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イオングループのコックスがマスク市場参入で好調、接触冷感マスクがヒット

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 化粧品業界からは「口紅が売れなくて困った」という嘆きの声が上がっている。また、チューイングガムや口臭ケア商品も同様に売り上げが激減している。逆にウェアが売れないアパレルメーカーは、マスクで売り上げを作ろうと工夫を凝らしたマスクの生産・販売に躍起になっている。6月にユニクロ原宿店、ユニクロTOKYOを銀座にオープンしたファーストリテイリングがエアリズムマスクで旋風を巻き起こしているのは周知の通りだ。夏に突入して接触冷感マスクが不織布マスクに代わって、人気商品になっているのだ。いわゆるキシリトール加工で冷感を得ているのだが、この接触冷感マスクで万年赤字企業が一気にマスク市場の大本命に名乗りを上げている。

 コックスというジャスダック市場に上場しているカジュアルメーカーがその企業だ。国内238店舗を展開し、1800人の従業員を擁する。イオンがその株式の66.92%、イオングループの食品スーパーのマックスバリュ西日本が同1.94%、イオンフィナンシャルサービスが同1.76%、同じくグループの靴専門店ジーフットが同0.91%を保有している典型的なグループ子会社である。

 ここ3年のコックスの2月決算を列挙すると(単位億円。売上高、営業利益、経常利益、当期利益):
2018年:200.55/−4.14/−2.61/−7.16
2019年:191.27/−13.49/−11.21/−16.50
2020年:171.30/−5.95/−4.44/−6.97

 赤字続きである。簡単にいってイオングループのお荷物企業といっていい存在だ。しかし、今年4月以降そのコックスに春がやってきたのだ。自社開発のマスクビジネスの第1弾は「やわマスク」で4月2日に発表され、好評をもって迎えられた。これに続いて「ぴたマスク」(1枚400円、税別)を市場投入したが、これも好評。さらに6月1日予約販売を開始した接触冷感マスク「ひやマスク」(1枚600円、税別)が大ブレイクした。これを受けてイオンは、6月10日に「ぴたマスク」と「ひやマスク」の両マスクグループで500万枚を販売すると発表した。イオンにしたら親不孝のお荷物企業が「ようやってくれた」というところだろう。

 この一連のマスク戦略で、6月9日に195円だったコックスの株価は6月12日にはほぼ倍の370円まで暴騰している。もともと前述したようにイオングループが全体の約70%を保有しているために、ちょっとした買いで株価が跳ね上がる嫌いはあったのだが、3日で株価が2倍とは猛烈である。コックスのマスクは中国製でその生産は大丈夫なのかと心配されるが、同社によれば「問題なし」とのこと。1枚600円として500万枚となれば、小売価格で30億円。コックスからイオングループの卸値は15億円程度だから、年商171億円のコックスにとっては、1割にもならない売り上げだが、「マスクのコックス」という市場での定評が出来上がったのは大きいだろう。

 もはや、マスクは日常の必須アイテムとして、これからしばらく、いやこれからずーっと我々にとっては必需品になるわけで、今後のマスク市場でどんなヒット商品が生まれてくるのか、注目したい。

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