「エコニール」の循環リサイクルイメージ
伊藤忠商事は、リサイクルナイロンブランド「エコニール」を生産・販売する伊のアクアフィルとナイロン循環リサイクル事業の推進、拡大で業務提携した。今後ナイロン廃棄物の回収から再生ナイロンを原料とした最終製品の開発・販売面で協業する。関連製品で初年度売上高20億円を目指す。
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アクアフィルの生産拠点で、ナイロンのケミカルリサイクルを手掛けるのはスロベニア。リサイクルCPL(カプロラクタム)の生産能力は年間6万トンで、現在の生産量は4万トン程度という。新たな再処理工場をアジア、米国などを候補に建設し、拠点を増やす。
幅広い分野で使われるナイロンは他原料との複合も多くリサイクルが難しい。アクアフィルは、独自技術でナイロン廃棄物をケミカルリサイクルで粗原料であるCPLまで戻し、不純物などを完全に除去。バージン材と同等品質で再利用できる循環リサイクルシステムを構築し、11年からスロベニアで漁網やカーペットなどの廃棄物を原料に再生ナイロン、エコニールの生産を始めた。エコニールは100%廃棄物から再生し、通常ナイロンと比べてCO2排出量を最大90%削減できるという。「グッチ」「プラダ」「バーバリー」といったファッションブランドやカーペット業界中心に、全世界2000社以上で採用されているという。
伊藤忠はナイロン原料であるCPLやナイロンチップを「数量ベースで世界最大規模で取り扱っている」とし、多彩なバリューチェーンを持つ。今後、既存の販売チェーンからの廃棄用ナイロンの回収スキームを構築する予定で、アクアフィルに原料を安定供給する。漁網やカーペット、廃棄衣料品などを国内含む、全世界から回収し、ファッション分野では日本、アジアを中心に拡販。またフィルム、自動車部材、漁網などでエコニールの新規用途の開発も進める。
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