Fumitoshi Goto

止まらない若者の〇〇離れ...ストリート系も店数余計で「パックサン」倒産

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■ティーン向けファッション小売チェーン「パックサン(PacSun)」を運営するパシフィック・サンウェア・オブ・カリフォルニア(Pacific Sunwear of California)が7日、連邦破産法11条を申請して倒産した。負債総額は3.05億ドル。ティーンがフォーエバー21などファストファッションやオンラインストアに流れていることで売上不振に陥っていた。今後は投資会社で債権者であるゴールデン・ゲート・キャピタル社らと、約9,000万ドルの長期負債を軽減、年間1.4億ドルに及ぶ店舗賃貸コストを削減し、経営再建を図っていくとしている。今のところパートタイマー7,000人を含む9,000人近くのスタッフのリストラは発表されていない。パシフィック・サンウェア・オブ・カリフォルニアは1980年、サーフ系ファッションとしてカリフォルニア州ニューポートビーチで創業。人気のサーフ系ブランドのクイックシルバーやビラボン等に成長し、2007年には50州に約1,200店に展開する売上高11億ドルのファッションチェーンとなった。リーマンショック以降はティーンのサーフィン離れが進み、売上が低迷していた。2008年から赤字が続いており、店舗数もピーク時の半数となる600店までに減らしていた。2014年度の売上高は8.3億ドル。
このところティーン向けのファッションは低迷しており、アメリカン・アパレルやクイックシルバー、ウェットシール、スポーツオーソリティなど破産申請が相次いでいる。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。スポーツ用品専門店チェーンのスポーツ・シャレー(Sport Chalet)を展開するイースタン・マウンテン・スポーツが近いうちに破産するとのニュースが流れました。内部事情に詳しい関係者の情報としてブルームバーグが報じたのです。先日にはスポーツオーソリティが倒産していましたね。今のトレンドを見る限り(アスレジャーなど一部を除き)スポーツ関連やティーン向けファッションは厳しいです。その背景はネットがあります。ティーンはスマホ経由のSNSに費やす時間が長くなり、それに伴い10年前とは異なりお小遣いの使い方が変化しているのです。SNSを通じて嗜好も多様化し価値感も激変、例えばサーフィンが以前ほどクールとは思えなくなっているのです。そういえば後藤が学生の頃、ウォータースキーを夢中でやっていました。サーフィンを始める友人に対するちょっとした反抗心もあったかもしれません。ネット上で色々な嗜好の人と知り合える今はそんな競争心もないのでしょう。

⇒パックサンに限らず、大手チェーンなどは「若者の〇〇離れ」の動きをとらえるのが遅すぎます。やはり過去の成功体験に縛られるためか、「売り場の中心は店舗」と考えるリアル店舗至上主義に陥っているためか、リストラのスピードが加速しないのですね。思い切ったリストラができない一方でネット展開は遅れてしまうのです。「店数減らしてIT投資」ができず、戦略も後手後手に回ってしまうのです。結局、サーフィンからストリート系にファッション基軸を移しても、NYストリート系ファッションのビーン・トリル(Been Trill)やLAストリート系ブランドのフィア・オブ・ゴッド(FEAR OF GOD)とコラボしても、店数が多すぎるためブランドの尖りが薄れ、マニアが嫌がるのです。希少性や限定性で価値が生まれ、ブランドが尖れるのです。誰もが買えるようなブランドでは若者離れが進みます。ティーン向けに展開するアパレルチェーンでは、経営者や役員にティーンの子供がいないのでしょうか?子供は残酷なまでに正直で、良いアドバイスしてくれると思います。

オムニチャネルの今、波に乗って店を増やすというのは限界があるということです。

後藤文俊

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