ピクトリアリズムの写真家 Robert Demachyらの展覧会「ロベール・ドマシーなどのピクトリアリズム」が、Art Gallery M84にて、7月6日（土）まで開催中。
1800年代末期に一世を風靡した、写真の芸術性を追求する潮流 ピクトリアリズム。
当時、写真はその記録性のみが注目されていたため、芸術作品としての認識や評価がなされておらず、写真家は写真技術の科学者と同じ括りで扱われていた。
そうした状況に対し、芸術としての写真を目指す人々が不満を抱いたことで、写真を芸術と認知させるべく、絵画的な写真を目指す動きが広がっていった。
Robert Demachyは、ピクトリアリズムを代表する写真家の1人。
パリ郊外の裕福な銀行家のもとに生まれた彼もまた、自然などをそのまま写し撮った写真に反感を抱いていた。
さまざまな特殊技法を試み、視覚的な美を求め続けたDemachyの作品は、写真と美術の融合を試みた多くのピクトリアリズムの作品の中にあって、今もなお真の芸術的な価値を有している。
今展では、Robert Demachyをはじめ、Constant PuyoやEdward Steichenなど、ピクトリアリズムの写真家たちの作品群が並ぶ。
また、フランス政府が所有するRobert Demachyのオリジナルガラス原板から、政府公認のプリンター Claudine Sudreが焼き付けた11点のプラチナプリントや、写真美学を主張したグループ club photo de Parisの貴重な会報なども展示。
美を追い求めた当時の写真家たちの思いを感じさせるとともに、日本の現写真分野における芸術作品の位置付けについて考えるきっかけを与える空間となっている。
ひたすらに追究された、芸術としての在り方。
写真史上の一時代を築いた、絵画のように優美な作品群を、その目で確かめて。
ART GALLERY M84 03-3248-8454
【Pictorealism by Robert Demachy and the Others】
DATE：7月6日（土）まで開催中 ※日曜日休館
TIME：10:30am～6:30pm ※最終日は5:00pmまで
PLACE：Art Gallery M84
ADDRESS：東京都中央区銀座4-11-3 ウインド銀座ビル5階
ADMISSION：￥500
WEBSITE：artgallery-m84.com
