Mitsuhiro Minami

価格競争を強いられるネット通販の現状

南 充浩

繊維業界記者・ライター兼広報アドバイザー

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先日、Amazonで恐る恐る買ったナイキエアマックスフレア50のクッション性がよくて脚が疲れにくいから、エアマックス系のスニーカーをもう一足買おうと思った。

さすがにエアクッションは効果があると感じる。

一日中立ち仕事をしても脚の疲れがマシである。まったく疲れないことはないが、ソールの硬い靴に比べると体感は半減以下である。

しかし、いくら具合が良かったといっても、同じ靴をもう一足買うのもなんだかおかしい。

なので今度は違う色、違うモデルにしようと思って、いろいろと探して値段を比較した。そこで選んだのが白いナイキエアマックスオケトである。

定価は8000円台後半なので、恐らくはそこまで性能は高くないのだろうと思う。

気に入った点は、エアクッションがソールに内蔵されていることはもちろんだが、ソールが一体成型になっていて、すり減りがわかりにくいという点だった。

ソールの一番底に薄く別色が貼られているのはすり減りが目立ちやすいので嫌だった。これはランニングシューズにはよくあるディテールで、運動経験の乏しい当方は、それがすり減って白いのが見えてきたら替え時だと聞いている。本当かどうかはわからないが。

とにかく、その別色が貼られていないところが気に入った。

そこでお得意のAmazonとYahoo!ショッピングでいろいろと価格を比較した。

だいたい6500~8000円程度で売られている。中には4900円みたいなのもあったが、それは残っているサイズに偏りがあったからだった。

ネット通販は実店舗以上に短期間で値段が上下動することが多いので、2~3週間、値動きを観察してみた。観察している間に売り切れてしまったら、それは縁がなかったということでまた別の商品を探すだけの話である。

脚が疲れないスニーカーというのは当方にとって必需品ではあるものの、今すぐに買わねばならないというほどの緊急性はない。ほかにも靴はたくさん持っている。

AmazonとYahoo!ショッピングを観察すること3週間くらいが経過したが、そんなに大きな値動きは見せなかった。

値段は安いにこしたことはないし、送料は無料にこしたことはない。

プライム会員ではないが、6000円台の買い物なのでAmazonでもマーケットプレイス以外は送料無料である。

で、価格を比較した結果、一番安かったのがYahoo!ショッピングの中のストアで6580円だった。白地に黒のモデルを選んだ。サイズは28センチを選んだ。

靴を選ぶときに一番恐ろしいのはサイズである。

洋服なら少し小さくても着用できないということは少ないが、靴は0・5センチサイズが小さいだけで足さえ入れられなくなる。

当方の足のサイズはEEEなどの幅広い靴なら27・5センチである。

まれに4Eになると27センチでも履ける。要するに幅広いということである。

以前に履いていたプーマやアディダスのスニーカーの8割くらいは27・5センチだった。しかし、2年前に買ったリーボックのフューリーライトは27・5では小さすぎて足さえ入らず28センチを買った。

この0・5センチの見極めが本当に難しい。とくに試着せずに買うネット通販はなおさらだ。

しかし、前回に買ったナイキエアマックスフレア50が28センチでちょうどだったので、同じエアマックスシリーズならサイズ感は同じだろうと考えて、今回も28センチを選んだ。

Yahoo!ショッピングには、同じモデルでABCマートが限定の白地×赤スウィッシュの商品を6589円で販売していた。9円高いということと、赤よりは黒の方がいろいろな服に合わせやすいと考えて、6580円で28センチをポチった。

送付されてきた物を試着すると、やはり28センチでちょうどで27・5センチを選んでいたら小さかった。

やれやれ。である。

で、今回も思ったのだが、ナイキとかアディダスとか、そういう強いブランド品(ナショナルブランド)を売っているなら、ネット通販は価格競争せざるを得ないということだ。

なぜなら、同じエアマックスオケトの白が6580円で売られているのと、8000円で売られているならどちらで多くの人が買うだろうか。

たった1500円くらいの差だが、わざわざ1500円高い方で買いたいという人はほとんどいないだろう。

その点ABCマートは独自の別注色として、白地×赤スウィッシュを発売しているが、それは値崩れを防ぐ効果的な手段の一つだといえる。

もっともそのABCマート自体が底値と9円しか変わらない値段を提示しているので、値崩れ防止ではなく、安さ+独自性で客を引き込もうとした狙いだと考えられるのだが。

値崩れを防ぐには、ナイキやアディダスなどのナショナルブランドを販売しているなら、別注色とかそういう独自商品を作ってもらうほかない。

しかし、メーカー側とすれば、別注を作るのは手間がかかるから、よほどの大手や販売力のある店としかやりたがらない。

大手なら生産数量は見込めるし、販売力のある店なら、そこそこの注文数は期待できるし、注文した数量は売りさばいてくれるからだ。

こうして考えてみると、ナショナルブランドを主体とした小売店がネット通販に参入して、高い売上高を稼ぐのはかなり難しいといえる。ABCマートほどの大資本になれば別注色を作ってそれを売ればある程度の消化は見込めるが、小資本の店舗なら価格競争に巻き込まれてお終いである。

当方のように、同じエアマックスオケトの白なら6580円で十分と考える消費者の方がマス層なのである。

ちょっと長くなってきたので別稿に改めたいが、ナショナルブランドの仕入れで成り立っている小資本の店舗がネット通販で売上高を稼ぐのは不可能に近く、在庫処分場の一つくらいに考えるしかないのではないかと、6580円を買いながら思った次第だ。

南 充浩

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