senken plus

ファッションはもはやサブカルか?

繊研plus

ファッションビジネス専門紙「繊研新聞」公式サイト

フォローする:

ファッションはもはやメインストリームのカルチャーではなく、サブカルチャーであると自覚すべき」という話をしたり、聞いたりする機会が増えています。
地方のセレクトショップオーナーの方と話した時にもこの手の話が出ましたし(別々のタイミングで2軒の方と)、弊社内の飲み会でも話題に出ました。

私自身が、「フ ァ ッ シ ョ ン っ て も は や サ ブ カ ル な の で は ...」と初めて感じたのは、12年の夏に清澄白河の東京都現代美術館でやっていた、
FUTURE BEAUTY 日本ファッションの未来性」という展覧会を観に行った時でした。
(...えっ、気付くの遅いよって!?)

といっても、その展示内容自体にサブカルを感じたわけではありません。
その展覧会と同時期に、現美で庵野秀明(エヴァンゲリオンの監督)プレゼンツの特撮展が開かれていたんですが、
私が行った時、特撮展がフューチャービューティー展に比べて激混みだった(フューチャービューティーの方ももちろん人は入っていたんだけど)のを見て、そう感じたんです。

かつて(80~90?年代)は、特撮(漫画、アニメとかも)って一部のオタクが愛するアンダーグラウンドなカルチャー(たとえ好きでもあまり口には出さないもの)だったじゃないですか。

それに対し、ファッションはよりメインストリームの(より上位の、とも言い換え可能)カルチャーだったと思うんです。
※決して特撮や漫画、アニメをdisっているわけではないことをご理解いただきたい。

だがしかし、2010年代を迎えた今、世の中の多くの人が興味を抱くメインカルチャーは圧倒的に特撮やアニメや漫画の方で、ファッションの方こそが、ごく一部の人に支えられて存在するサブカルになってしまったんだな...。
と、当時深く深く胸を痛めたのでした。ずーん。。。

この時感じた胸の痛みについては、このブログの最後のあたりに綴っているので是非お読みいただきたい。←自分でもこのブログ好き。

あれ以来、「ファッション=サブカル説」を決して認めたくはないんだけれど、
それが今の時代なんだから事実として受け止めないといけないなーーー、、、
受け止めた上で何をするか考えないとなーーーー、、、
と、ファッション業界の片隅に生きる者として日々思って参りました。
業界の皆さまも、同様に考えていらっしゃるのではないでしょうか。

が、しかし!ファッションって、私が思うほどには「ごくごく一部の好事家のためのもの」ではないのかもしれない...!!!
...と感じる事象が最近いくつかあったんです。

というのも、最近、国内でファッション系の展覧会がいくつか催されておりますが、それに行ってみるとどれも結構盛況なんですよね。

最終日前日に駆け込んだ東京・丸の内の三菱一号館美術館の「パリ・オートクチュール展」が50分待ち(ディズニーランドですかここは...!?)だったのに続き、

iso-20160521_002.jpg

美しいドレスたちがいっぱいでうっとり~~だったクチュール展にて。しかし、このミッドナイトブルーのドレスがどこのものなのか思い出せないという凡ミス。ゴルチエ?アザロ?

最終日2日前に駆け込んだ「旅するルイ・ヴィトン展」@紀尾井町特設会場は、平日の金曜午後だったにも関わらず、30分弱待ちの行列が出来ていました。

iso-20160617_003.jpg

この写真だと全然行列が無いように見えますが、私が行った時はもっと並んでたんです!写真を撮ったタイミングが悪かったんです!


