SREU 2020年春夏コレクション
Image by: FASHIONSNAP.COM

Shigeto Ichikawa

「スリュー」の植木沙織とは何者なのか、強烈なオリジナリティの根源

市川重人

繊維ニュース 記者

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SREU 2020年春夏コレクション
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ファッションイベント「楽天ファッション・ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」も終盤戦に入り、周囲から「どのブランドが一番良かったですか?」と聞かれることが多くなってきた。何をもって一番とするのかは難しい選択だが、ファッションショーを見て非常に驚いたブランドがある。古着やデッドストックのアイテムを巧みにリメイクし、完成度の高いコレクションに仕上げていた「スリュー(SREU)」がそれだ。以前は「フルギニレース(FURUGI-NI-LACE)」というブランド名でリメイク服を展開していたが、カジュアルなイメージを一新し、フォーマルライクなアイテムに昇華していた。

SREU 2020年春夏コレクション ©︎FASHIONSNAP.COM

洗練されたデニムのセットアップやレース仕様のブラックカラードレス、異素材パッチワークのパンツもカジュアルな印象はなく、シャープなカッティングとレベルの高い縫製技術を反映させている。この点を、植木沙織デザイナーに聞くと「すべてアトリエで制作しました」とのこと。リメイク服の完成度を高めるのは大変な作業と推測するが「分かってくれました? コレクションブランドとしてもう一段(クリエーション)レベルを上げたかった」と笑顔で語っている。また、バイヤーからオーダーをもらった時点で量産に取り掛かり、アトリエで一点ずつ制作するという。デッドストックの商品や生地は使い終わった時点で終了。追加オーダーがあれば、似た素材で同じデザインの商品を作る。ちょっと心配になり、オーダーが増えたらどうするのかと聞くと「しっかり対応できます。今までも自分たちで制作してきましたから」と説明してくれた。

SREU 2020年春夏コレクション ©︎FASHIONSNAP.COM

ブランド哲学を話す姿もよどみがなく、明確にビジョンを見据えている。セルリアンタワー東急ホテルのガーデンラウンジを使ってのショーは、ブランドイメージを高めるには打ってつけの会場だった。陽光が射す吹き抜けの空間は、アイテムの素材やディテールを際立たせる効果もあった。余談だが、東急ホテルの人に話を聞くと「ラウンジをショーに開放するのは初めて。最初はどうなるのかと思いましたが、観て感動しました」と話していた。

話は逸れたが、以前から欧州、アジア地域のビジネスが拡大しており、海外売上比率が6割を超えるブランドでもある。パリのショールームで商談をしながら課題を見つけ、ブランドの方向性を模索してきた。「フルギニレース時代から海外のセレクトショップと取引をしています。しかし、海外でさらに売り上げを伸ばすにはブランディングを再検討する必要がありました」とする。生地の選定やカッティング、ルックに使う配色、縫製、スタイリングを再考した。この作業は「相当大変でした」と述懐する。既に、ハーベイ・ニコルズ、I.T.(いずれも香港)といった有力店舗が「スリュー」の商品を買い付け、その強烈なオリジナリティーに注目している。リメイクで力をつけた植木デザイナーが目指す先は、さらなる海外進出なのか。今回のショーが、きっとターニングポイントになるに違いない。

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