Rie Miyata

【東コレ日記②】今の気分映す「こなれ感とハッピームード」

宮田理江

ファッションジャーナリスト

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◆beautiful people(ビューティフル ピープル)

2日目の東京コレクションは有力ブランドが相次いでランウェイショーを開き、徐々に新トレンドの方向感が見え始めてきました。渋谷ヒカリエのホールAで開催された「beautiful people(ビューティフル ピープル)」のショーは、今の人気と勢いを改めて納得させるような、グローバルトレンドをしっかりつかまえたコレクションでした。女性の「着たい・欲しい」という気分をきれいにすくい上げたエフォートレス感が強まっています。
ゆったりと輪郭を包むコートや、たっぷりボリュームのケープ、ボディーに巻き付けるようなアウターがやさしいシルエットを描き出しています。キャメルやグレーなどの比較的穏やかな色を選んで、コーディネートに苦労せずに済むカラーパレットにまとめ上げていました。

全体に適度なヌケ感が漂い、来季に一段の広がりを見せそうなボヘミアンテイストも、このブランドらしくトラッド感をミックスして落ち着かせています。こなれた余裕感も感じさせました。ワイドパンツやガウン風コートなどの注目アイテムもしっかりカバー。ソックスと厚底サンダルの足元は重たくなりがちな冬ファッションを軽やかに見せ、首周りのポイントファー使いもアクセントになっていました。

>>beautiful people 2015-16年秋冬コレクション

◆mintdesigns(ミントデザインズ)

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mintdesigns(ミントデザインズ)」は「SMOKE」をテーマに据えて、レースを巧みに操ったミステリアスでムーディーな雰囲気を濃くしました。やさしいパステルカラーやほのぼのプリント柄で知られるブランドですが、今回は透けるヴェール風の布で顔を覆い、妖しい雰囲気を醸し出しています。ヴェールは後頭部で結んで、横倒しのてるてる坊主のように見せています。

透け感の高いオーガンジー風の薄手生地を重ねて、ロマンティック感やゴシックムードを引き寄せました。スカーフを首にさらりと巻くコンパクトなあしらい方が生きています。スカーフのネックオンは世界的な新傾向です。終盤にはケミカルな光沢を帯びた赤や黒のテープを何本も貼り付けたようなディテールを披露。疾走感や力強さを印象づけていました。

>>mintdesigns 2015-16年秋冬コレクション

◆MUVEIL(ミュベール)

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東コレの期間中には、ランウェイショーに加え、あちこちで展示会が催されます。人気ブランド「MUVEIL(ミュベール)」の展示会が青山の「GALLERY MUVEIL」であったので、ショーの合間を生かして足を運びました。パリやニューヨークで打ち出された新ムードにフューチャリスティック(未来感覚)やグリッターがあります。「MUVEIL」の新コレクションはメタリックに光るアイテムと、そこにノスタルジックでのどかなほっこりムードを響き合わせ、フューチャームードをこなれた風情に仕上げていました。

シャイニーに輝くシルバーのファートリミング付きアウターやメタリックのフレアスカートなどもデイリーに着こなしやすい形で提案されていました。一方、スキーニットにはラメのモールのようなものがついていて、カジュアルなアイテムをドレスアップさせています。打ち上げロケットを模したクラッチバッグも宇宙イメージたっぷり。未来感覚とレトロテイスト、ハンドクラフトをミックスして上手にアレンジしていました。

◆KIDILL(キディル)

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メンズブランド「KIDILL(キディル)」の末安弘明デザイナーはこの日、これからの活躍が期待されるデザイナーに贈られる賞、第8回「DHL デザイナーアワード」を受賞しました。1976年福岡県生まれの末安氏は2002年に渡英し、独学で服作りをスタート。14年に「KIDILL」を立ち上げ、14-15年秋冬の東コレでランウェイデビューを果たしました。

渋谷ヒカリエのホールBで発表した今回のコレクションは「Imperfect Rhyme」をテーマに、ストリート感とヒップホップ気分、英国テイストなどを重ね合わせました。一見、スカートにしか見えない極太のガウチョパンツは「スカート男子」風の着姿。チェック柄やスターズ&ストライプス模様をモノトーンであしらい、ボーダー柄にはチェリーモチーフをミックス。若々しくいたずらっぽい装いに仕上げていました。

>>KIDILL 2015年秋冬コレクションのプレゼンテーション

◆Jakarta Fashion Week(ジャカルタ・ファッション・ウィーク)

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年を追うごとにグローバル色を強める東コレ。今回はインドネシアから2ブランドを招きました。ヒカリエのホールAで新作を披露した「ETU by Restu Anggraini(エトゥ バイ レストゥ アングライニ)」と「TOTON(トトン)」はどちらもインドネシアブランドですが、打ち出したテイストはかなり異なっています。「ETU by Restu Anggraini」はインドネシアの伝統的装いをモダンにアレンジ。ドローストリングスで結び留めるゆったりパンツに、ロングベストを重ねる着こなしを披露しました。

「TOTON(トトン)」はデコラティブ(装飾的)なウエアを提案。トライバルな表情とグリッターな風情を共鳴させていました。服にもビジューをたくさん配しています。ウエストから吊り下げたフリンジやタッセル状のアクセサリーはエスニックな面持ち。チョーカー風のビッグネックレスも着姿をつやめかせています。

>>ETU by Restu Anggraini 2015-16年秋冬コレクション

>>TOTON 2015-16年秋冬コレクション

◆CURATED BY EK THONGPRASERT(キュレイテッド エック ソンプラサート)

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ベルギーのアントワープ王立芸術学院出身のデザイナーが率いる、タイのブランド「CURATED BY EK THONGPRASERT(キュレイテッド エック ソンプラサート)」はコンセプチュアル(哲学的)なアプローチが持ち味。今回は土俗的なお面モチーフをはじめ、アフリカンなディテールを持ち込みました。会場では席を移動しながらアクセサリーのパーツを来場者が自分でチョイスして組み上げていく参加型の演出も。ドリンクとフィンガーフードが振る舞われ、パーティー気分で楽しく作品との出会いを楽しむことができました。

>>CURATED by Ek Thongprasert 2015年秋冬コレクションのプレゼンテーション

70'sテイストや未来感覚、グラマララス、メタリックなどの異なるテイストをミックスしたネオエフォートレスなスタイリングが今の気分。次シーズンの着こなしが思い浮かびやすい提案が目につきました。東コレ常連の人気ブランドに加え、アジアからの参加組も独創的なクリエーションを披露し、「アジアの東コレ」という特色がはっきり出た日ともなりました。(宮田理江)

【宮田理江の東コレ日記】
【東コレ日記①】カムバック組や実力派デビューなど顔ぶれ多彩に(3月18日)

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