国際的な開発目標である「SDGs(持続可能な開発目標)」の注目が高まっています。企業としてもSDGsへの対応が急がれるなか、未来を担うアラウンド20たちはどのような意識を持っているのでしょうか。
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6割が「関心がある」
シブヤ109ラボでアラウンド20の男女800人を対象にSDGsに対する意識調査を実施したところ、社会的課題の解決について、約6割が「関心がある」と回答する結果となりました。
この結果について、関心度が意外にも高い印象を受ける方が多いようですが、アラウンド20を取り巻く環境において、社会的課題との接点が増えているのが実状であるため、これはごく自然なことと言えます。
彼らの社会的課題との接点は大きく二つあります。一つは学校教育です。今のアラウンド20は幼いころからの教育課程で社会的問題との接点が多くなっていることが分かっています。
グループインタビューでも、高校では英語や地理など、様々な授業のテーマとして社会的課題が取り扱われており、大学では社会的課題について学ぶ学部が設置されている学校もあるなどの実態が多く聞かれています。社会的課題について知るきっかけについても、ウェブ調査の結果からは「学校の授業」が約4割と最も多い結果となっており、影響が大きいことが見て取れます。
二つ目はSNSでの情報接触です。近年、SNSを介して社会的課題に接触する頻度が格段に上がっています。直近では米国での黒人差別への抗議活動である「#BlackLivesMatter」や、「動物愛護法の各種数値規制改正案」などがアラウンド20からも注目されていますが、それぞれインフルエンサーや友人のSNS投稿で見かけたことが、知るきっかけになったという声も多く聞かれました。
またコロナ禍のおうち時間でインフルエンサーの発信に向き合う時間が増えたことにより、社会的課題の実態について自らウェブで調べたり、本を読み始めるなど、社会的課題に関する知識深耕に対して積極的な姿勢をとるアラウンド20も増える傾向がみられます。
理解を深める場を
社会的課題に対する関心が高まっている一方、具体的なアクションにはつながっていないのが実情です。ウェブ調査の結果でも、「関心はあるが、特に具体的に取り組んでいることはない」と回答した人が約4割と最多です。企業の社会的課題に対する活動について好印象を受けてはいるものの、一緒に取り組める〝場〟が少ないということがボトルネックとなっていることが分かります。
そのためSDGsについて、体験を交えながら理解を深める機会を増やすことが、アラウンド20のSDGsに対する関心をアクションへ変換する契機となることが考えられ、今後企業に求められる取り組み方の一つとなるかもしれません。彼らの消費行動の特徴でもある「共創する余白」をつくりつつ、若者を巻き込み〝一緒に〟SDGsに向き合っていく姿勢をとることがポイントです。
シブヤ109ラボ所長。総合マーケティング会社で、主に化粧品・食品・玩具メーカーの商品開発・ブランディング・ターゲット設定のための調査やPRサポートを経て現職。毎月200人の若者と接する毎日を過ごしている。好きなものは、うどん、カラオケ、ドライブ。今年の目標は、東京以外の都道府県で若者セミナーに登壇すること。若者マーケターとしてTV出演も果たしたい!
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