世界35カ国以上に支部を持つユース向けWebメディア

眼球タトゥーの危険性

By Mack Lamoureux

eyeball-tattoo-20171012_001.jpg

All photos via Facebook unless otherwise noted.

眼から紫のインクが溢れてきたときでさえ、キャット・ガリンガー(Catt Gallinger)は、何も問題ない、と考えていたという。

施術は成功した、と彼女は信じていた。彼女の左眼の強膜(白目の部分)に、紫の染料を注射した元恋人は、インクが溢れるのは 普通で、目が腫れるのも珍しくない、と説明したそうだ。その恋人に突然別れを告げられたあと、他の専門家に相談して初めて、ガリンガーは、目の腫れや視力の低下が〈普通〉ではない、と気づいた。

身体改造から5週間たった今、ガリンガーの左眼の視力は、完全に回復するかどうかもわからないという。

eyeball-tattoo-20171012_002.jpg

施術直後.

ガリンガーが身体を改造したのは、これが初めてではない。スプリットタンをはじめ、全身に数え切れないほどのタトゥーも施されている。「私にとって身体改造は、アイデンティティーでもあります」。ガリンガーによると、彼女の元恋人は、同様の施術に成功した経験がある、と言明していた。彼は繰り返し、施術させてほしい、と頼んでいたそうだ。

「アーティストの元カレは、その晩、私が施術を受け入れるまでせがみ続けました」とガリンガー。「付き合った期間はたったの1ヶ月でしたが、彼のことは、ずっと前から知っていました。作品集もあったので信じてしまったのです。でも、私が間違っていました」

その晩、彼女はついに恋人の要求を受け入れた。彼は彼女の眼に麻酔し、紫のインクを注射した。ガリンガーや専門家によると、この施術は通常なら2〜3日かかるという。まず、小さな針で生理食塩水と少量のインクを混ぜた液体を注射する。生理食塩水が気化すると、強膜にインクが定着する。彼女の元恋人は、確かに麻酔をした。しかし、正しい施術はおそらくそれだけだった。

「彼はインクを生理食塩水で薄めず、そのまま眼球に注入しました。しかも、とても太い針を、奥深くまで刺しました」とガリンガーは振り返る。「眼球の 上と下に2回注射し、施術は10分程度で終わりました」

eyeball-tattoo-20171012_003.jpg

Facebookとウィキペディアより.

彼女の眼球は瞬く間に腫れ上がり、痛みもひどくなったが、当時同棲していた元恋人は、それが普通だ、と説明した。彼女は病院にも行ったが、眼球のタトゥー は身体改造の最先端であるため、医師たちも問題の何たるかがわからなかった。ガリンガーは痛み止めとステロイド点眼薬を処方され、眼を冷やすように、と指示された。

眼球の腫れが引かないうちに、ガリンガーの恋人は突然、何の理由もなく彼女に別れを告げた。おそらく彼は施術の失敗に気づいたが「それを認めたくなかったから」だ、と彼女は推測する。故郷に戻ったガリンガーは、医師にセカンドオピニオンを求めたが、もっと早くそうするべきだった、と後悔している。この時点で施術から数週間たっていたが、目は未だにインクで腫れ上がっており、視力を失ったうえ、痛みも続いていた。

「そのときようやく、施術がどれだけ間違っていたのか気づきました」と彼女。

ガリンガーはSNSでこの体験を公表し、身体改造の施術者を事前にリサーチすべきだ、と訴えた。ガリンガーは法的措置をとるつもりだ。

eyeball-tattoo-20171012_004.jpg

ガリンガーがFacebookに投稿した比較写真.

ガリンガーは、近日中に眼科医を訪ね、眼球中のインク塊をどのように取り除くか相談するという。手術を受ける予定だ。希望はあるが、非常に珍しいケースなので、何が起こるか誰にもわからない。

「生理痛のような痛みです。日や時間によって、痛みが増したり引いたりします」と彼女は説明する。「視力はいくらか回復しましたが、それでもメガネは必要です」

「今はただ待っているだけです。状況に応じるだけです。もし、インクが固まってしまったら、取り除くのに3ヶ月はかかります。視力に深刻な影響を与えるはずです。もし、インクが網膜に入ってしまったら、神経が傷つく可能性もあります」

このような症状に苦しみながらも、体験を公表した結果、ガリンガーは世間から批判され、心を病んでしまった。家から出るのが嫌になり、急激に体重が落ち、モデルの仕事をやめ、ひどいうつ状態に苦しんでいるという。

「怖くてたまりません」とガリンガー。「こんな状態では、ひとりで生活できないので、今は母と暮らしています。どうしようもなく不安なときに、うつの症状に襲われると、これから何が起こるのか怖くてたまらなくなり、真夜中でもみんなを起こしてしまいます」

「写真を撮られるどころか、鏡すら見ることができなかったので、モデルをやめざるを得ませんでした。体が傷つくと、心を落ち着かせるのはとても難しくなります」

eyeball-tattoo-20171012_005.jpg

ガリンガーがFacebookに投稿した比較写真.

身体改造アーティストたちも、眼球タトゥーに伴う危険を認識している。何度か眼球に施術した、タトゥー・アーティストのラス・フォックス(Russ Foxx)は、長期的な影響は不明だが、施術したら元には戻せない、とハフィントンポスト(the Huffington Post)のインタビューに応えている。

「結局のところ、これは実験的な施術で、長期的にみて、どんなリスクがあるのかよくわかっていません。合併症のリスクを負う覚悟がないなら、施術を受けないでください」とフォックスは訴えた。「最悪の場合、失明するか、〈目〉そのものを失ってしまうかもしれません」

ガリンガーもフォックスの懸念に同意している。

「施術はお勧めできません」とガリンガー。「あえてリスクを負う価値はありません。もう片方にもタトゥーを入れるのか、とよく訊かれますが、答えはノーです」

「2度と危険を冒すつもりはありません」