山縣:そうだね。セントマの方が全然多い。

堀内:アントワープは1年生が60人。それで、2年生で30人に減り、3年生で15人くらいになる。

進級が難しいんですね。

堀内:そうですね。セントマはニットやメンズウェアなど色々な科がありますからね。

山縣:おそらく1学年150人はいると思います。

堀内:当時は卒業制作ショーにも違いがありました。セントマはショーに出られるのは選ばれた人だけ。対してアントワープは全卒業生が作品を発表できました。

山縣:でも最近、セントマの学生が「全員ショーに出られるようにしろ」ってデモを起こしたらしく、今は全員が発表できるようになったみたい。

堀内:人数が多いからすごい時間がかかりそうだね(笑)。

山縣:そうなってしまうから、今は一人2、3体とかしか発表できないらしい。

堀内:それは嫌だね。アントワープは生徒数が少ないから全員できるわけですが、だからこそ一人12体程度はコレクションとしてまとまった形で卒業ショーに出せるから。

日本におけるクリエイション教育とは何か

山縣さんがcoconogaccoで実践しているのはセントマの教えがもとになっているんですか?

山縣:セントマ式ではないですね。

堀内:我流?

山縣:もちろんセントマの影響は受けているんですけど、coconogaccoの立ち上げを決めた時から、単純に西洋のコピーをやっていてはダメだという考えがありました。日本、アジアでファッションを教えるためには、違う形のものでないといけないなと。それは何なんだろうとずっと模索しながら続けています。

立ち上げから15年が経ったわけですけど、「違う形」の何かしらの答えは出ましたか?

山縣:先ほどアントワープとセントマの違いについて話しましたが、前提にヨーロッパ全体の特徴として個人主義というのがあると思うんです。だから、服をデザインする上で制作プロセスをシェアしないんですよ。

堀内:確かに。あ、だからcoconogaccoはプロセスを共有するようにしているんだ。

山縣:そう。ヨーロッパは個人と個人の壁が一定程度あって、結構ピリピリしているんです。僕はセントマしかわかりませんが、アントワープもあるんじゃないかな。僕が通っていた当時は作品が盗まれたり、燃やされたりも結構あったので。

堀内:セントマはその手の話をよく聞くよね。

山縣:ライバル心が強くて生徒たちがバチバチしてるんだよね。だからアイデアを盗まれたりしないように、制作プロセスを見せないようにする人が多い。

堀内:僕の頃のアントワープはコミニティも学校も小さい事もあるのか、みんな仲が良かった気がします。 今でも連絡を取り合う切磋琢磨した友人が各国にいるのは嬉しい事ですよね。

coconogaccoは学生同士が揉めないようプロセスシェアをする、というわけではないですよね?真意は?

山縣:1つの答え、1つのヒエラルキーといったように、画一的で硬直的なものをなるべく作らない構造にしたいからです。講師が受講生にアドバイスをするというだけではなく、受講生同士で意見を言い合うことがとても大事だと考えていて、意見を発しやすい環境、空気をどう作るかみたいなことはすごく意識してやっています。あと、西洋にはしっかりと服飾史がありそれを皆さん勉強してきますが、東洋の、特に明治時代より前の「洋服」が入ってくる前の日本の服飾史や、もっと根本的な物事に触れる機会を作ったり。例えば、能役者の方に来てもらって能の衣装を研究したり、脳科学の研究者の方と対話したりという授業ですね。ファッション以外の人たちとの交流も積極的にしています。

堀内:そう考えると、アントワープやセントマと全然違うよね。

山縣:そうだね。この前coconogaccoにアントワープのブランドン・ウェン(Brandon Wen)新学長やセントマのディレクターであるサラ・グレスティ(Sarah Gresty)教授に来ていただいたとき、アントワープやセントマの方が自由じゃないというようなニュアンスのことを言っていました。両校は大学なわけで、国が定めたノルマや垂直方向のわかりやすい実績も気にしないといけないからどうしても型にはめないといけなくなる部分が少なからず出てくる。coconogaccoはそういうものから解放されているから、両校より自由だと言われたんだと思うんだよね。