国立新美術館でやっていたミヤケイッセイ展も、最終日が近付いた頃、大分待ち時間があったと聞いています。

もちろん、どれも最終日間近だから混んでいたっていうのは否めないと思いますが、それにしたって、みんな貴重な休日に、数十分待ってでもこの展示が見たい!って思ってるんだなーと。
その事実に、なんだか私は純粋に感動した。
おお!意外と世の中の人ってファッション好きなんじゃん!!」と。

そもそも、ファッション系の展覧会の開催頻度自体、ここ数年でぐっと増えました。(数えてないから肌感覚だけど)

アートを見るのと同じように、ファッションの展覧会を見る、という行為が世の中に広がるのは、我が業界にとってすごいいいことだなと。
だって、やっぱり人間は知っていることについてはもっと知りたいって興味が沸くものだし、知らないことはそのまま触れずに終わっちゃうものですから。

展覧会を見ることで、ファッションの楽しさをより多くの人が感じてくださるのなら、なんて素晴らしいことなんでしょう!!

で、こういった、昨今増えているファッション系展覧会のきっかけとなったのが、前述のフューチャービューティー展だったように個人的には感じています。

フューチャービューティー以前には、学芸員さん(現・京都精華大の蘆田さんなど)とかと、「欧米に比べて、日本はファッション系の展覧会が少ない」といった話をしていたような気がいたしますから。
さっきはフューチャービューティーは特撮展よりも人が少なかったとか書いたけど、先駆けになったという意味で、あれは大変意義深い展覧会だったのだなあ。

ここ最近開かれたファッション系展覧会をざっと挙げるだけでも、15年秋のアンダーカバー展@東京オペラシティや15年春の山口小夜子展@現美、今もやっているものですとトワル・ド・ジュイ展@Bunkamuraザ・ミュージアム(会期は7月末まで)などがあります。

iso-20151009_001.jpg

アンダーカバー展より。若かりし頃、ファッション通信やモードエモードで見ていた世界がそこには詰まっておりました。ムネアツ!

※どこまでを「ファッション系展覧会」に含んでいいのかは悩むところではあります。
2121デザインサイトでやっていたジャンポール・グード展や、ライアン・マッギンレー展@オペラシティなども、ファッション系に含んでも良いのだろうか?

あとは、今回のルイ・ヴィトン展のように、ラグジュアリーブランドがブランドのヒストリーや価値を改めて伝えるために、大規模な展覧会を行うことも増えていますよね。
ディオールやエルメス、フェンディなどが記憶に新しいです。

こういった状況を受け、世の中の人って、私が悲観するほどファッションに興味が無いわけじゃないんだなと、最近の五十君は考えを改めております。
私以外にも日本のファッションの未来を悲観している人がいたら、↑を聞いてちょっと元気出してください。

取材していると、引き続き「服が売れない...」という声ばかりを聞きますし、「消費者はファッションよりも食やライフスタイルに目がいっている」「ファッションはオワコンだ」みたいに言う人もいますけど、
それって結局、世の中の人に刺さる形で、ブランドや商品を提案できてないだけなんだと思うんですよね。

ファッションに興味がある人はちゃんといるということを、展覧会の50分待ちの行列が証明しているわけですから。(まあその絶対数は減ってるんだろうけど)
それに、市場全体が苦戦する中でも、ちゃんと売れているブランドというものもありますし。

というわけで、今回のブログはミュージアム探訪ネタの最終章として、三菱一号館美術館のオートクチュール展について書こうと思っていたのですが、蓋を開けたら私のファッション業界随想になってしまいました。
まあ、あの展示は実際にご覧になられた方も多いでしょうから、詳細は省いてよいかな、と。
それでも一応書いておくと、バレンシアガにスキャパレリ、シャネル、アライア、ラクロワ、マックイーンなどなどの素敵なクチュールたちがいっぱいあって、大変目の保養になりました。(このブログの一番上の、赤地に太陽の刺繡のマントはスキャパレリのものです)

というわけで、ミュージアム探訪はこれにて【完】!!!!また展覧会ネタ溜まったら書くかもで~す。

iso-20160628_004.jpg五十君花実 特技=ミーハーな記者・五十君がお届けする業界のよもやま話。パリコレから東コレ、ストリート、地方のおもしろショップまで、ニュースあるところに五十君あり!!...というスタンスが理想です

最新の関連記事
Realtime

現在の人気記事

    次の記事を探す

    Ranking Top 10

    アクセスランキング