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「コトハヨコザワ」デザイナー日高琴葉がZOZOと協業した理由とは?

市川重人

繊維ニュース 記者

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 ファッション・ウィーク初日は、楽天がダブレットを支援する狙いについて書いたが、今日はZOZOと日高琴葉デザイナーについて記したい。ZOZOが新たに立ち上げた、ネットで消費者に直接販売するD2C事業で、日高デザイナーとの協業ブランド「シンク コトハヨコザワ(SINK kotohayokozawa)」が展開されることになった。

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 6月にZOZOが協業相手を公募し、選定された芸能人やインフルエンサー、ユーチューバーなど計18組とD2Cブランドをスタートさせる。販売は10月下旬から。東京ファッション・ウィークでファッションショーを実施し、さらに2020年には「毎日ファッション大賞」新人賞・資生堂奨励賞を受賞している若手デザイナーが“ZOZOの公募に手を挙げる”という行為そのものに興味を持った。デザイナー本人に話を聞くと、心の迷いや躊躇が解消された明るい表情で将来を語ってくれた。

 若手実力派と表現できるデザイナーだが、ここ数年は「ずっと模索していた」と言う。デビューから約5年、徐々にサンプルの型数を増やし、取引先も増えてきた。百貨店の自主編集売り場やセレクトショップに商品が並ぶ中で、どこか釈然としない思いがあったようだ。「小売店のバイヤーや顧客には感謝しています。『コトハヨコザワ(kotohayokozawa)』を広めてくれたのは、間違いなくこうした人たちです」と語る。バイヤーの意見を聞き、顧客の購買動向を分析することでブランドをブラッシュアップすることもできた。ブランドの軸がブレることはなかったものの、展示会やコレクションの発表方法で迷いがあった。オリジナリティーよりも、バイヤーや顧客に向けて商品を作っていたのかも知れない。

 日高デザイナーは「ZOZOの公募を見て、すぐに応募しました。20代のうちにZOZOとD2Cブランドを展開できたことは、自分にとって大きな経験であり勉強でもあります」と打ち明けた。さらに「多くの人がネット環境の下で新作を見ることができます。都心や地方も関係なくフラットな環境で発表することもできます。地方に住んでいる人も『ゾゾタウン(ZOZOTOWN)』を通じて購入できますし、これはZOZOと協業しないと体験できないビジネスモデル。ブランドを客観的に見るのは初めての経験。今後は何が売れているのかも随時把握できると思います」としている。

 「コトハヨコザワ」で振り切ったクリエーションを発信し、「シンク コトハヨコザワ」でユニセックス仕様の等身大カジュアルウエアを提案する。販売が始まると、おそらく周囲の若手デザイナーから質問攻めにあうに違いない。日高デザイナーが応募した時点では「え?よくやるね」と冷たい反応があったらしい。シンクのサンプルを見たが、その完成度は高い。

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