「透ける」提案が続出、東京ブランドの個性が表れた"曖昧な"スタイル<2018年春夏>

 「透ける」という表現は輪郭や実態を曖昧にし、時には近代的でインダストリアルな、また時にはベールに包まれたようなミステリアスさを与える。そういった趣向が目立ったのが、2018年春夏シーズンに向けた東京ファッションウイークだ。それぞれのデザイナーの個性が表れた"トランスペアレント"なスタイルをクローズアップした。

ヨウヘイオオノ(YOHEI OHNO)

yoheiohno18ss-20171023-001.jpg

YOHEI OHNO 2018年春夏コレクション>>全ルック・オフショット・バックステージ

 切って、重ねて、つなぎ合わせて...まるで工作のようなアプローチが際立った「ヨウヘイオオノ」のコレクションのテーマは「作る・喜び」。さまざまなテクスチャーの素材や色もユニークな取り合わせで、メッシュや透ける素材が効果的に用いられた。

ショーレポート
>>東京ファッションウイーク「ヨウヘイオオノ」で開幕<2018年春夏>

タカヒロミヤシタ ザ ソロイスト.(TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.)

soloist-20171023-000.jpg

TAKAHIROMIYASHITATheSoloist. 2018年春夏コレクション>>全ルック・オフショット

 宮下貴裕が手掛ける「タカヒロミヤシタ ザ ソロイスト.」で目立ったのは、PVC(ポリ塩化ビニル)製のTシャツ。透明な服地にはカリグラフィーが施されたり、フード付きのものもある。中身を透かすレイヤードは、マスクで顔を覆ったアノニマスなスタイルと相反するようだ。

ショーレポート
>>宮下貴裕「ソロイスト」が初のショー開催、ミハラとのコラボも

アキコアオキ(AKIKOAOKI)

akikoaoki-20171025-000.jpg

AKIKOAOKI 2018年春夏コレクション>>全ルック・バックステージ・オフショット

 「アキコアオキ」のテーマは「ループ」と「淡さ」。繰り返され、始まりと終わりがない曖昧さが、パターンだけではなく透け感のある素材使いにも反映された。ランジェリーを服の上からレイヤードするなど、インとアウトの境界を曖昧にするアプローチも、デザイナー青木明子ならではの女性的な表現の一つだ。

インタビュー
>>【連載】次世代の担い手たち - vol.6 AKIKOAOKI 青木明子 -

ファイブノット(5-knot)

5knot2018ss-20171023.jpg

5-knot 2018年春夏コレクション>>オフショット

 鬼澤瑛菜と西野岳人のデュオによるブランド「ファイブノット」はポルトガルの海沿いの街、ナザレに旅した時の海風になびくカラフルな洗濯物やタイルなどから着想。ギンガムチェック柄の上からPVC素材のコートを羽織ることで瑞々しい光沢を加えたり、滑らかな極薄素材のパンツから鮮やかなストレッチエナメル素材のソックスを透かせるなど、色柄をフレッシュに見せた。

ショーレポート
>>「ファイブノット」がDHL デザイナーアワードを受賞

イン(IHNN)

ihnn2018ss-20171023-001.jpg

IHNN 2018年春夏コレクション>>オフショット

 韓国出身の印致聖(イン チソン)が手掛ける「イン」が、窓越しに都会の夜景を望む会場で発表した新作のテーマは、過去と現在の共時性を表現する「シンクロニシティ」。70年代のビンテージウエアのような風合いや色とは対照的な、PVCのブーツやレースと組み合わせたバッグ、クリスタルのイヤリングなど、異素材を織り交ぜた。

ショーレポート
>>過去と現在をシンクロ、IHNNが初のインスタレーション開催

ハレ(HARE)

hare2018ss-201710213-000.jpgHARE 2018年春夏コレクション>>全ルック

 アダストリアが展開する「ハレ(HARE)」のテーマは「HAZE(霧)」。混沌とした現代に、凛とした姿勢で自己表現し自身のリアリティを信じて強く生きる若者をイメージしたという。シフォンやメッシュといった霧がかかったように形を不明瞭にするトランスペアレントな素材を用いながら、オーバーサイズによるシルエットにも曖昧さが落とし込まれた。

ハレがロバートゲラーとコラボ、初のウィメンズアイテムも

コトハヨコザワ(kotohayokozawa)

kotohayokozawa2018ss-20171023-001.jpg

kotohayokozawa 2018年春夏コレクション>>全ルック

 雨空の下、今年で3年目となる日高琴葉が手掛ける「コトハヨコザワ」が、過去と今を重ね合わせて製作したという新作を発表した。PVCのトートをドッキングしたバッグが、奇しくも雨粒や透明傘と調和。むき出しの工事現場を背景に、ひねりを効かせたフェミニンが際立った。

ショーレポート
>>雨の渋谷パルコ工事現場で「コトハヨコザワ」初の単独ショー、モデルの手には傘