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ファッションビジネスは今、何をすべきか -vol.1-アフターコロナを見据えて「商社・繊維事業」編

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 商社の繊維事業は新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けている。21年3月期の第1四半期を見ても明らかだ。百貨店やアパレル、専門店などの休業が大きく響き、アパレルOEM(相手先ブランドによる生産)が苦戦、小売り事業はもっと厳しい。

■異なるニーズ

 早急な立て直しが必要だが簡単ではない。OEMはアパレル、小売りの在庫過多、回復の鈍さから秋冬物のオーダーが減り、影響は長く続きそうだ。生地販売も今春夏物の在庫が残っており、「21年春夏の生地需要は例年の1、2割しかない」との声も聞かれる。

 アパレル、小売り顧客との組み方が大きく変わるだろう。これまで大半だった店舗での販売が、今後はEC販売に頼らざるを得ない。店舗のショールーム化は進み、売り方が大きく変わる。商社がサポートすべき課題が目の前にある。EC販売を急速に拡大させるためのサポート。顧客によってニーズは異なり、商社によってもできることは異なる。EC販売に大きく舵(かじ)を切る顧客をどうサポートするか、従来のOEM・ODM(相手先ブランドによる設計・生産)のプラットフォームを活用し、どうECと密接に結びつけるか。取り組みの規模とスピード、力量で大きな差がつく。

■変わるプレーヤー

 大手、有力アパレルや小売業がブランド廃止や大量の退店を決断している。SPA(製造小売業)の成功モデルとも言われたブランドをはじめ、多くのブランドが消える。

 近年の日本のアパレル市場規模は10兆円。コロナ禍の前から縮小は始まっており、コロナによって拍車がかかって見えるが、悲観するほど小さな市場ではない。これまでが恵まれすぎではなかったか。アパレル、小売りともに旧来型のビジネスモデルが通じなくなり、プレーヤーや売り方、売れる商品が大きく変わるタイミングなのかもしれない。

 スタイレムは欧米、中国、日本などでEC発など新興ブランド向けを伸ばしている。バリエーション豊かな生地のストック機能が、小ロットと「在庫を持ちたくない」というニーズに合致し、成長企業をつかまえ始めている。小さな時からサポートし、一緒に成長する戦略だ。

 ファストファッションに以前の勢いはない。欧米ブランドも本国を守るのに必死で日本市場からの撤退や縮小を始めている。百貨店、ファッションビル、SCは一部を除き、店舗集めに四苦八苦する。新興勢力が伸びる下地が揃っている。それぞれの個性を生かしながら、商社が製造、ECなどの販売面を含めたプラットフォームを提供し、成長を支える。市場が小さくなったとしても、繊維・衣料、ファッション事業でやれること、やるべきことはまだたくさんある。

(繊研新聞本紙20年8月13日付)

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