堀内:coconogaccoは、ファッションデザイナーっていうよりは「表現者」を育てている感じだよね。

山縣:そうだね。だから、必ずしもファッションデザイナーだけを育てる気持ちでやっていないというか。

ファッションしらいしにあるトム ブラウンの鳩はトムからプレゼントされたもの

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卒業生にはデザイナーはもちろんですが、小石さん(クラインシュタイン代表 小石祐介)みたいな人もいれば占い師になった人もいますね。

山縣:僕はそういういろんな人がいていいと思っていて。自由な空気を作る方が、結果としてクリエイティブなものが生まれる土壌になると考えています。

それが奏功してか、海外のファッションアワードで受賞者を数多く輩出しています。

堀内:coconogacco出身で、今活躍しているデザイナーを挙げようと思うとキリがないくらいいますよね。

「アキコアオキ(AKIKOAOKI)」「トモ コイズミ(TOMO KOIZUMI)」「ソウシオオツキ(SOSHIOTSUKI)」「コトハヨコザワ(kotohayokozawa)」「ケイスケヨシダ(KEISUKEYOSHIDA)」「フェティコ(FETICO)」「ワタル トミナガ(WATARU TOMINAGA)」「ピリングス(pillings)」「イアイ(Iai)」...まだまだ沢山いますね。この15年で学生の傾向に変化はありましたか?

山縣:1つの変化として、コロナの前と後で海外との距離ができたなとは思いますね。

堀内:海外に興味を持たなくなったということ? それとも単純に高くて行けないって意味?

山縣:いろんなものが混ざっている気がする。海外そのものがリアリティじゃなくなったというか。コロナ禍の3年間っていうのは、これからの未来に確実に何かしらの影響を与えるのは間違いない。その上でさらに円が弱くなって、外国に行って勉強するっていうことが、以前より現実的ではなくなってしまった。

山縣さんがセントマに通っていた時代の学費はどれくらいだったんですか?

山縣:年間で100万円ちょっとくらいでした。それこそ文化服装学院と変わらないくらいの金額です。でも今は300万円オーバー。そこに生活費がのるわけですから、日本人からすると大変高額です。

堀内:学費自体も上がっているし、円も安いからダブルパンチだよね。 ちなみに僕が通っていた時のアントワープの学費は年17万円程度でした。 パリやニューヨーク、東京と比べれば生活費も安いですよ。

山縣:ニューヨークのパーソンズ美術大学も為替の影響があって、年間学費が1000万円くらいになっているらしいです。

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coconogacco生の作品をアイロンがけするファッションしらいしの職人

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以前はcoconogaccoを卒業した後、セントマなどに進学する学生も多かったですが、こうした環境下だと、海外留学したいと考える人は減っている?

山縣:coconogaccoにはまだ全然いますね。「セントマに今行くのってぶっちゃけどう思いますか?」と受講生によく聞かれます。今ちょうど「リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)」にセントマからインターンで来ているタイ人の子がいて。その子に聞くと、今年はセントマのインターンの送り先として、10人以上が「フィービー ファイロ(PHOEBE PHILO)」に行ったと言っていました。そういう機会ってやっぱり日本にいたら難しいじゃないですか。だからある一定数は海外志向の受講生はいますね。

堀内:フィービー ファイロはLVMHグループから少額出資を受けているわけで、coconogaccoもLVMHとリレーションができて様々なメゾンなどにもインターン派遣できる様になったら可能性がグッと広がるし、きっと面白いよね。

AI時代に日本で次世代の才能を生み出すことは可能か?

クロキ細尾と、LVMHは日本のメーカーとパートナーシップを結ぶ動きが近年目立ちます。

堀内:その事例とは違うけど海外の企業からしたら、日本は今バーゲンみたいなもの。色々なトライアルもしやすいし、買収なども増えるかもしれませんよね。

フィービー ファイロの話に少し戻しますが、フィービーというトップオブトップのデザイナーが、展示会も行わず卸なしの自社ECのみで展開するという販売方法を採用しました。少しインフルエンサーブランドの座組というか、カリスマ性と知名度、信頼度がないとできない離れ技だなと個人的には思ったんですが。

