「ノルディスク」2021年春夏コレクションより
Image by: ボールドマン
デンマーク発のアウトドア用品ブランド「ノルディスク」が、ライフスタイルラインの展開を2021年春夏シーズンから開始した。製造・卸・小売を手掛けるのは繊維商社ヤギの子会社ボールドマン。ノルディスクはテントやキャンプ用品が人気を集めるが、アパレルを展開するのは初めてだという。
ノルディスクは1901年に創業。シロクマのマークが目印で、コットン素材を使ったテント商品などのキャンプアイテムを製造・販売している。キャンプ用品市場ではハイエンドのブランドとして知られ、スタイリッシュなデザインからヨーロッパを中心に高い支持を得ている。
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ライフスタイルラインの立ち上げはアウトドアブームを背景に、ボールドマンとノルディスクジャパンの意向が合致したことから実現。顧客からも「テント以外で世界観を感じたい」という声も出てきていたという。ボールドマンは2017年からノルディスク社が保有するダウン製品に定評のあるデンマークのアウトドアブランド「イエティ(Yeti)」の日本での販売におけるライセンス契約を締結しており、一部取り扱い店舗では人気アイテムが即完売するなど日本市場で着実に成長していることも起因の一つとなった。
ノルディスク2021年春夏コレクションのアイテム
ライフスタイルラインではアパレルからタオルなどの雑貨まで幅広く展開し、メインアイテムに使用している難燃・撥⽔加工を施したコットンリネンのキャンバス素材は独自に開発。ブランドが打ち出す「ヒュッゲ(=居心地の良い空間や時間)」の世界観と、「長く使い続けてほしい」という思いを耐久性のある素材で体現したという。シャツで2万円台と、アウトドアウェア市場ではやや高価格帯に位置するが、ライフスタイルラインでもハイエンド路線を打ち出す。
アイテムはJR葛西臨海公園駅構内高架下のパークアウトドア施設「エフエフ(Ff)」内に構える直営店舗「ヒュッゲストア バイ ノルディスク(HYGGE STORE by NORDISK)」のほか、都内大手セレクト各社を始めとするセレクトショップ、専門店で順次取り扱いを開始している。ヤギの取締役でボールドマン社長の杉岡弘康氏はヒュッゲストアの手応えについては「想像以上」と話しており、3月後半からは「ビオトープ(BIOTOP)」でのポップアップ開催を予定するなど、販路を拡大していく方針。デンマーク本国をはじめ、日本国外への卸販売の考えもあるという。コレクションは春夏・秋冬の年2回コレクションを発表していく計画だ。
新型コロナウイルスの感染拡大でキャンプをはじめとするアウトドアブームが加速しており、ノルディスクのライフスタイルラインにとっても追い風となりそうだが、杉岡氏によるとコロナ禍で大掛かりな販促プロモーションを行えないのがネックになっているという。小売の面では不利な状況が続くが、杉岡氏は「新型コロナウィルス感染拡大の影響を機に人々のライフスタイルに対する考え方が変わり、自然と触れ合う楽しみ方が広がった。ノルディスクはもともとアウトドアで支持されているブランドなので、ライフスタイルラインのポテンシャルは高いと思っている」と、今後の見通しについては前向きだ。
「ヒュッゲ」は欧米で2017年に注目され、トレンドワードとしてメディアにも取り上げられた。現在はブームが落ち着いているが、杉岡氏は「当時、日本では言葉だけが先走っていた印象があるので、ノルディスクのライフスタイルラインを通じて、ウィズコロナの中であたたかい気持ちになれるような商品群を展開し、本質的にヒュッゲを伝えていけたら」と意欲を示し、デイリーウェアとしての提案も強化することでシェア拡大を目指す。
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