―卒業校は?
PARSONS美術大学、早稲田大学です。
―デザインや服作りをどこで学んだ?
NYのPARSONS美術大学です。
―デザイナーになろうと思った理由は?
個人の内面、知性、クリエイティビティ、社会的なアティチュードを体現できる服が創りたかったからです。
―尊敬している人は?
オードリー・タン氏、ブルーノ・タウト氏、シャルロット・ペリアン氏、堀口捨己氏、全てのファッションデザイナーの方々です。
―好きな色は?
ブルー、ブラウン。
―本を一冊、無人島に持っていくとしたら何を選ぶ?
ブルーノ・タウト『日本文化私観』。
―普段良く聴く音楽のジャンルは?
なんでも聴きますが、最近はクラウトロック(ジャーマン・ロック)が好きで、 Kraftwerkや80-90年代のYMO作品をよく聴きます。
―大切にしている言葉は?
「どちらが正しいかではなく、自分で選んだ方を正しくしなさい」。会社を続けるか、それとも会社を辞めて0からファッションの道にキャリアチェンジするか迷っていた時に母親に言われた言葉です。諦めたくなるときに強くなれる言葉です。
―朝起きたら最初にすることは?
アラームを止めて時刻を確認すること。
―日課は?
出勤前に、とりあえず用事はなくても家の近くのカフェでぼーっとしたりデザイン画を描いたりすることです。仕事場だけで終わる1日を過ごしてしまうと息が詰まってしまう為、気持ちの余裕づくりや息抜きの為に行っています。
―今日、地球が終わるとしたら何をする?
母に恩返しをできる1日を一緒に過ごしたいです。
―デザイナーをやっていて嬉しかったことは?
沢山ありますが、「心が救われた」と言われたことや、「成人式で着ます」と言ってもらえたことは特に嬉しかったです。人の人生の動く瞬間に力を与えられる服を作りたいと思っていたので、微力ながらお力添え出来たことはデザイナーとして本望でした。
―デザイナーとして大切にしていることは?
自分にしか作れないものを作ることです。そして、大切な家族や親友に、本当に心からすすめられる良い服かを自問自答しながら作ることです。
―人間として大切にしていることは?
倫理的であること、個人の権利と心を尊重し過干渉しないこと。自分がされて嫌だったことはしないようにすること。まだまだ難しいこともありますが、日々気をつけながら改善できたらと思っています。
―趣味は?
美術鑑賞、建築鑑賞、読書、デザイン画を描くこと。骨董やヴィンテージインテリアも好きなので少しずつ集めています。
―もし1年間自由になれたら何をする?
世界中の有名建築や、珍しい布地を見に行く旅をしたいです。今特に気になっているのは、オーストリアの教会建築と、衣服や靴の生産技術でも注目されているポルトガル、東欧のジョージアです。
―コーヒー派?紅茶派?
どちらも好きです。
―飼うなら犬?猫?
どちらも好きです。
―好きな場所は?
NYのWest VillageやMoMA PS1のゆったりした雰囲気が好きです。
―10年前の自分の言いたいことは?
世の中には、こんなに楽しい仕事があるんだよ。
―10年後の自分に言いたいことは?
とりあえず元気に、今よりももっといい服を作っていて欲しいです。
―好きなお酒は?
日本酒、焼酎、ビール、ワイン、何でも好きです。
―デザイナーにならなかったら何になっていると思う?
結局最後はデザイナーを目指していたと思います。
―デザイナーという仕事を一言で表すと?
哲学と美学の嚮導人。
―ファッション業界を一言で表すと?
カオス…(笑)。あらゆる混沌と対峙する日々が慌ただしく過ぎていき、一言では表せられないからです。
―デザインする時に気をつけていることは?
人や文化を侮蔑したり、傷つけたりしないようにすることです。平易な言い方かもしれないですが、やっぱり人の人生を幸せにする服を作りたいです。意匠上では、「リズムと違和感」を持たせることです。視覚的なアイコントロールの流れを生むと、リズムが生まれて、どこかに違和感があるとより目が奪われてしまいます。不意をつくような、そうした視覚的なリズムとアンバランスを意識しています。
1991年4月28日、東京都生まれ。2014年、早稲田大学政治経済学部を卒業後、一般企業に入社。17年に退社し、渡米。パーソンズ美術大学に入学。19年、卒業後にニューヨークで自身のブランド「ミカゲ シン」をスタート。ニューヨークやパリのファッションウィークに参加。翌年帰国し、活動拠点を日本に移す。21年秋冬シーズンからRakuten Fashion Week TOKYOに参加。23年秋冬はオフスケジュールで発表した。
MIKAGE SHIN(ミカゲシン)
デザイナー進美影が手がけるファッションブランド。哲学的なコンセプトと構築的なパターン、ストーリーに基づくオリジナルのグラフィックを掛け合わせたデザインが特徴。「個人の強さと知性を引き出す服」をコンセプトに掲げ、ジェンダーや年齢、国籍にとらわれないコレクションを提案している。近年は、サスティナブルな素材を積極的に取り入れるなど環境問題に配慮したもの作りにも取り組む。
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