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優しくて野暮ったい"茶ベージュ系"に注目、11月の東京トレンドは?

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ACROSS編集部

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(ちょっと振り返って)2019年11月の「定点観測」の考察レポートを公開。

2019年11月9日(土)、第468回「定点観測」は、「茶ベージュ系アイテム、うち、茶ベージュ系アウター」、「ローゲージニット」、「ローファー/デザインローファー」に注目した。

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女性茶ベージュ系アイテム、うち、茶ベージュ系アウター
くすんだ茶系〜オフホワイトが気分の今秋。

"着るものに失敗しなければ"ちょうどいい気候となった2019年11月の定点観測。この"失敗しない"ようにするために、家を出るときに"何を着ていこうか?"と悩む季節でもある。

11月も後半になると、ぐっと冷え込み、「新生渋谷パルコ」が3年3ヵ月の建替え期間を経て、リオープンした22日の最高気温は8.5度、最低気温は6.7度となったが、定点観測を実施した9日は、最高気温が17,4度、最低気温が11.3度だった。

10月以上に、月初と月末で季節感がぐっと変わった11月。プレサーベイをした結果、アウターのデザインは多種多様。なかにはシャツだけでアウターなしという人も少なくなく、今回ズームアップアイテムでも取り上げるが、太番手のざっくりとしたニットトップスだけというスタイルも目立った。

では、そこに共通するもの、ニュアンスは何だろう?と観察とギロンを重ねた結果、"くすんだ感じの色や温かみのあるカフェオレやキャラメルのような色合い〜もっさり〜野暮ったい感じ〜クラシック"ではないかということに行き着き、メインテーマは、ボルドーやカーキ(グリーン系)と並んで今秋冬のトレンドカラー(流行色)とされている「茶系」に注目することにした

左は2018年10月の定点観測でインタビューさせて頂いた方々。右は2019年10月。色がカラフルだった2018年と比べて、トップスが、茶ベージュ系の柔らかいカラートーンに変化しているのが分かる。

「ACROSS」の「定点観測」のページから「ヒトで観る」というコーナーがあるが、スクロールしていくと、ストリートっぽいトレンド、スポーツミックスのトレンドからの「ヴィヴィッドカラー」のアウターが目立った1年前と色のニュアンスが変化していることがわかる(左が2018年10月、右が2019年10月)。

ホワイトモカというか、カフェオレのような色味が多い2019年秋。
寅さん風のジャケットなど、野暮ったいニュアンスもトレンドだ。

もっとも目立ったのは、スターバックスでいうところの「ホワイトモカ」のようなくすんだベージュ系のアウターを着用している女性たち。ちょっとメンズっぽいニュアンスの感じられるカバーオールやオーバーサイズのテーラードジャケット(ちょっと寅さんっぽいヴィンテージ感、野暮ったさも)が新鮮だが、昨年より人気のボアアウターも白ではなく、カフェモカのような色味のものが目立っていた。

「夏とか気合いが入ってない時はらくちんなオールブラックが多く、今秋はいろんなコーディネートを楽しみたいと思って茶系にチャレンジしました」19歳/大学生

「香港からリサーチで東京に来ています。今日のテーマは茶色。自分で"ouat.hello"というブランドをやっています」25歳/ファッションデザイナー

2008年ごろストリートに浮上し話題になった"森ガール"が進化したような、オーガニック感ある白〜茶ベージュ系で前身をワントーン・コーディネートする女性も多かった。

*   *   *

人気急上昇中のチルデンセーターはペールトーンのものも登場(いちばん左)/80sのフィッチェのようなカラフルなニットもストリートで見られるようになってきた(左から2番め)/トライバル柄も人気だ(右から2番目)/編み地のデザインも多様になってきた(いちばん右)。

ローゲージニット: フレンチカジュアルのようなスクールライクと、 野暮ったいヤンキーカンカクが混在。

実は、2018年11月に「女性プルオーバートップス、うち、ニット」として取り上げたが、当時、表面がスムーズで上品なイメージのハイゲージではなく、ざっくり編んだアランニットや、ケーブル編みのような立体的なデザインのニットが人気で、フレンチカジュアル風のVネックのカーディガンタイプやセーター、またはベストなどが人気だ。

パリや東京のコレクションでも、いくつかのブランドが白地にネイビーのラインが入ったチルデンセーターの着こなしが提案されており、スクールスタイルともいえるルックは早くも東京のストリートでも散見された。

一方、「ベルベルジン」など人気の古着屋さんでは、その昔、80sにビートたけしがテレビでよく着用していたカラフルで奇抜なフィッチェのニットなども人気急上昇中。その野暮ったい、ヤンキーマインドがチラ見えするニュアンスは今秋冬も継続しており、今冬のトレンドとして浮上しそうだ。

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ローファー/デザインローファー:
とにかく多かったグッチ風のビットモカ。
ある周期で回帰する、ローファーは日本人のファッションの原点?

数年前から『POPEYE』を読むような昔のファッション、クラシックスタイルをアレンジしたようなスタイルを好む男性のグループには、+白ソックスで履かれていた「ローファー」に注目することにした。

もちろん、量的にはスニーカーの方がレザーシューズより多いのだが、経年変化でみると、若干ピークが落ち着いて、おしゃれに関心の高い人からレザーシューズを履くようになっているところに、女性のファッションのトレンドがややマニッシュに寄ってきているのと相まって、ちょうどいいレザーシューズであるローファーが増えてきている。

若い男子にはやや高級な紳士靴ブランドのローファーやセレクトショップ別注のもの、または古着屋で購入した同様のものが支持されており、女性はビットが付いていたり、タッセルがあしらわれていたり、ソール部分がギザギザになったものなど、"デザイン・ローファー"ともいうようなものも登場。合わせて注目した。

正統派のローファーがメインではありますが、デザイン・ローファーにも注目しておきたいと思います。

リサーチしてみたら、既にGUなどでもドレスシューズとしてリリースされており、なんと「590円」!に値下げされ、しかもソールドアウトとなっていた!

「最近、着たい服がなくて、久しぶりに高校の時に着ていたスウェット&スカートを着てみたら、足元にスニーカーを合わせるのは微妙に幼過ぎると思い、やはり高校の時に履いていたローファーと白ソックスを合わせました。ちょっとコスプレ感覚に近いかもしれません(笑)」21歳/大学生

消費者/生活者視点からみると、「買う」市場よりも「売る」市場の方が伸張している2019年、彼女が話してくれたような"着たい服がわからない"という感覚はとっても今の時代を反映しているともいえる。そして、そういうときに、ふと(高校のときの)制服に回帰するのが、実は日本の若者のファッションの原点なのかもしれない。

[文責/高野公三子(本誌編集長)]

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