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一般市場にも普及、電動式の送風ファンをつけた「ファンウェア」に注目

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ジャケットやベストに電動式の送風ファンを付けて、夏場を涼しく過ごせる「ファンウェア」が一般市場にも広がりつつある。建設現場などワーキング分野では約3年前から急速に普及してきたが、スポーツ競技・観戦、キャンプ、野外ライブなど一般消費者を想定したファンウェアの開発が相次ぐ。夏服としては少し高価になるが、「熱中症対策が重視され、屋外活動全般に期待できる。来年の東京五輪では観戦者にも利用できそう」と関心を呼んでいる。(小田茂)

作業用品専門店のワークマンでは一般客向けの新業態「ワークマンプラス」で今春、電動ファン付きウェア「ウィンドコア」を発売した。背面に小型の電動ファン二つを取り付け、空気を循環させることで涼しくするもので、アウトドアや野外レジャーに提案する。まだ大きな数字は上がっていないが、夏本番に向けて「販売のピークに」と期待している。近年は異常気象が続いているため、「空調ウェアという製品を知ってもらい、新しい使用シーンを提案したい」構えだ。価格はファン・バッテリーセットでフード付きベスト1万4900円(税込み)、ジャケット1万5900円(同)と、ワーキング商品と比べて割安。生産量が限られるため、ECでは「1人1点のみ」に限定している。

レジャーやガーデニングなど新しい使用シーンに提案するワークマンの「ウィンドコア」

1万枚を完売

スポーツメーカーでもファンウェアへの参入が相次いでいる。ミズノは昨年2月からワーキング向けのファンウェア「エアリージャケット」を販売し、初年度予定の約1万枚を完売した。ホームセンターやオンラインショップでの購入はほとんどがワーキング用途で使われているようだか、今後は「園芸や庭いじり、スポーツ観戦、ウォーキングなど屋外活動全般の大人向け」に用途を広げたい考え。そこで、5月からは半袖ジャケット(7900円)も発売した。ファン・バッテリーセット(1万3800円)は別売り。

ミズノでは屋外活動を想定して半袖ジャケットを5月から発売

デサントはファン付きベスト「空流(クール)ジャック」のテスト販売を6月から開始する。帝人、電動工具メーカーのマキタ(愛知県安城市)と共同開発し、独自の「スマートチューブ構造」を採用した。独自構造により、ファン使用時の膨らみを抑えたシルエットにし、フロントファスナーを開けていても送風効果が変わらないようにした。バッテリー、ファン込みで4万9000円。

デサントの「空流ジャック」はスタイリッシュなシルエットにこだわった

ゴルフメーカーのプロギアは空調服(東京)と協業し、電動ファン付きゴルフウェア「エアーコンポ」を発売した。ゴルフ業界では熱中症への関心が高まっており、同社でも数年前から対策を検討していた。業界初の取り組みとなり「快適なプレーの実現と共にゴルフ場への来場促進にもつながるのでは」と期待する。半袖2万1600円、ベスト2万600円。

ファッションブランドもファンウェアに注目する。メンズアパレルのソフはユニフォームの実験的プロジェクト「ユニフォームエクスペリメント」で、ファン付きウェアを「フラグメントデザイン」「バートル」との三者協業で企画、販売を始めた。やはり送風時もスタイリッシュに見せるシルエットで、街着として着られる商品に仕上げた。色は黒のみで、4万9000円。

04年から販売

ファンウェアは空調服が04年に有償試着を開始したのが最初といわれる。11年の東日本大震災以降は節電意識が高まり、猛暑対策商品が増え、ファンウェアも徐々にワーキング現場に普及してきた。バッテリー性能の向上やファンの軽量化など商品改良も進んだ。しかし、日常使いとしては夏場の商品で2万~5万円と高価で、バッテリーなど重さもあるため、各社とも「今夏、新たな機能性ウェアとして、どれだけ普及するか」注視している。

(繊研新聞本紙19年6月4日付)

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