堀内:利益率も上がるし良い方法だと思うのですが、デザインが入った服を実物を見せずに売るってかなり難しいですよね。知名度がない立ち上げ間もないブランドは、このスキームが機能しないから厳しさはあると思います。この話の流れでよし君に一つ聞きたいことがあるんだけど、AI時代に教育をするってどういうことになっていくんだろう。結局価値はアイデアの起点となるところに生まれると思うけど、アイデアの起点と製品の間にあるプロセスは長期的に考えると全部AIが担うみたいな話になってくるわけで。

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山縣:難しいけど、AIができないプロセスをいかに踏めるかになるんじゃないかな。あと、プロセスを理解すること。

堀内:高いレベルのリサーチ能力とデザイン力を持った人も、デザインを始めて1ヶ月という人も、AIを使えばネットにある過去のデータを全部読み込ませて取得できるわけで、その意味では対等になる。じゃあそうなった時に、何が差をつけると思う?

山縣:プロセスと、あとは何を選択するかじゃないかな。

堀内:例えば3つのワードを選んでものを作ってくださいって言った時の、その3つの言葉の選び方ってことだよね。

確かにプロンプトで差は出そうですね。

堀内:ここで僕が思うのは、最終的にアウトプットされる製品がもし一緒だと仮定したら、それを人に広げ、伝える能力がビジネスでは大事で、結局さっきの話のようにフィービーのようなインフルエンスカやその人自身のカリスマ性が重要ってことになってくる。 でも本質的な知名度、カリスマ性を持っている人は長い時間をかけて実績と蓄積をさせたからこその物で、それを最初から作り出せる人は一握りだよね。だから次世代の人は、コミュニティ形成能力とか、人柄の良さとか、キャラの濃さみたいな非常に原始的で身体的な事で差を生み出す必要があるんじゃないか。 つまりAIが台頭した時代にクリエイションを実践できる人は、多少人とずれたカリスマ性を感じさせる変な人じゃないといけないと思う。でないと違いを生み出せない。

山縣:それはとてもわかる。これまで以上に、世間とずれた人ほど新しいものを生み出せる気がしている。そしてズレをちゃんと許容できる環境っていうのはやっぱり大事なんだと思う。だから、ズレてないでちゃんとしようみたいなことよりも、プロセスを共有して、でもそれを互いに認め合える自由な空間をcoconogaccoでは作っていきたい。整えることはAIの方がもう得意だから。

話をまとめると、効率最適化に適したAIを使うとプロダクトに差が生まれにくくなり、その中で差を生み出すにはズレを持つべき必要があるということですよね。そこで聞きたいのは、このズレというものは教育でなんとかなるものなのでしょうか?先天的にあるものなのか、後天的に養えるものなのか。

堀内:当然、先天的なものは大事ですよね。でも聞きたいこととしては、平凡な人をいかに教育で特別にできるかって話ですよね?

そうですね。日本の初等教育は基本的には平均化を目指すものということもありますし。

山縣:その前提ももう少し深く掘り下げられるんじゃないかなと思います。平凡だと思っているものを真摯に追求したら、オリジナルなものになったというのはよくある話ですし。それに今、ウクライナやイスラエル、そしてパレスチナの状況を見た時に、やっぱり日本という辺境の島国で、この環境っていうのは世界的にも相当特殊だと思う。だからいわゆる平凡だと思ってるものに対しても、本当に平凡なのか、という視点を持つことは大切だと思います。

堀内:話は少し変わるけど、聞いた話ではスター・ウォーズ(STAR WARS)のキャラクターは数千種類あるらしくて。それで近年新キャラを作らないといけないとなったとき、被らないようにするためAIを活用しているそうなんです。今まで作った数千のデータをインプットさせて、そこにない新しいデザインをするって、人間にはとても大変なわけですがAIならあっという間にできてしまう。 多くの大企業の服やスニーカーのデザインの要領も一緒で、新製品を作るときに大量のラフデータを数千出して1つを選ぶ。それをディベロップする人間がいて、フィニッシャーが最終のアウトプットを完成させるという。Alはやっぱり便利なツールで、じゃあクリエイションにおいて人間に何ができるかと言えば、やっぱり最初のドロドロの原液みたいなものをいかに出せるかって話になってくるんじゃないかなと。

