Shigeto Ichikawa

「ミドラ」のショーに見る、中堅デザイナーの期待と不安

市川重人

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 安藤大春「ミドラ(MIDDLA)」デザイナーが、ファッションイベント「アマゾン ファッション ウィーク東京(Amazon Fashion Week TOKYO)」で初のランウェイショーを行った。同デザイナーは、2015年春夏シーズンに「ミドラ」をスタートさせているが、その以前から別ブランドでクリエイション活動を続けてきた実力派でもある。現在はメンズライクなシャツ地を使ったワンピースがロングセラーとなり、ビジネスも安定している。3月上旬にはパリでショールームに出展し、海外バイヤーとの商談に臨んだ。「海外は欧州や米国、アジアなど計10店舗程度を取引を行っている」(安藤デザイナー)とし、海外卸も着実に進めている。

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 その一方で、多くの中堅デザイナーが同氏の動きに注目している。東京にはキャリア15~20年の中堅デザイナーが数多く存在しており、(市場規模が縮小しつつある)セレクトショップや専門店販路の奪い合いが年々激しくなっている。そこで中堅デザイナーから頭一つ抜け出すため、ファッションショーという選択肢がどのように作用するのか。周囲のデザイナーは、期待と不安を持って見ているはずである。安藤デザイナーは、数年前から「ブランドの知名度向上とビジネスを拡大させるため、単独のショーを行いたい」と語っていた。自身のブランドには「何かが足りない」と自覚し、アイコンとなるロングセラーを生み出した背景もある。そして、ファッションショーの先にブランドの未来があると思っている。

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 ここ数年、多くの中堅デザイナーが高い壁に阻まれた。海外ビジネスの厳しさや目減りする国内の取引先、勢いのある若手デザイナーの台頭により、次のステップに踏み出すことができなかった。また、ブランドを休止したデザイナーも少なくない。奇しくも、「ミドラ」の2018-19年秋冬コレクションを見ると、千鳥格子への異様なこだわりが見えた。織りやフロッキープリントで作り込んだ千鳥格子のレイヤードは、不思議と軽快なコントラストを生み出している。さらに、モデルの頭には鳥の羽根で構成するヘッドピースを配置。立ちはだかる高い壁を、鳥のように飛び越えることができるか、18-19年秋冬シーズンはその試金石になりそうだ。

>>MIDDLA 18年秋冬コレクション

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