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店長に聞く路面店に客を呼ぶコツ -vol.1-「客層の見極めと世界観を伝えるディスプレイ」

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交通至便な駅ビルや多くのブランドやショップが入居するSCと違い、館の集客力に頼れない路面店は、独自の手法で集客する必要がある。店頭でどう商品を見せるのか、SNSでは何を伝えるのか、実際に来店した客とはどんなやり取りをしているのか。どうやって路面店で買い物する楽しさを味わってもらうのか。

今回は路面店の店長に客を呼ぶコツを聞いた。

客層見極めVMDを仕掛ける

ジョンブルプライベートラボ大阪店店長 東健太郎さん

「商業施設内の店と違い、路面店は館の集客に頼れないし、店に来るお客様も来店イコール買い物目的ではない」

東さんは、17年8月に店長に就任して以来、店の前を行き交う通行人の入店率を上げようと、正面入り口やウィンドーディスプレーで様々なアピールを継続的に仕掛けている。

9月はバッグを店頭の前面でアピール。ブランドはアパレル主力だが、店のある南船場エリアはサラリーマンも少なくないため、オンタイムに個性を楽しめるアイテムとして独自に提案した。

本部からVMDに関する指示はあるが「この店の立地で狙える客層を確実にとらえるため、変更や工夫も随時行う」。店頭でイチ押しする商品も「場合によっては、日によって変えることもある」という。

来店客を顧客化するためには「会話の引き出しを増やし、お客の心をいかに開くか。そしてどれだけ長く居てもらうかも路面店は大切」と考える。スタッフが会話力を磨けるように、休日の過ごし方や趣味など幅広い話題について積極的に話しかけるようにしている。「チェックすべき」と感じたことは、「あの店はもう見に行った?」と意図的に尋ねて店の周囲に関心を持つように促す。

顧客には特定のスタッフが専属で付くのではなく、接客中に別のスタッフも紹介するなど、全員で対応するようにしている。「店全体でお客様に対応することで、顧客の皆さんにいつ来ても楽しめ、居心地の良い店と感じてもらうことが出来る」という。

「路面店で働いていると、商業施設に行くより、街をのんびり回遊するのが好きな人もいるのを実感する。そういう人たちに当店のおもてなしで、気持ちよく買い物してもらい、顧客化していきたい」と東さんは考える。

狙った客層に向けて独自にVMDをアレンジしている

際立つディスプレー+世界観

アンアナザーアンジェラス・ブティック代官山店店長 依田裕子さん

店長として東京・新宿のファッションビルの店舗に約7年務めた後、2年ほど前に現在の店に異動した。集客策として特に意識しているのは、通りに面した入り口付近の2体のトルソーとショーウィンドーに並べる服飾雑貨のディスプレーだ。

代官山店の中心顧客は20代後半から50代までと、前に勤めていた店より幅広い層が訪れる。最近は店の前を通る外国人観光客も少なくないため、「入店してもらうためには、ディスプレーの工夫が欠かせない」。

トルソーは「目を引く色を着せた大人カジュアルを1体、個性的な古着テイストを1体」置くのがポイントだ。代官山かいわいにはビンテージ商品を販売する店が多いため、買い回りを意識している。

8月の業態変更に伴いパリで買い付けたビンテージのハットやシューズ、バッグ、古着なども扱うようになった。仕入れは依田さんに任されている。一点物の服飾雑貨をウィンドーに並べるようにしたことで「来街客が反応を示し、入店する機会も増えた」という。

顧客をつくるために必要なのは「スタッフを目当てに来店してくれるようになること」。そのため、スタッフには「お客様に自分をアピールすることが大切」だと教えている。

接客時はスタッフ全員が、自身の好きな服のテイストや得意なコーディネート、店のブログの名前などをアピールするように指導している。そうすることで「代官山店の○○さんにコーディネートを考えて欲しい」と来店するようになる。

同社の路面店は代官山店だけ。その分「お客様に業態の存在を発信する役割は大きい」と考えている。「店で買う高揚感や幸福感を提供するだけでなく、ブランドの世界観を伝えることが重要」と話す。

ビンテージの服飾雑貨は一つひとつが際立つように丁寧な陳列を心掛ける

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