山縣:太郎君が講評に来てくれた時に、coconogaccoの受講生がやっていることはそのドロドロの原液の部分を作っているんだよという話をしてくれて。その原液さえあれば、デザインとしてディベロップさせていくことは全然イメージできるよと。今回渋谷パルコでcoconogaccoのポップアップ「cococuri」を開催するんですが、参加する受講生にも同様のアドバイスをしてくれました。

11月21日から開催されるユナイテッドアローズの栗野宏文さんとcoconogaccoがコラボしたポップアップですね。

山縣:はい。栗野さんが選定したcoconogacco受講生の可児真嗣、金子圭太、中村英、松田悠太、馬渕岳大、村尾拓美の6人の作品のほか、オリジナルTシャツやバッグを発売するイベントで、太郎君のほか大月壮士富永航村上亮太山下琴菜横澤琴葉らデザイナー10人がチューターとして参画してくれています。商品設計と製作は、「トム ブラウン(THOM BROWNE)」を作っている縫製工場のファッションしらいしにご協力頂きました。coconogaccoで形作ってきた受講生それぞれのドロドロの原液を、スペシャリストたちと組むことでクオリティの高いプロダクトになったのではと思います。

ポップアップ「cococuri」に参加するcoconogacco受講生の過去作品

金子圭太の作品

Image by coconogacco

堀内:チューターを担当して思ったことは、受講生全員がすごく強いイメージだったり、コンセプトだったり、リサーチソースを持っていて、3体デザイン画を書いてくれれば、それを10体、 20体に増やすことは簡単にできると思ったんです。その方法論をアドバイスしましたね。

山縣:それが一番難しいんだけどね(笑)。でも栗野さんから「coconogaccoの生徒たちの作品をクオリティの高いかたちで販売したい」と話を頂き、最初に頭に浮かんだのが太郎君だった。プロダクトに落とし込むスピードもクオリティも本当に高いから。それを実際に形にするため、栗野さんからの提案もあり、世界でもトップクラスの縫製技術を持つ白石さんにお願いすることになりました。

coconogacco生の作品をソーイングするファッションしらいしの職人

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ポップアップ「cococuri」で学生はそれぞれ何着くらい販売するんですか?

山縣:一人2着くらいになりそうです。基本受注販売で、オリジナルTシャツやバッグだけ即売します。

学生とっては外の世界と接する良い機会になりそうですね。

堀内:それこそ僕も、海外留学から帰国して六本木のミッドタウンの21 21DESIGN SIGHTで「バレンシアガ(BALENCIAGA)」のデムナ(Demna)やミキオくん(MIKIOSAKABE 坂部三樹郎)や中さん(AKIRANAKA 中章)達と一緒にインスタレーションを行ったのが卒業後に最初の外と接する機会で、商品は展覧会の後に伊勢丹新宿店のリスタイルで販売させてもらいました。 その時に実際に商品を売ると言う機会は経験としてもとても大事だと思いました。

このイベントは継続開催する?

山縣:まだ具体的には何も決まってないですね。

堀内:教育が大事である事は多くの人も認識していると思いますし色々な人に協力してもらって、続けられるといいですよね。それこそ他の日本の学校とも連携をとったり?

山縣:実際今もダブルスクールでcoconogaccoに通っている人は多いからね。これからの時代、自分流に学びの場をブレンドするのが良いと思います。

堀内:縫製技術やパターンは服飾学校で学び、ドロドロした原液をcoconogaccoで学ぶと。そうすることで、日本にいながらも面白い物を生み出すクリエイターはどんどん輩出できるのではないでしょうか。そしてAIもあるこれからの時代、僕はドロドロの原液が本当に大事だと思うので、coconogaccoには期待したいし、協力できればと考えています。

(聞き手:芳之内史也)

◾️ポップアップ「cococuri」概要
会期:2023年11月21日(火)〜11月30日(木)
会場:渋谷パルコ1F POP UP SPACE
所在地:東京都渋谷区宇田川町15-1
営業時間:11:00〜21:00

■coconogacco:ホームページ

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