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メンズスカートはファッションとして浸透するか?

 「メンズスカート」というワードが、ここ数週間にわたってメディアをにぎわせた。制服、普段着、そしてファッションショー。これら様々なシーンで男性が履くスカートが注目され、性別と衣服について考えさせられる機会になっている。

Image by FASHIONSNAP
Image by: FASHIONSNAP
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 6月下旬、メンズスカートに関する2つのニュースが海外メディアで取り上げられた。1つはイギリスの男子生徒が、猛暑日にショートパンツの着用が校則で認められていないことに抗議するため、スカートを履いて登校したというニュース。そしてもう1つはフランスのバスの運転手たちが同様の理由で、同じくスカートを履いて雇用主に訴えたというニュースだ。「メンズスカート」は男性が主義主張をするための社会的ツールとしてこれまでにも、そして現在も度々用いられている。

 2つのニュースが報じられた翌週、パリで行われたメンズファッションウィークで、メンズスカートは再び注目を浴びることになった。ニューヨークを拠点とするブランド「トム・ブラウン(THOM BROWN)」による2018年春夏コレクションのショーで、男性モデルの大半がさまざまなシルエットのスカートとハイヒールを履き、ランウェイに登場したのだ。「なぜ男性は女性の服を着てはいけないのか?」というファッションのステレオタイプに疑問を投げかけ、「スカートを履いた男性」という目を引くビジュアルに加え、見た者に社会の中で作られた性差についてを問うショーとして話題になった。「ユニセックス」や「ジェンダーレス」は現在のファッションシーンにおいて珍しくないが、女性の服を男性が着るという考え方や提案があったとしても、それらは浸透していない。トム・ブラウンのショーでは、ブランドが軸としているテーラードスタイルやモードの文脈でスカートを取り入れたことで、男性が着ることが当たり前のようにクラシカルな雰囲気をも漂わせる提案となった。

【関連記事】トムブラウンがメンズスカートを提案、性別と服の「なぜ?」を問いかけ(2017年6月27日)

 そもそもスカートは古代ヨーロッパで男女問わず着用されていたが、中世、近代、と時代の変容とともに女性の特有の衣服として認識され、浸透してきた。女性の服装は各時代における社会的地位と結びついているとされ、スカートの形状は男性優位社会のもと形成されたという説もある。一方で、16世紀に誕生したとされるスコットランドの「キルト」は現在でも催し物や祭礼の礼服として親しまれており、特定の地域での文化的なシンボルとして扱われてきた。

 現代において、ファッションとしての「メンズスカート」は成立するのだろうか?FASHIONSNAPが独自で行った「男性のファッションとしてのスカートはありか、なしか」というアンケートでは、僅かの差で「あり」(51%)、が「なし」(49%)を上回る結果になった。肯定派は「シェイプによるけどあり」や「女性が男性の服を着てるのに男性が女性の服を着たらキモいと云われるのはどうかと思う」「他人に不快感を与えないものなら、ありかなしかではなく自由でいい」などのコメントが寄せられた一方で、否定派は「気持ち悪い」や「論理的に理解できるが目が慣れない」などの意見が上がった。服装は着る人の自由だが実際にファッションとして取り入れるのは難易度が高い、といった意見が一般的のようだ。

 男性がスカートを着用する理由として、社会で決められたドレスコードへのアンチ精神や、体感的な暑さからの解放といった合理性、組み合わせて楽しむファッション性などいくつか挙げられるが、どこか風当たりが強いのが現状のようだ。しかし今は、違いを認め尊重する多様性の時代。固定概念にとらわれないデザイナーが支持を得ているように、本来の価値や新しい考え方を受け入れる土台は整いつつある。ファッションに性差がなくなり、男女共にスカートが日常のファッションとして一つの選択肢になるのは、遠い未来ではないかもしれない。

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