Shigeto Ichikawa

G.V.G.V.とTTT_MSWが魅せた妖しくも艶のある男女

市川重人

繊維ニュース 記者

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 コレクション・ウィーク4日目、ある種の高揚感を持って迎えられたのが「ジーヴィジーヴィ(G.V.G.V.)」「ティー(TTT_MSW)」の2ブランドだった。前者はもうすぐ創業20周年という節目の年、後者は(今季のファッション・ウィークで)最も若いデザイナーによるランウェイショー。いずれもデザイナーの趣味嗜好が強く反映されている点で、興味深いコレクションになっている。

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 「ジーヴィジーヴィ」は、視覚効果を狙ったサイケデリックなパターンやフラワープリントを積極的に採用。荒々しい千鳥格子やドット柄もドレスに盛り込んだ。また、発色の強いオレンジやパープルを差し込み、サイケデリックなイメージを際立たせている。この20年でMUGデザイナーの心に残ったパターンやモチーフを甦らせ、最新ファッションとしてアップデートしている。また、同デザイナーが1990年代から好きだったという「ヒステリックグラマー(HYSTERIC GLAMOUR)」とのコラボも実現。モノトーンのブルゾンやスカートに「ヒス」のイラスト女性を切り取るようにプリントした。夜の「東京」を想起させる妖しいスタイリングも健在。無地のアイテムは殆どなく、大胆なパターンを組み合わせてルックを構成した点も特徴だ。「好きなモノは変わらないし、この20年でやってきたことを改めて見せたいと思った」とMUGは語る。

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 一方の「ティー」は、Amazon Fashionによるデザイナー支援プロジェクト「AT TOKYO」に選ばれ、ストーリー仕立てのショーを敢行した。同ブランドの玉田翔太デザイナーは現在24歳。筆者が2年前に合同展示会で取材した際、モダンなストリートウエアを標榜しながら、パンクやヒップホップのテイストをカジュアルウエアに採用していた。デザインと価格のバランスに長けていたが、サンプルの完成度はそれほど高くなかった記憶がある。しかし今回のショーで、そのイメージは一変。ダブルのジャケットやサテン素材のシャツ、ファーのアウターなど、マフィアを想起させるスタイリングで艶のある男性像を描き出した。全体的にウエアの完成度がアップし、年代や性別を超えたゾーンで勝負している。反社会的勢力のリアリティというよりも、想像の中で考え出したユニークなアウトレイジ。さらに新世代デザイナー玉田が思考する先鋭的なストリート感やエレガントなウエアも見てみたい。原宿にある取引先の店舗では消化率が高いとも聞く。そういえば、この世代は「現実的なリアリスト」が主流とされる。ショーの演出に目を奪われてしまったが、その後のビジネスもしっかり進めるのだろう。

>>G.V.G.V. 18年秋冬コレクション

>>TTT_MSW 18年秋冬コレクション

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