米国拠点のNPO(非営利組織)、テキスタイルエクスチェンジ(TE)によると、19~20綿花年度(19年8月~20年7月)の世界のオーガニックコットン(OC)生産高が前年度に比べて4%増の24万9153トンになった。4年連続で増加し、過去最高を記録。20~21綿花年度はさらに48%増になる見通しだ。
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生産高のうち、上位7カ国で95%を占める。トップはインド(12万4244トン)で49.8%。続いて中国(3万589トン)、キルギス(2万9415トン)、トルコ(2万4288トン)、タンザニア(1万1285トン)、タジキスタン(1万471トン)、米国(6913トン)。この中で増産に貢献したのは、前年度比6004トン増のタンザニアと、5778トン増のキルギスだった。19~20綿花年度のOCの作付面積は58万8425ヘクタールで、それ以外に5万552ヘクタールが有機栽培へ転換中という。OC生産農家は22万9280。
OCの生産高は全綿花生産高のうち1%程度とわずかだが、昨今はSDGs(持続可能な開発目標)の潮流が追い風だ。より自然環境や労働者の人権に配慮した素材を選ぼうと、その選択肢の一つとしてOCに目が向けられている。中国・新疆ウイグル自治区の人権問題に関わる新疆綿を避ける動きもあって需要は一層膨らんできた。
20~21綿花年度にOC生産高が急増する予測についてTEは、「主にインド、トルコによる成長」という。同年度にインドは48%増の18万4000トンになる見通し。とはいえ、昨秋にインドでの認証偽装の問題がGOTS(オーガニックテキスタイル世界基準)により発覚し、供給が制限された。OCは遺伝子組み換えでない種を、農薬・化学肥料を3年以上使っていない土地で有機栽培し、枯葉剤を使わずに収穫した綿花。このOC特有の要因で、需要に対して生産・供給量を一気に増やしにくく、インドのOC価格は急騰している。
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