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部数伸ばす「リンネル」、"暮らし系女子"とは?

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 今、注目の「暮らし系女性」のマーケットを引っ張っている雑誌『リンネル』。「心地よい暮らしと装い」をコンセプトとする、ぶれない編集方針と毎号力の入った付録で、部数を伸ばしている。新聞や雑誌などの部数を第三者として監査する日本ABC協会によると、16年1-6月の雑誌販売部数の月間男性・女性ファッション雑誌のカテゴリーで、前回(15年7~12月)の6位から2位にランクアップ。西山千香子編集長に話を聞いた。

 

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■ナチュラル系から「暮らし系」女子へ

 すごくマスに向けて作った雑誌ではないので、周囲も2位にランクインして驚いています。創刊からやっていることは変わりませんが、「ラグジュアリーでかっこいい」ではなく、より日常的なものにフォーカスした内容を受け入れてくれる人が増えている実感はあります。

 「暮らしを丁寧に」というのはニッチなところだったのに、みんなが大切にし始めました。ここ5年ほど震災などいろいろなことがあり、身近なことを日々丁寧に過ごすことに幸せを感じるようになったのだと思います。日本が成熟してきている中で、今まで重視してこなかった暮らしの中に楽しみがあったと気付いたのではないでしょうか。

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 10年にリンネルを始めた時、『クウネル』『天然生活』などスローライフをテーマにした雑誌は他にもありましたが、当時は「食・住」が中心。女性だからファッションにも当然興味があります。スローな暮らしの中で自分たちのおしゃれを考え、トレンドを追うよりも着心地の良さを追求すれば、ファッションの要素を加えたナチュラル系の新しい媒体を作れると考えました。

 ナチュラルといっても完全にオーガニックを標榜するわけではなく、「飾らずに自分らしくいる」として捉えました。提案したいのはストイックな暮らしではなく、心地良く、みんなを幸せにできるような暮らし。そのために、ナチュラル系に代わる言葉があるといいなと思い、「暮らし系女子」というフレーズを作りました。

■自分が楽しくなるおしゃれ

 やっていることは創刊当時から変わりませんが、変化があったとしたらファッション。2~3年前、ノームコアが流行った時にシンプルベーシックを追いかけたら、売り上げが少しダウンしてしまいました。読者はシンプルでベーシックな服が好きと思い込んでいたのですが、実際は違って、刺繍やレースなど手仕事が加わっている服がいいことが分かりました。元々はそういう服を提案していたので、昨年頭からファッションは原点回帰しています。


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 シンプルでベーシックな流れがきた時に、みんな服が面白くなくなっちゃったんじゃないかな。今は社内外で「シンプルでみんなと同じ」ではなく「人とちょっと違うファッションを取り返したいね」と話していて、またファッションが楽しくなりそうです。ここ数シーズン、「楽にコーディネートできるファッション」が主流になっていましたが、「自分が一番楽しくなるおしゃれをしたい」というムードが生まれているように感じています。

 リンネルでは「これでエプロンをしたらとりあえず台所に立てるよね」というスタイリングも意識しています。昨年は『逃げるは恥だが役に立つ』などTVドラマでも家事や料理のシーンがたくさんあって、「暮らし」がそこここで見られました。

 元々、年代で読者を区切りたくないという思いもあって、読者層は幅広いです。丁寧な暮らしに興味がある人は10代でも70代でもいます。それに、女性は多面的ですから、『オッジ』『日経ウーマン』といったキャリア系雑誌を読んでいるような方でも、普段はゆるっとしているのが好きな女性もいます。そんな女性のオフの顔の時にもリンネルが傍にあるといいなと思っています。

■人気は北欧特集と猫特集

 昨年5月に、東京・二子玉川ライズでリンネルと『大人のおしゃれ手帖』合同のイベントを開催しました。1万6000人にご来場いただき、盛況でした。当初、開催地は自由が丘や吉祥寺かなと考えていたのですが、リサーチしたところ、意外にも二子玉川の蔦谷家電で最も売れている雑誌がリンネルだったんです。ライズができてから人の流れが変わって、ライフスタイル系のショップが増えたからですかね。

 雑誌本体ともう一つ一生懸命作っているのは、付録です。今、その両輪のバランスが上手く取れています。今までは素材感が良くて実際に使ってもらえる物に重点を置いて作ってきましたが、ここ数年は開けた時にびっくりする物を意識しています。読者の目が肥えて、普通に使える物では満足してもらえなくなっています。最近では、ポーチ5点と猫のシールのセットや「リサ・ラーソン」の保冷バッグ3点セットなどを作りました。

 記事で人気なのは、毎年10月にやっている北欧特集や猫特集です。今年は掃除・片付け・収納も人気でした。ファッションで鉄板なのは足元企画。ぺたんこ靴と靴下でいかにおしゃれに見せるかを提案します。暮らしの道具大賞も読者満足度が高いですね。

 リンネルの読者はSNS(交流サイト)を使っている人が本当に多い。付録などを「こんな風に使っています」とタグを付けて投稿しています。読者とデジタルの親和性がこんなに高いとは、私達も驚いています。考えてみると、元々写真が好きな人が多いからかな。インスタグラムの公式アカウントのフォロワー数は、『ミニ』に次いで2位です。

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