Fumitoshi Goto

スターバックス、モバイル・オーダー&ペイ需要増大に対応が追いついていない?

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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20170430st.jpg■コーヒーチェーン最大手のスターバックスは27日、第2四半期(1月~3月期)の決算発表で「モバイルオーダー&ペイ(Mobile Order & Pay)」の対応が後手に回っていることを認めた。国内の既存店・売上高前年同期比は第2四半期、3.0%の増加だった。市場予想の3.7%増に届かなかった。客単価は4%の増加だったが、客数(トランザクション)が2%の減少だ。一方、一昨年9月からライセンスストアを除く全直営店に導入されたモバイルオーダー&ペイが、注文全体の8%にまで上昇した。前期の7%から1ポイントも伸び、前年同期(4%)からは4ポイントも急伸しているのだ。モバイルオーダー&ペイは事前注文・事前決済のことで、スマートフォン・アプリからコーヒー等を注文し、アプリ内にある金額をチャージしたギフトカード(プリペイドカード)から支払う仕組み。利用者はメインメニューの「注文(Order)」をタップし、フラペチーノやベーグルを選択。ピックアップまでの時間が表示された最寄りのスターバックス店を指定し、注文ボタンをタップすれば決済完了となる。
同社CEOケビン・ジョンソン氏は決算声明で「モバイルオーダー&ペイが第1四半期、ランチタイムなどのピーク時に20%以上となったお店は1,200店にも上っていました。モバイルオーダー&ペイの拡大と需要急増で、現場は仕事量で大きな課題を引き起こしていました。第2四半期ではピーク時に約1,800店が20%以上となっています」とモバイルオーダー&ペイが混雑の原因で客数減になっていることを明かしたのだ。スターバックスではバイルオーダー&ペイ改善策として「ウェーブ1~3アクション(Wave 1 to 3 action)」を行っている。ウェーブ1ではスタッフ研修の実施にピーク時での人員やモバイルオーダー&ペイ専任スタッフ「デジタル・オーダー・マネージャー(DOM:Digital Order Manager)」の追加となっている。ウェーブ2はタブレット端末を使ったDOMの具体的なアクションとなる。DOMはネットからの注文をリアルタイムでバリスタと確認し、利用者にはオーダー完了などのデジタル通知を行い、受け取りカウンターの整理を行う。ウェーブ3ではモバイルオーダー&ペイ対応の機器の導入やレイアウトなど店舗開発と改装となっている。
同社の第2四半期の売上高は前年同期比6%増となる52.9億ドルだった。純利益は同13.5%の増加となる6.52億ドルだった。なお同社のアプリ決済「モバイルペイメント(Mobile Payment)」はアメリカ国内で29%に達しており、会員サービスの「マイ・スターバックス・リワード(My Starbucks Rewards)」の会員数も国内で前年同期比11%増となる1,330万人となっている。

17年1月28日 - 【スターバックス】、急成長するモバイルオーダーに現場が対応しきれず売上が伸び悩む?

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。スターバックスのモバイル・オーダー&ペイ対応不備の問題は「あれはコーヒーチェーンの問題だから」「ウチはスーパーだから」「ウチのようなコンビニとは関係ないんだよ」などと、対岸の火事では済まされません。オムニチャネル化を推進するとこれまでのリアル店舗では考えられなかった問題が生じるのです。見えないお客の殺到です。お店にお客が殺到している状態なら視認できるので、他のお客には分かります。ネット注文の混雑は外からは見えません。押し寄せるネット注文に対応するあまり、リアル客に対応できなくなるのです。「お客がいるのにお店にスタッフがいない」との苦情です。近い将来、モバイル注文は様々な業界に広がります。同時に需要急増に追い付けない、スタバのような問題も生じます。これに対応するには2つしかありません。先行事例を参考・研究すること、そして早いうちにオムニチャネル化のテストを行い、改善からノウハウを得ておくことです。
スターバックスはいまのところ、人員増などアナログ的な対策をとっています。それでも対応できない超繁盛店なら、ピーク時には値上げしてオフピークは値下げするダイナミック・プライシングもありでしょうね。テストでも行えばアメリカ小売業を学ぶ人にとって、とても良い事例になるのですけどね。

後藤文俊

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