bodysong. 20年春夏コレクション
Image by: FASHIONSNAP.COM

Shigeto Ichikawa

乱立するアジアのファッションウィーク、東京の強みを生かせるか

市川重人

繊維ニュース 記者

フォローする:

bodysong. 20年春夏コレクション
Image by: FASHIONSNAP.COM
— ADの後に記事が続きます —

東京と同じく、10月14日に「ソウル ファッション・ウィーク」が開幕した。ここ数シーズン、東京とソウルの日程が重なり、バイヤーはどちらを選ぶか悩ましい問題にさらされている。10月4日に開幕した「台北ファッション・ウィーク」、10月9日にスタートした「上海ファッション・ウィーク」など、東アジアを巡るファッション・ウィークの主導権争いが激しさを増している。東京は東アジアで最も時期が遅いファッション・ウィークになりつつある。「パリ ファッション・ウィーク」のすぐ後に東アジアのウィークが乱立し、その中で各都市が優位性をアピールしているのが現状だ。

東京とソウルの日程が重なることについて、某有力ファッション・ディレクターは「いい加減、日程をずらしてほしい。お互いにとって良くない。(運営の)トップ同士が話し合い、有意義な解決策を探るべきだ」と話す。以前、ソウルへ取材に行った際、ウィークの主催者から「意図的に日程をぶつけている訳ではない。時期を考えた時に、どうしても東京と重なってしまう」と説明していた。ここで日程変更を待つだけではなく、急速にクリエーションレベルを向上させているソウルや上海に対抗するためにも、東京の強みをしっかり伝えていくことが重要だ。

bodysong. 20年春夏コレクション
bodysong. 20年春夏コレクション

15日は東京の強みになる2ブランドがファッションショーを行った。ストリートや音楽など様々な要素をミックスし、自由な作風でユニセックスウェアを制作する「ボディソング(BODYSONG.)」と、エッジの利いた造形的なクリエーションを得意とする「バルムング(BALMUNG)」がそれだ。意外かも知れないが、両ブランドとも東京都によるデザイナー支援事業「Tokyo 新人デザイナーファッション大賞」のプロ部門を受賞している。プロ部門はビジネススキルや事業戦略を精査するスクリーニングがあり、両者とも厳しい審査を通ってきた。近年は海外の卸先を増やし、さらに中華圏でのビジネスを確立しようとしている。

BALMUNG 20年春夏コレクション
BALMUNG 20年春夏コレクション

即興的なデザインと言われる「ボディソング」は、中華圏に10店舗前後の卸先がある。海外での評価は、見て「東京」と分かるデザインだ。現在はデザイナー名が非公開になっているが、デザイナーのA氏は「海外でビジネスを広げたい。東京での活動がPRにもなるので、音楽を絡めた特徴的なショーをしていきたい」と以前に話していた。今季の破壊的なディテールと男女の性差を探るようなクリエーションは、東京の都市部や社会性を表現しているようで面白い。一方、無機質な素材とカラーで造形的なレイヤードを構成、さらに捨てられた家財道具や日用品が散乱するショー会場に仕立てたのが「バルムング」だ。こちらも中華圏で10店舗前後の取引先がある。モデルは近未来的でインダストリアルなウェアを纏っているが、ショー自体は、将来の東京を想起させる空虚で不気味な演出だった。

>>bodysong. 20年春夏コレクション
>>BALMUNG 20年春夏コレクション
■ファッションウィークの最新情報:特設サイト

【市川重人の東コレポスト】
楽天の目に「ティート トウキョウ」はどう映ったのか?
ドメスティックの殻を破り、インターナショナルへの扉を開く「チノ 」
4年ぶりにショーを行った「メルシーボークー、」の狙い、過渡期をさらけだす潔さ
「スリュー」の植木沙織とは何者なのか、強烈なオリジナリティの根源

市川重人

最新の関連記事

Realtime

現在の人気記事

    次の記事を探す

    Ranking Top 10

    アクセスランキング