
Image by: FASHIONSNAP
デザイナーのエムケー・リー(MK Lee)が手掛ける「アモーメント(AMOMENTO)」が、2026年プレスプリングコレクションをプレゼンテーション形式で発表した。会場は、東京都指定の有形文化財でもある文京区の「和敬塾本館(旧細川侯爵邸)」。
アモーメントは、韓国で2016年に設立。タイムレスなクラシックスタイルを、節制されたデザインと建築的なシルエットで再解釈したコレクションを展開している。独自の素材開発と繊細なディテールを追求した、着る人それぞれの美学を引き出し、自己表現の手段として機能することを目指した日常着を手掛けている。
2026年プレスプリングコレクションは、日本の昔ながらの「喫茶店」を外部の視点で見つめたことから着想。日本独自の情緒と西洋的な美意識が同居する同空間の興味深さや、喫茶店がもつ「ゆっくりとした時間の流れ」と独自のアイデンティティがブランドの目指す姿と重なったことから、コレクションのテーマに採用したという。
プレゼンテーションでは、英国チューダー様式を基調にインドやイスラーム風のデザインを取り入れた邸宅の室内を喫茶店の店内に見立て、花柄ジャカードの白いテーブルクロスが掛かった丸テーブルと椅子、配膳用のワゴンなどを設置。部屋の奥から男女2人の“ウェイター”がおもむろに現れ、テーブルの上のナプキンやグラス、カトラリーの位置を整えるところからプレゼンテーションがスタートした。
ウェイター役のモデルは、シンプルな白のコットンシャツとポケット付きのハーフエプロンに、女性はショート丈のプリーツスカートとキュロットパンツが重なったベージュのボトムス、男性は杢ブラウンのスラックスをまとった姿で登場。続いて、光沢感ととろみのあるブラックのマキシ丈ドレスを着た女性や、ブラックのジャケットにスカーフ、グレーのタック入りスラックスを穿いた男性をはじめとした“客”が一人ずつ入店して順番に着席すると、頬杖をつきながら物思いに耽ったり、文庫本の小説を読んだり、オーダーしたメロンソーダやケーキを楽しんだりと、思い思いの時間を過ごす様子が繰り広げられた。
コレクションは、黒や白、グレー、ブラウンといったベーシックなカラーパレットを基調とした、ミニマルなデザインのジャケットやシャツ、スラックス、ドレスなどを中心に構成。一方で、異素材や異なるシルエットのレイヤード、シアー素材、タック、持ち手の長い台形や箱型のバッグ、鮮やかな赤などを効果的に取り入れることで、タイムレスでクラシックなスタイルを、現代的かつ独自の美学を備えたスタイルに昇華した。
「アモーメントが捉える“本質的な美しさ”」を表現したという今回のコレクションでは、喫茶店という空間とそこで働き集う人々の日常的な所作や佇まいの美しさ、過ごす時間の豊かさを、五感で感じられる形で体現していた。
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