Mitsuhiro Minami

「ノームコア」は流行らないと思う理由

南 充浩

繊維業界記者・ライター兼広報アドバイザー

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 筆者のようなファッション感覚のない人間からすると「ノームコア」という概念がよく理解できない。
アメリカで生まれた概念でノーマル+ハードコアの造語だということは理解している。
そのアイコンの一つが故スティーブ・ジョブズだということも理解している。

彼は黒無地のタートルニットとリーバイスのジーンズ、ニューバランスのスニーカーを愛用していた。
黒無地のタートルニットはイッセイミヤケだそうで、価格がお高いので一般人はちょっと手が出しにくい。
しかし、ユニクロか無印良品の商品で代用すればだれでも簡単に真似ができる。


真似ができるどころか冬のイオンモールに行けばそんな服装のオッサンであふれている。


このファッショントレンドが日本の一般人に流行するかどうかは見方の分かれるところだが、筆者は一般人にはあまり流行しないと考えている。
そんなわけで先日、日経ビジネスオンラインにそんな記事を書いた。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140616/266899/

究極の普通とでも訳すべきノームコアが新鮮に見えるのは、普段から珍奇な洋服を見続け、着続けている業界人やファッションマニア、ファッション変態に限られるのではないか。

一般人は以前から、「普通」の服装が多く、今現在、普通の服装をしている人々が、わざわざ「普通」の服装を特別に志向するということは考えにくい。
つながりがどうのこうのという見方があるが、似たような服装をするのはこれまでから日本人の特性であるし、それをわざわざ意識するとも思えない。

筆者のような人間からすると、全身ユニクロ、全身無印良品、またはユニクロ+無印良品のコーディネイトで事足りるのではないかと考えてしまう。

ジョブズのイッセイミヤケのタートルネックセーターに大きなロゴが入っていればまた話は別である。
それは、他のブランドでは代用できない。
けれども、ロゴは入っていないのである。
だったら、ユニクロでも無印良品でもライトオンのPBでも構わない。どうせ他人からは区別できない。


そんなわけで、ノームコアがトレンドになりうるのは、業界人やファッションマニア、ファッション貴族、ファッション変態に限られるのではないかと思う。
彼らの言葉遊び・観念遊びではないかと感じる。


一般大衆は今までから「普通」だったし、今後も「普通」であり続けるだろうからだ。
今後急速に一般大衆がファッションの珍奇性を競う傾向が強まるとは思えない。
そんな風潮は遅くとも2000年代前半で終了している。

すでに一般大衆はずっと以前からノームコアだったのではないかと感じられる。

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