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消費税総額表示で生じるファッション業界の変化とは、価格政策について考える

消費税総額表示で生じるファッション業界の変化とは、価格政策について考える

ファッション流通コンサルタント ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
ファッション流通ブログde業界関心事

先週、ファーストリテイリングのジーユーが来春から最大30%の値下げ宣言をしたニュースが話題になりました。

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都心で販売している比較的高額品の需要の戻りが遅く、一方、郊外が堅調なことから、消費者の先行き不安から、一層の低価格指向が進むと見て、市場では、あらためてデフレが進むことが懸念されています。

また、4月からの消費税の総額表示の義務化により、価格設定、店頭での見え方次第では、売れ行きにも影響があるでしょうね。

過去の増税の時にも、高くなったように見えるのはご法度で、わかりやすさも大切であることは、各社さん、それぞれの反省から学ぶべきかと思います。

筆者が一番恐れるのは、市場全体が更に低価格指向になることで、より安く作ることを考える、つまり、原価低減合戦が進むことです。

それは、コロナ以前に、懲りたはずではなかったでしょうか?

安く作るためには、人件費の安いところでつくる、ロットが大きくなる、リードタイムが長くなる。

その結果、ファッション商品にとっては在庫リスクが大きくなり、たくさんの値下げをし、たくさんの売れ残り在庫を抱えたということを忘れてはいけません。

来春以降、販売価格は下がる可能性は高いでしょう。

しかし、期中値下げで対応ではなく、当初から顧客が求める適正価格を考え抜き、コスパを感じてもらえるように、適正原価でつくる。

そして、出来るだけ値下げをしなくていいように、計画段階から在庫最適化と期中のオペレーションを改善して頂きたいです。

せっかく高まり始めた過剰在庫を残さないための意識。これからは量を売る売上至上主義から在庫をコントロールして粗利を最大化される時代です。

執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

最終更新日:

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